地すべり、崩壊


301
宝塚駅北方、武庫川右岸道路の法面崩壊。この道路は上流の団地からの抜け道になっています。もし地震が通勤時間帯に起こったら、落石による人的被害も相当でたことが予想されます。
 地質は花崗岩。断層の影響で割れ目が多く発達し、岩盤等級としてはCL級。
302 上流の団地外周擁壁の崩壊。間知石積みではなくて、玉石積みだったのが裏目。この団地はおそらく昭和30年代、宅地造成規制法以前の作品。
303 更に上に上がって見ます。正面上方は地震で生じた法面崩壊。この法面も、後で色々問題を起こしました。聞いてみると馬鹿馬鹿しいような話しですが。実はこの付近は「有馬高槻構造線」が通っている。正面の三階建ての家の当たりに主断層が通っているはずです。
 これの上でボーリングをやっていたのでオペレーターに話しを聞いて見ると、役所が来て、ガッチリした岩盤まで掘れ」という指示。こんな処で幾ら掘ってもガッチリした岩盤が出る訳がない。そんな馬鹿な事を言う役所とは何者でしょう?兵庫県なら言いかねません。
 道路のアスファルト補修部分は地震直後の応急復旧。右のブロック積みにクラックがはいり、この下の地盤が沈下していることを物語っています。
 実は、この地区はこの後とんでもないことになりました。
304 303の上に上がって見ます。宅盤の上の家が傾いているのは地震の所為ではなく、地すべりの所為です。正面のブロック積みに入る縦てクラックが、ほぼ地すべりブロックの側壁に相当。
 この日、天気予報によれば翌日低気圧が接近するということ。これは大変だ、と言うことで西宮市に緊急避難を要請するために電話をしたが、全く繋がらない。そこで毎日新聞に連絡して西宮市に通報してもらうことにしました。上手く繋がったがどうか知りませんが、翌日全面避難命令が出ています。
 但し、低気圧通過後の状況は更に非道いことになっていました。
305 304の下の路面状況。完全に地すべりが発生しています。
306 305の近景。地すべりを起こしているのは造成時の盛土。30年代の盛土だから品質管理も防災工も何もやっていなかったのでしょう。

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