云ってくれましたね、柏村が!こういうのを「鎖国主義」というのです。

 柏村参院議員が、参議院決算委員会の席上で突然、人質を「反日分子」、「反政府活動家」呼ばわりして、世間をあっと云わせました。こういうのをアナクロ鎖国主義というのです。このようなチンピラ鎖国主義者の代表の一人に、例の木っ端役人上がりの佐々淳行がいます。彼の一連の妄言に対する批判は「現代の正論/佐々淳行批判」をクリックして下さい。

 将軍家光の頃、明国安東都督が、長崎奉行を通じて「・・・この頃、日本人が江南地方の海岸を荒らして困る。中には海賊行為を働く者もいる。宜しく御国で取り締まってくれ」という申し入れを幕府に対し行った。返書の起草を命じられた、儒者林羅山がどう答えたかというと「・・・古来日本人は礼節を持ってなる国民であり、そのような行為を働く筈がない。彼らは日本人と称しているが、実際は中国人である。御国で適当に処理してくれ」という木で鼻を括ったようなものだった。これが、当時の幕府の外交感覚だったのである。要するに、政治家・官僚は面倒事は引き受けたくない、面倒事は当人の自己責任、ムラを勝手に出ていくのは、ムラの掟を破ったのだから、ムラ八部、というわけだ。現代日本の外交感覚は、350年前と比べてどれだけ進歩しているだろうか。
 もっと非道いのは、マスコミ、特に読売・産経らしい。筆者はこのような三流屑新聞は読まないから、どのようなことが書いてあったかしらないが、読売はあの(巨人さえ強ければ、日本のプロ野球はどうなっても良いという)オーナーの性格、産経は従来からの報道姿勢から見て、偏狭なアナクロ鎖国主義マスコミだから当然とも云える。

 このような鎖国主義的言動は小泉内閣になってから、力を持ってきたように感じられる。小泉自身が鎖国主義的傾向があるのだろう。いや、彼はブッシュと個人的親交があるし、鎖国主義なんてあるはずがないと、思うでしょう。ところが、鎖国とはそういうものではないのです。
 
 鎖国時代の日本は、全く国を閉ざしていた訳ではありません。中国・朝鮮・オランダとは国交があったのです。但し、非常に偏っていることが判ります。中国・朝鮮も、その後鎖国政策をとりますから、海外特に欧州の情報を伝えるのはオランダだけになります。オランダは日本との貿易を独占したいから、自国に都合の悪い情報を流すでしょうか。幕府はオランダからの偏った情報のみで国策を運営してきたから、アヘン戦争で中国が敗北すると、吃驚・仰天、為す術を無くし、後は支離滅裂、遂に幕府崩壊の憂き目にあったのです。

 今当に、小泉は当時の幕府と同じ過ちを犯そうとしている。全てはアメリカ頼み、担保になるのはブッシュとの個人的友情。もし、秋の大統領選でケリーが勝利でもしたら、どうするのでしょう。ケリーは間違いなく親中・反日政策を採ります。北朝鮮対策もどうなるか、判りません。少なくとも、日本とは距離を置く、多国間協議を重視するでしょう。ジャパンナッシングの再来です。

 そうなるのも、柏村のような偏狭な鎖国主義者のせいなのです。 


云ってくれましたね、あの石破が!こういう馬鹿が国政に携わること自体が大問題。

 このコーナーで、何度も石破防衛庁長官は頭が悪いと云っているので、このような発言があったところで、余りビックリもしないが、こうまで露骨に云われると、いささかしらけるのじゃないか、と思うのだが、あの鈍感小泉内閣ではこれも許されるのだろう。

 イラク派遣航空自衛隊の帰還式典の挨拶で「イラクは石油が出るから重要だ云々」とのたまわった。要するに、「お前達は石油のためにイラクに行った」ということだ(なお、石油国益論は、既にサンプロでも公言していたので、おそらく誰かから吹き込まれたのだろう。誰か、が問題だが、可能性としては、例の岡本行夫元首相補佐官が考えられる。何せ、奥・井上の両名は、岡本と関係のある三菱系某社の、復興ビジネスの下見途中で射殺された、という噂がある)。一般国民にとって、ホンネはそうだというのは始めから判っているが、危険地に行く自衛隊員に対し、云ってはいけない禁句位のことは判らないのか。この程度の頭しか持ち合わせないのが、防衛庁長官をやっている。おまけにこいつは国民年金も未払い。当に国賊である。国賊が国防をになう、この矛盾。おまけに総理大臣は、相変わらずあっけらかんのノーテンキ。ノーパン野郎には付ける薬もない。

 「石破」など変わった名字ですね。ひょっとするとあっちの人か。小泉もあっちかもしれないんですよ。


 今回のイラク人質事件で、小泉内閣の危機管理は上手くいったなどという、ぺこぺこ発言(夏の参院選を意識して)する政治家や、提灯記事を書くマスコミが多く見られるが、トンデモないことで、事件の発生から収束まで、小泉内閣も政府各省も何もしなかった・・・出来なかった、というのが真相。要するに危機管理のノウハウが無かったということが、今回も露呈されたのだが、それを衝く記事・論説が一向に見られないのが問題。(04/04/18)
 イラク人質に対し、福田康夫が「個人の信条よりも他人の迷惑を考えよ」と御説教。これこそ時代遅れの鎖国主義。日本はムラに迷惑にならないように、250年間鎖国して、ヨーロッパから250年分遅れをとったのだ。こんな手合いが官房長官なんだから、日本の将来はどうにもならんでしょう。

「イラクはアメリカにとってベトナムよりは中国」

                        大阪府 高槻市 技術士 横井和夫

 イラク情勢の現況については「ブッシュに採ってのベトナム」という見方があるが、むしろ「かつての日本に於ける中国」に似てきていると思う。昭和12年、日中本格戦が始まるのだが、それまでの中国の諸勢力・世論はバラバラで、必ずしも反日・抗日で一致していたわけではなかった。反日勢力の代表である国民党に対しても反対勢力はあったし、国民党内部でも、蒋介石一編同ではなかったのである。ところが、日中本格戦の開始とともに、これら諸勢力が一斉に反日戦線に統一されてしまった。互いに敵対勢力であった、国民党と共産党までが、抗日戦線で一致してしまったのである。この結果、日本は全中国を敵に廻すことになり、戦線は拡大する一方。戦争を収束する事も出来ず、いたずらに国力と時間を浪費し、和解のチャンスを逃し、ついには対英米戦に突入して、国家を滅ぼすことになった。一般に戦争を始めた場合、一体何時、どいいう形で戦争を終わらせるかは、戦争論の基本中の基本である。そして、終わらせ方は自分の勝手な思いこみでは、必ず失敗する。第三国に根回しをし、誰もが納得出来るやり方で終わらせるのである。

 今のイラク情勢を見ると、イラク国内勢力はバラバラで、アメリカも一体誰と交渉して良いか、判らなくなっている。これは、対中国戦争当時の日本政府の置かれた立場とそっくりである。「蒋介石相手とせず…」という近衛声明は、当に自ら交渉の相手を潰した訳で、ひたすら戦争の泥沼に踏み込んで行くきっかけになっている。シーア派とスンニ派との共闘は、第二次国共合作を思わせるし、ファルージャの戦いはさしずめ「南京」攻防戦といったところか。イラク暫定統治評議会は日本政府がでっち上げた南京政府のようなもので、現地人からさっぱり信用されていないから、百害あって一利なし。

 当時の日本がどうすべきだったか、今だからみんな他人事のように云うが、やはり秩序ある撤兵を行うべきだったのである。そして、撤兵のチャンスは何度かあった。しかし、国内一部勢力の頑なな世論が、軍・政府に圧力をかけて、撤兵に踏み切らせなかったのである。この点について、戦後世論は全ての責任を軍部、特に陸軍に負わせようする傾向が強いが、それは疑問で、一部のマスコミ・右翼政治家(小泉親子も含まれる)・左翼社会運動家・地域指導者の責任が大きい。

 今の米国に必要なことは、秩序ある撤兵の理由とタイミングを見失わないことである。それを怠ると、米国は世界から孤立し、日本もやはり国際的に孤立するのである。何時か来た道を繰り返さないためには、かつてのミスを冷静に批判し、対応策を考えなければならない。その点については、日本は経験者なのだから、外交に未熟な米国…特にブッシュ…に適切なアドバイスをする義務はあるだろう。(04/04/20)


「何時まで経っても国内基準の日本人」

 イラク第一次人質三人が解放されてご同慶の至り。しかしこの中で繰り返されたのは、相も変わらずの国内基準に基づくドタバタ騒ぎ。
1)先ず家族(とその支持者)。私は家族の行動を細かくチェックしたわけでもなく、たまに記者会見の様子をTVで見たぐらいだが、あのうろたえぶりは常軌をいっしており、責任転嫁も甚だしいと思わざるを得ない。「・・・力を貸してクダサーイ・・・」。それはないでしょ。人質はもう子供じゃないんだから、自己責任が国際基準。
(なお、2chの「自作自演説」サイトでは、人質家族の態度が横柄、とか支援者の態度が悪いと言った書き込みが目立つ。処が我々一般ピープルは、TVでの記者会見映像しか見れない。そこでは、その様な横柄な態度は見られない。と言うことは「自作自演説」サイトは、政府・与党側のプロパガンダの疑いが極めて濃厚である。既にそういうスレッドが立ち上がっている)
2)反対に自民党とそのシンパ。本日のサンプロをたまに見ていると、例の佐々淳行(私はこの人間を信用していない。全くの無能人物と思っている。ホントーに頭が悪いなあ。感心するよ)。彼曰わく、この事件でどれだけの人間が迷惑を蒙ったか、経費が幾ら掛かったか、と言った目先の下らないことをぐずぐず愚痴っておった。これこそ国内基準。視野の狭い木っ端役人の典型。人質になったのはいささか変わった連中ではあるが、実際には誰が人質になるか判らない。ドタバタしたのは、日本政府に、この種事件対応のノウハウが無かっただけのこと。だから、直ぐに危険地帯だから渡航禁止にしよう、などと言い出す。この三人のおかげで、対応の弱点が判れば安い授業料だ。なお、三人が解放された理由は、彼らが反政府的スタンスを持っていたためと考えられる。これが逆だったら・・・例えば某三菱系セメント会社のエージェント(三菱石油という説もある)だったりしたら・・・人質は殺されていたかもしれない。イタリア人がその例。そうなれば内閣総辞職、政局に発展しかねない。小泉は三人に感謝したほうが良いのじゃないか。おっと、これも国内基準。
3)インターネット。2ch書き込みは国内基準を通り越して、自己基準のみ。かつてのヨーロッパ諸国はかつての帝国主義時代に、この種の事件を幾らでも経験してきた。それなりのノウハウがある。この経験に乏しいのがアメリカ、更に乏しいの日本である。先進国は危険地帯だからといって、渡航禁止にしたりしない。むしろそういう処に積極的に乗り込んで、現地とのパイプをつないだり、情報を採っていたのである。乗り込んでいった連中は、必ずしもまともな人間とは限らない。
 今回の人質は得難い経験を得たし、ひょっとすると部族社会に、なんらかのコンタクトが得られたかもしれない。そうすると、かれらをキーストーンにして、イラク復興に有利な地位を占められるかもしれない。ブッシュがひっくり返った時に備えて、それぐらいの手を打っておくのが「国際基準」。
                                                                                          横井和夫

注;私が総理大臣なら、あの三人に特命を与えてもう一度イラクに送り込む。