何ともまか不思議な日本橋高速道路地下化案

 9/16には、これが総工費4000〜5000億円、経済効果1兆2〜3000億円まで数字が低下してきました。肝心の数字がぐらぐらです。この先どれぐらいまで低下するのでしょうか?石原はこれを東京オリンピックっと抱き合わせでやるつもりだろうが、その内空中分解でしょう。そもそもが、根の浅い思いつきだ。もう少し真面目に考えてからにして貰いたい。
(06/09/18)

 昨日、奥田有識者(といっても素人ばっかり)会議が、東京日本橋周辺の首都高地下化についての提言をまとめた。例のコイズミの思いつきにおもねるロクデナシどものロクデナシ提案である。問題点。
1、これが最初浮上したとき、総工費は確か1兆2000億とか3000億とか云っていたはずだ。ところが、今回の提言では6000〜7000億になっている。何時の間にこんなに安くなったのでしょう?まさか首都高会社から、これ以上は負担出来ませんといわれて、それに合わせたのではないでしょうねえ。
2、河川は親水護岸とし、周辺建物にも高さ制限を設ける。これにより数兆円の経済効果を見込める。
3、工費は将来の不動産価値上昇を担保に、周辺企業に負担して貰う。
 これが本当に出来れば文句はありません。しかし本気でこんなことが出来ると思っているのでしょうか?
1、河川を親水護岸とすることにより河川占有面積が増え、土地有効利用率は低下する。
2、高さ制限が加わることと、工費負担(永続的な不動産付加価値税の新設)のため、不動産所有リスクが高く、既存企業は東京から逃げ出す。第一周辺とはどの当たりまでを指すのでしょう?まさか、金が足らなくなると、「周辺に明確な定義は無い」、などと云って淀川まで広げて来るんじゃないでしょうねえ。かつて自民党道路族は、地方高速道路予算が足りなくなると、「全国で一本の道路だあー」などと無茶苦茶なことを云って、無理矢理金を巻き上げてきたのだ。「全国の川の源は一つだあー!」などと言って、それと同じことをやるんじゃないでしょうねえ。
3、工費が6000〜7000億で済むなんて誰も思っていない。大体、最終的には倍ぐらいには膨れ上がるだろう。従って、首都高だって値上げしなければならない。
(日本橋にはJCTがありこれを地下化しなくてはならない。更に地下鉄があり、これらと地下立体交差になる。施工としては急曲線シールドとか拡大シールドのような特殊工法を主に使うことになるが、工法としては確立している。しかし、安くはないよ。又、既設路線の付け替えのような関連工事とか、既存構造物のアンダーピニングとか、補助工法が膨大なものになり、これが工事費を押し上げる要因になる。おまけに周辺建物の解体費用は誰が負担するのでしょう。特に、現首都高を供用したままの施行とすると、日本橋の地下には高架橋基礎のクイが林立している。日本橋はJCTICだから本線とランプ橋が交叉し、線形が極めて複雑で、構造物が錯綜している。こんなところに、本当にトンネルを掘れるのか、極めて疑問である。一旦現在の首都高を撤去して新たに地下線を造るか、全く別の場所に造るかしないと無理では無いか、と思われるのである。 一方 有識者会議は6000〜7000億で済むという。その根拠を早急に出すべきだろう。)
4、以上から、不動産価値は下がることはあっても上がることはない。
 即ち、画に描いた餅である。有識者会議はそれを承知で、つまり地下化なんて無理ですよ、と云いたいためにこの報告書を出したのだろうか?それなら相当の高等戦術ですがね。
 なお、某新聞社説では全都の高速道路の地下化を計るべきだ、などとノーテンキなタワゴトを云っている。頭が悪く、表面でしかものを見られない文系マスコミの典型だ。今でも、時間降雨量100oを越える雨が降ると、都内は水浸しで車が走れなくなっている。辛うじて大丈夫なのは高速だけである。このような降雨は、今後当たり前になる。ヨーロッパ、特にオランダの高速道路は原則として半地下である。地下化論者はこれが頭にあるのだろう。しかしヨーロッパでも、近年大洪水が頻発している。おそらく、オランダも将来、日本のような高架方式に変わるだろう。実際そういう動きがあるのだ。その時、地下化論者はどう言い訳するのでしょう?
(06/08/24)


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