謎の知床隆起


 
 北海道知床半島羅臼で4/24~25に懸けて突如現れたという海底の隆起。さてこれはなにものか?背面の崖に新しい滑落の跡があるから、上にあった地層が滑落したという見方もありますが、地層の「色が黒いので、永年陸上にあったものではなく、海底にあったものが隆起したと考えるのが妥当と思います。なお表面にウニや貝などの底棲生物が付着していたというから、これらの年代を調べれば、この地層の起源が現世での陸上か海底かはイチコロで判る。なお調べるのには手間ひまは懸かりません。慣れた研究者なら見ただけで判るでしょう。
 結論的に云えば、筆者は今のところ背面陸上のスランプ(地すべり)による末端隆起と考えています。しかし100%そう言い切れるかと言うと余り自信はない。それを裏付ける情報が少なすぎるからです。なおスランプとしたとき、その範囲は相当広範囲に及ぶので、海岸だけ見ていても駄目。こういう調査こそドローンが役にたつ。
(15/04/25)
  
  今のところ地すべりの末端隆起という説が有力のようですが。ワタクシが何故100%自信がもてないと言ったのには理由があります。
1、地形から見て周辺は平坦な海岸段丘であり、顕著な地すべり地形が見られない。
2、季節としては既に雪は溶け、仮に気温が急上昇したところで、大量の水が地下に供給される状況は考え難い。
3、当日は地震もなく地すべりの誘引になる要素がない。
4、左の図を見るとおり、隆起部の崖に沿って水平の筋が入っているが、これはこの地層の層理面を現す。地すべりによる末端隆起なら、それに押されて変形や破断が生じるはずだがそれがない。なんとなく全体が垂直に持ち上がった感は¥がある。
 以上ですが、この疑問に答えるには隆起部背面陸地の詳しい情報が必要です。