小泉、突然の訪朝
 小泉の年金未納説明記者会見に、飯島勲が出てくる。今度は、日テレに対する、北朝鮮同行取材拒否記者会見。これも飯島勲が取り仕切る。こういうのは、本来、官房長官の役割。官房長官を押しのけて、秘書官(といっても、彼は元もと小泉の私設秘書)が直接、記者会見するなど、聞いたことがない。何かあると思っていたら、案の定、細田に給与疑惑。細田も、事件もみ消しに忙しいから、記者会見どころじゃない。細田は、福田に成り代わって、コイズミ、阿部と並んで嘘の枢軸を継ぐ資格、十分にあり。
 それに、日テレ・読売も黙っていられないから、この次は、飯島スキャンダルが表に出てくるだろう。小泉の化けの皮が剥がれるとき。なお、日テレ情報では、北朝鮮米支援は25 万tだそうだ。一人5億か。随分値切ったものだ。交渉は物別れになるだろう。

 以上が、05/19午前中の話。同日15:00にインターネットを見ると、細田が「日テレにも配慮する」という談話を発表。日テレと官邸の間に、何か取引があったのは、見え見え。飯島スキャンダルをもみ消す替わりに、平壌に連れて行く、と云ったところか。飯島自身、叩けば埃の出る体。例の藤井イニシャルの”I”とは、飯島とは専らの噂。飯島から火の粉が出れば、小泉に燃え移るのはあきらか。これでは参院選は戦えない。(04/05/19 15:00)

 それにしても、民主党は千載一遇の大チャンスをものに出来ないんだから、どうしようもない。


 先週05/15に、小泉総理が、突然5月22日の、訪朝を発表しました。但し、小泉訪朝は、以前から噂されていたので、それほど突然でもありません。翌日のサンプロ他の報道番組では、その背景として、概ね次のような解説が行われています。
 1)訪問時期
   ・参院選の日程を考えると、今しかない。遅れると、選挙狙いと云われる。
   ・サミットの日程を考えると今しかない。サミット前の訪米で、ブッシュに何らかの土産が必要。
 2)発表のタイミング
   ・小泉年金未納問題が、マスコミに大きく取り上げられるのを防ぐ。
   ・小沢民主党代表発表が、マスコミに大きく取り上げられるのを防ぐ。
 3)効果
   ・金正日は、小泉が来たければ来れば良い、という態度で、効果は期待していない。仮に、拉致家族を帰すとしても、代償は高いものになる。
   ・拉致家族が直ぐに、日本に来ることは期待出来ない。
   ・一人、10億円。5人で、大体米50万t相当の援助になる。
   ・第一、訪朝発表からの時間がないので、日本側に十分、準備が出来ていない。
   

 以上を見るとおり、今回の訪朝の背景は、全て国内、或いは党内事情で、決定されていることが判ります。要するに、拉致問題・外交問題の内政利用なのです。このように、国民の関心事を、政局や党内権力闘争に利用して、問題の誤魔化しをやるのが、小泉の得意技。

 仮に、今回の訪朝で拉致家族の帰国が実現したとして、次のような問題が残っています。
1)拉致家族はおそらく、暫く或いは一生、公安の監視下に置かれるでしょう。
2)拉致家族に対して、イラク人質並みのバッシングが行われるでしょう。特に2chの公安サイト。
3)ジェンキンス氏が、訴追を免れることはあり得ません。彼は敵前逃亡だけでなく、スパイ罪が適用される可能性もあります。その場合、最高刑は死刑です。果たして、彼が来日に同意するでしょうか。
4)北朝鮮は、これで拉致問題を終結させようとするでしょう。この手に載ってはいけないのは判っているが、首相が訪朝したために、次の手が打てない。次の手がない。
5)ポスト小泉の首相は、対北朝鮮交渉が、やりにくくなるでしょうなあ。

 要するに、拉致家族帰国を声高に叫ぶ割には、帰国した後の、準備が全く出来ていない。これは、日本の官僚の特徴でもある。私がかつて勤務していた会社でも、やれ人を採用せよ、仕事を取れ、とか叫ぶのだが、いざ人を採用したり、仕事をとった後、どうするか何にも考えていないケースが多かったのである。日本人は、目先のことを解決するのは得意だが、長期的展望を予測するのが苦手なのだろう。やはり、魚ばっかり喰うので、DHA摂取過多の結果と、考えられる。(04/05/18)

(注)DHAの摂取は、世間で云われるように、頭を良くするんじゃなくて、単に気が短くなるだけ、というのが筆者の見解。