北朝鮮核兵器と地震を混同する馬鹿・・・慶応教授竹森

横井技術士事務所

 今度はこの教授、東京の電力不足を理由に、企業の西日本移転を言い出した(11/04/28毎日新聞)。君に云われなくても、気の利いた会社はとっくにそうしとる。大学教授の割にはセンスが悪すぎる、或いは遅すぎる。問題は東日本を逃げ出した企業が、西日本をパスして中国に行ってしまうことである。
(11/04/28)

 
ここで馬鹿・・・或いはペテン師・・・と云うのは慶応大学教授の竹森俊平のことである。彼は毎日新聞(11/4/21)朝刊で、次のような珍妙理論を披瀝した。彼はまず、北朝鮮と韓国の関係を例に挙げ、北朝鮮核攻撃のおそれはあっても、今のソウル圏2500万人を移転できないから、北朝鮮が何かを要求すればそれに応じることによって、北朝鮮の暴発を抑制・先送りしている。今の日本首都圏も同じで、例え地震の脅威にさらされていても、東京を「玉」として護って行かなくてはならない。その理由は首都圏2500万人を移転させることは困難だから、と云うものである。
 さて、この論文の主旨は、平成23年東北太平洋沖地震とそれに続く福島第一原発事故の後、俄に高まってきた(特に西日本で)首都移転論議に釘を刺すものということは顕かである。しかし、この論文には二つの大きなペテンが仕込まれている。
 一つは、北朝鮮核兵器脅威と地震という、全く性質の異なる事象を同列に並べて、大衆を目くらましにかけることである。核兵器を作動させるのは基本的に人間である(管理が悪ければ自己誘導を起こして臨界に達するケースは無くはないが、それは北朝鮮国内問題であって、韓国には関係。ない)。北朝鮮の場合、核の作動はキムジョンイルという只一人の人間に支配されている。従って韓国としては、ジョンイルをおだてたりすかしたり買収したりして、核作動を思い止めさせたり先送りさせたり出来る。しかし地震はそうはいかない。東海・東南海・南海地震や首都直下地震はもはや想像ではなく、科学的事実である。北朝鮮核はジョンイルやジョンウンを暗殺すれば無くなるかもしれない。しかし、これらの地震は必ず来るのである。地震は純粋に地殻内物理現象であって、その発生を人為的にコントロール出来ない。地震に対しては、ジョンイルのように脅しや買収は効かないのである。そういう全く性格の異なることを、同列にならべる点にまやかしペテンがある。
 次に、移転論を全住民の移転という風に言い換える点に、第二のペテンが感じられる。北朝鮮の直接攻撃を考えるなら、全住民避難は当然考えるべきである。第二次大戦勃発直後、イギリスはロンドン市民の事実上全市民移転を行った。戦時に於ける全住民移転は、政府がその気になればやれない事ではない。何故なら、他国からの攻撃のケースでは攻撃手法はある程度限定されるし、それを避ける手段もある。純粋に地表と軍事条件だけで、安全な移転先は選定出来る。しかし、地震はそうはいかない。日本で首都圏2500万人を、地震の危険なしで収容できる土地などあるはずがない。このように自明の事実を盾にとって、不可能と言い張るのがペテンなのである。これは役人がよく使う常套手段。首都機能移転と首都住民移転は、言葉は似ているが全く異なる。必要な事は首都機能・・・つまり国家運営機能、具体的には各省庁・・・を分散配置することである。分散すれば、連携・連絡が悪くなって、行政効率は低下すると官僚や政治家は反対するだろうが、霞ヶ関に集中している現在でもバラバラなのだから、大した変化はない。逆に官僚の連絡を分断する事によって、悪事を防ぐ効果がある。竹森のように東京を「玉」として護ると言うことは、2500万人を絶対安全圏に囲い込むということだ。それでは、現在の都市インフラでは到底追いつかない。莫大な投資が必要である。却ってコストが懸かる。現に、外資系企業を中心に東京脱出が始まっているし、国内企業でもNTTデータ通信がデータセンターを西日本に移すことを発表している。企業サイドから既に東京脱出が始まっているのである。更に、彼の云おうとすることは・・・東京を護る為に・・・そのコストを地方に負担させようと云うことである。そんな自分勝手な言い分が世間に通用するとおもっているのだろうか?いや、世界で二つ通用している国がある。それは中国と北朝鮮である。
 竹森の頭にあるのは古いコストパフォーマンス極大型経済、或いは中央主導型統制経済。その典型が石原ーコイズミー竹中路線で進められてきた、東京一極集中型。しかし、それは今回の地震と福島原発事故によって破綻してしまったのである。
(11/04/24)



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