東京オリンピックの真実

技術士 横井和夫


 札幌市の30年冬季オリンピック返上で、バッハがカンカン。日本は当分というか、42以降までは冬季五輪の芽が無くなったらしい。何とかと云う元自民党議員が、以前テレビで「一旦返上したら未来永劫オリンピックはやってこない)というのが本当になったようだ。 しかしご心配なく、かつて1940年東京オリンピックは戦争で返上したが、その24年後1964東京オリンピックとして立派に開催されている。4年といえば今から20年先。そこまでバッハは生きていないし、世の中も変わる。第一気候変動で、20年後オリンピックそのものが維持できるかどうか分からない。
 まず2年前の東京オリンピック。東京は緯度で云えば中緯度モンスーン帯に属するが、プレオリンピックの段階から熱中症が続出、猛暑の中の開催となった。最近では東京より緯度が高いヨーロッパでも、とんでもない猛暑に見舞われる。今後はアメリカNFLスケジュールに合わせた夏季五輪は、北半球での開催は無理で、季節的には冬に当たる南半球、中でも高緯度地帯に限られるようになるだろう。例えばパタゴニアとかだ。
 冬季オリンピックも同じで、温暖化で地球全体に雪が降らなくなる。特に北欧やアルプス地方がダメージを受けるだろう。ところが日本は例外で、温暖化で夏に日本海の水温が高くなると日本は豪雪になる。特にエルニーニョの年はそうだ。更に日本の雪質は良いから選手にも評判が良い。そうだとすると」バッハがどう云おうと、IOCの方から日本に開催をお願いに来るかもしれない。その時は、思い切りIOCからぼったくればよい。
(23/12/02)

 東京五輪招致に裏金が動いていたかどうか?石川県知事の馳浩が身内の集会で、当時のアベ総理から「カネは幾らでもある。何が何でも云々」と云われたのをばらしたら、それがメデイアにリーク。忽ち「事実誤認」ですt前言取り消し宣言。果たして、この馳の言い訳を信じる人がどれだけいるか?
 そもそも東京五輪招致活動については、その前から色々噂があった。元世界陸連会長親子とか、その間を取り持つコンサルタントとか、怪しい連中の名前7が出ては消え、消えては又出てくる。極めつけが、当時JOC会長だった竹田恒和が、記者会見をいきなり打ち切って退席し、直後に辞任。誰だって話できない何かがあるだろうと思ってしまう。
 今回、馳は発言がメデイアで取り上げられた途端、「あれは事実誤認です」と、全責任が自分にあるかのように平謝り。誰に向かって謝っているのか?通常こういう場合政治家は「あの発言は真意ではない。マスコミが都合の良いところだけ切り取って流したんだ」と居直るものだが、今回は違う。何処か強い力が作用したようだ。その力の元は何処か?当たり前だが、これは森喜朗。森にしてみれば「この野郎、余計なことをいいおって」というところだろう。
 さて場面は変わって大阪万博。松井がアベのところに行ったとき、アベに「大阪万博、いいねえ。カネはいくらでもある。ドンドンやってくれ」と発破をかけられた、と松井自身が何処かで漏らしている。万博招致が決まったとき、松井は「ヨッシャ!」と家わんばかりのニンマリ顔。これはテレビにちゃんと残っている。東京オリンピックと大阪万博。この二つのビッグプロジェクトの背後に共通するのは、アベ晋三を中心とする産官複合体、中でも経産利権構造でる。この経産利権を引き継ぐのがアベ派では西村康稔。閣内でも万博推進最右翼だ
(23/11/20)

 マタマタ出てきた東京オリンピック疑惑。五輪テスト大会、本大会の運営・企画に対する官製談合。この中心にいたのが電通。組織委員会会長に森喜朗がなったときに、遅かれ早かれこんなことになるだろうと思っていたが、やっぱりだ。
 失言で森が退任し、橋本聖子が会長になったが、聖子自身森の秘蔵子。国会議員になったのも森の引きがあったから。云ってみれば聖子は森のダミー、操り人形に過ぎない。その聖子を差し置いて、外部委託事業を私物化したのが(竹田)ー高橋ー青木、角川ら慶応閥。そしてその頂点に君臨するのが森喜朗。森の魔力には、慎太郎も猪瀬も百合子も太刀打ちできない。そのわけは、森のバック或いは懐にアベ晋三がいたからである。この二人で、東京オリンピックを食い物にしてきた、と云って過言ではないだろう。
 さて問題は、この種のスキャンダルの摘発がこれで終わるかどうかである。東京地検は高橋ルートの摘発で捜査を一旦終息させる、と云われるが、マスコミ特に週刊誌がそれで収まるとは思えない。更にこれに自民党内政局が絡んでくる。岸田潰しのために、アベ派から何かリークがあるかもしれないし、その逆もある。永田町的に見れば、東京オリンピックというのは自民党、中でもアベ派によるアベ派のためのプロジェクトだ。今裏で相当ゴタゴタが起こっていると思って間違いない。統一教会どころではない。
(22/11/23)

 アベ国葬と統一教会騒ぎでメデイアからすっかり姿を消したように見えるのが、東京オリンピック疑惑事件。しかしその間、竹田恒和前IOC委員長への事情聴取があり、森喜朗への聴取も継続して行われていると云われる。
 これまで明らかになっているのは、高橋元理事を媒介とするスポンサーシップ関連疑惑で、これのターゲットは電通。その先にはアベー菅の影がぼんやりと見える。しかしこの電通ルートはほんの入り口で、本命は施設整備疑惑というのが筆者の見方である。スポンサーシップ利権などせいぜいン億の単位で、ン千億が動く施設整備関連利権に比べれば、鼻くそのようなもの。そしてその中心にいるのが大成建設。その背後にぼんやりと見えるのがアベー菅の影。
 まず第一が新国立競技場。元々民主党当時の設計では、概算6000億から7000億だったのが、詳細設計では3倍近くに跳ね上がった。その両方に、大成と梓設計が関わっている。これはおかしいと舛添が噛みつくと、原案はチャラにして大成案で決定。始めから大成が裏で動いて、操っていたのではないか、とさえ疑われる。その他晴海のボート会場とか目玉になりそうな施設は、軒並み大成が持って行っている。大林などの関西勢は指をくわえて見ているだけだ。
 第二が関連整備である。これの大きなものは、築地市場の跡地利用と、今話題の神宮外苑再開発である。両方に三井不動産と大成建設が絡んでいる。筆者の感じでは、第二次アベ政権以来、主要工事に大成建設の影がチラホラしだす。日本最大のゼネコンはカジマだが、これは所謂保守本流。やばい仕事には手は出さない。大成はどちらかというとゼネコンの本流とは外れている。例えば社名は他のゼネコンは創業者の名前を表に出すのが普通だが、大成はそうではない。これは大成の場合、創業が個人ではなく、多数の出資によるものだからだ。この場合、経営人の中に派閥が生まれ、社内競争が激しくなる。それは社内に活力を与えるという長所もあるが、ある方向に暴走する危険性を持っている。
 一方アベ派も保守本流ではない。いわば傍流同士でウマがあったのかもしれないが、そんなことはない。実は菅の息子が大成の社員だからだ。この点にも長州郷党閥の意識が現れている。
(22/10/04)

 講談社だけは駄目だ!。これは20’東京オリンピックスポンサーシップに出版枠ができたとき、講談社とKADOKAWAが名乗りを上げた、そのときの組織委員長森喜朗の反応である。何故森は講談社を嫌ったのか? 講談社の関連誌に週刊現代と日刊ゲンダイがある。日刊ゲンダイといえば第一次アベ政権以来、一貫してアンチアベ報道。アベ晋三の後見を自負する森としても、腹に据えかねる処があったのだろう。それをこういうところで晴らすとは、ケツの穴が小さい。かつて田中真紀子は森を「象の体にサメの脳みそ」と評したが、それに加えて「ミミズの肛門」と云ったところか。
(22/09/08)

 いよいよ本命か?青木HDの青木から、元東京五輪組織委員長森喜朗へ200万円の献金発覚。すわ捜査は森近辺に及ぶか?そこが微妙。森程の大物に200万とは額が小さすぎるから立件は難しい、というのが若狭弁護士の意見。確かにそうだが、名目が問題。名目は「見舞金」ということだが、一体何の見舞金なのか?見舞金にもいろいろあって、例えば病気見舞いとか、陣中見舞いである。いずれにせよ、企業の場合は見舞金は寄付行為とみなされるからあり得ない。
 従って個人での見舞になるが、それでも親戚同士とか、以前からの深い付き合いとか、個人的な深い関係が無ければやらない。まして赤の他人に200万を渡すというのはあり得ない。青木と森がそんな深い付き合いなら、間に電通高橋を介在させる必要はない。従ってこの200万は何らかの挨拶代わりとみられ、本命は他にあると考えられる。それが青木が高橋に渡した5100万。そのうち約半分の2700万ほどが行方不明。これの全部か一部が森に渡ったのではないか?。
 他にKADOKAWAから高橋に7000万が渡っている。これがどこに消えたのか?東京オリパラまで、20年東京都知事選、19年参院選、17年衆院選。終わっても20年自民党総裁選。金の要ることばかりだ。森の手元に入ったオリンピック資金は、大部分が自民党、中でも清和会の選挙資金に消えたのではないか?
 こういうオリパラ疑惑が明らかになりつつあるのも、アベが居なくなったからだ。彼が生きていれば闇から闇へ葬られていただろう。アベの死で、重石がとれたか、地獄の蓋が開いたか?まだまだ出てくるでしょう。例えば、新国立競技場とか他のオリンピック施設建設に絡む疑惑。キーは知る人ぞ知るアベ印の大成建設。この会社新国立だけじゃなく、オリンピック関連施設の美味しいところを、みんな持って行っている。
(22/09/04)

 なかなか収まらないワリエワドーピング問題。問題の本質はオリンピックを国威発揚の場と捉えるプーチン=ロシア政権の体質。だとすれば石原慎太郎ならワリエナ問題についてどう評しただろうか。
 「オリンピックは国威発揚なんだからワリエワは立派にその役割を果たした。日本選手も見習うべきだ・・・つまり恐れずドーピングをやれ」とでも言えば、首尾は一貫している。しかし「オリンピックはフェアプレー精神なんだからドーピングは感心せんね」などと説教がましいことを言えば、ダブルスタンダードだ。自分に甘く人に厳しい日和見主義者石原慎太郎のことだから、なんとなく後者の気がする。
(22/02/18)

 84年ロス五輪以来、商業化が進んだ現代オリンピック。88年ソウルオリンピック以降はこれにナショナリズムが加わった。東京オリンピック誘致に際し、当時東京都知事だった石原慎太郎は「オリンピックとは国威発揚だ」と言い切った。この率直さにはあきれ果てる。
 商業主義とナショナリズム、それに国威発揚が合体すればドーピングが流行るのは当たり前。そして常に犠牲になるのは選手である。今まさにその渦中にあるのがロシアのワリエワ。昨年末血管拡張剤トリメタジシンが検出された。ロシアROCはオリンピック直前にこの件を公表し、ワリエワの資格停止処分が決定されたが、その直後ワリエワ側の抗議で撤回、彼女は出場。しかしこの件がばれて金メダルを剥奪すべきかどうかの大騒ぎ。
 ドーピング問題が起こると常に犯人扱いされるのは選手である。しかし現代のドーピング薬物は複雑で化学・薬学の専門家でないと、どういう成分がどういう効果をもたらすか分からない。競技と練習に集中しているアスリートが、そんな複雑なメカニズムを勉強して理解できるとは到底思えない。ましてワリエワは15才。日本では未だ中学生だ。
1、ワリエワ側コーチはこの薬は狭心症治療に用いるものでドーピングには当たらないと主張する。しかし15才の少女が狭心症とは思えないし、もしそうなら心臓に欠陥のある少女に過酷なトレーニングをさせていたことになる。なにか事故を起こせば責任をどうとるのか。
2、本人が知らないうちにうっかり飲んでしまった、とか誰かが彼女を陥れるために何かに混ぜた、などと殆どマンガのような説もあります。そんなこと信じられますか。トリメタジジンは錠剤で売られているので、気が付かないで飲むということは、まずあり得ない。
3、それとかドーピングの証拠なんかなんにもない、みんな作り話だ、という殆ど居直りのような発言もあります。
 筆者が思うに、この種の問題は選手よりコーチを疑うべきである。旧ソ連時代はコーチは絶大な権力を持っていた。支配下にある選手がメダルを取れば、コーチの給料はドーンと上がり、党内での序列も上がった。その過程でドーピングが国家ぐるみで行われてきた。ソ連崩壊後は政府の代わりに出てきたのが企業。コーチは有力企業と契約し選手を育てる。養成選手がメダルを取れば、やっぱり契約料も上がる。つまり資本主義社会になってもドーピングの魔力には勝てない。
 もしコーチから「この薬を飲めば、貴方の成績はぐんと伸びますよ」と囁かれたら、それに抵抗できる人間がいるでしょうか?まして10代前半の少女だ、何も考えずにコーチの指示に従うのが当然。特にロシア、中国のような権威主義的傾向の強い国ではなおさらだ。
 この種の事件が生じたとき、スポーツ団体がやらなければならないのは、選手個人だけでなくコーチやその背景組織にも調査の網を広げ、腐敗の広がりを博することである。但しあまりやりすぎると、その国スポーツ界の暗部に踏み込みかねない。今回のワリエナ事件の背後に何かプーチンの影を感じるのはそのせいか。
(22/02/14)

 北京冬季五輪外交ボイコットに関して、プーチンが「ボイコットする国には国家、国旗を剥奪すべきだ」と暴言。つまり外交ボイコット・・・中国制裁・・・に参加した国の選手が上位三位に入っても表彰式ではその選手の国旗は掲げない、優勝しても国歌は演奏しないということだ。
 このバカげた屁理屈に賛同する人間はほぼいないと思うが、ロシアや反米諸国には一定数いるかもしれない。プーチンがこんなことを言う背景にはIOCによるロシア制裁がある。現在、ロシア人選手は任意出場扱いだから入場式でロシア国旗も持てず、表彰式でロシア国歌・国旗もない。それに対する腹いせだろう。
 しかしこの原因はロシア政府による組織的ドーピングにあるのであって、ロシア人を意図的に排除するものではない。その点をプーチンはわざと誤魔化し、いかにも西欧諸国がロシアをいじめているかをアピールしている。もう一つの狙いは西側諸国の分断である。外交的ボイコットも必ずしも一枚岩ではない。ヨーロッパでもフランスは反対、EUは中途半端。この点を狙って楔を打ち込む。これこそオリンピックの政治利用そのものである。こういう状況を作り出したのもバイデンの拙速。
 しかし根本的原因は現在のIOCを支配する金権体質。これが政府や巨大資本の介入を招き、ドーピングや過剰接待、招致時疑惑を産む。IOCがこれを克服できれば、オリンピックはもっとまともな姿になるし、アスリート達も安心して競技に打ち込める。
 そもそもオリンピック開会式に政治家が出席するようになったのは何時の頃からか?そんなに古くはないはずだ。84年のロサンゼルス大会あたりからじゃないか?本当にオリンピックが政治的に中立なら、仮に政治家が開会式出席を要求しても、IOCはそれを拒否しなくてはならない。それをせずに今までズルズルきのは、IOCにそれなりに下心があったからだろう。
(21/12/30)

 ウイグル人権問題を理由に、日本政府は北京オリンピック開会式閣僚派遣を取りやめた。内にウイシュマ死亡で明らかになった入国管理局問題や、ゴーン事件で国際的にも問題視された日本の人質司法などの人権問題を抱え、それに何ら対応もしない国が他国の人権問題をあげつらうなど、片腹痛いというかブラックジョークそのものである。
 これに対し中国は「オリンピックの政治利用に反対する」と言っているが、最もオリンピックを政治に利用しているのが中国である。そもそも寒いが雪の少ない北京で、冬季オリンピックをやろうというのがオカシイ。氷上競歩はできるが雪上競技はできないので、会場をン100キロも離れた僻地で開催する。更に雪が少ないから人工雪を使う、ということが事前に決まっていた。
 人工雪を使うのは14年ソチ、18年平昌でもあったが、これは降雪量が予想より少なかったための緊急措置である。21年東京大会では、マラソンを札幌に移転した。これもみっともない話で、JOCや東京都の目論見の甘さが表に出た例。これに対し北京は始めから雪が少ないことを前提にしているのだ。こんな前提条件そのものがひっくり返ったオリンピックは聞いたことがない。もっとも日本の公共事業には幾らでもあるし、中国はその常習犯。例えば線路はできたが一向に動かない高速鉄道。原因は沿線に人がいないからだ。
 それにもかかわらずIOCが北京大会を承認したのは何故か?それは中国政府とIOCとの相互依存関係以外に他ならない。IOCはチャイナマネーに依存し、中国習政権はオリンピックに国威発揚、自己顕示を依存する。既に地球温暖化や環境団体の影響で、冬季大会を誘致する都市は減っている。そこに北京が手をあげてくれたのだから、IOCとしてうれしくてたまらない。そして東京大会で明らかになった、IOC委員の貴族主義や豪勢な接待など、おおよそ競技どころかスポーツそのものにも縁遠い費用も、日本は世論に遠慮して大分ケチったが、中国政府ならポンと出してくれる、てなところだろう。IOCの堕落極まれり、だ。
(21/12/27)

 東京オリンピックは成功だったか失敗だったか?その2、IOC、バッハ、NBC。
2、IOCとバッハら幹部にとって、今回の東京オリンピックは間違いなく大成功。うれしくてたまらない。フルスペックで出来たからNBCからの放映料は全額入る。幾ら赤字が出ても、それは日本国民と東京都民に押し付ける事に成功した。哀れなのは無観客になった東京都だが、ぼったくり男爵チームには無関係。日本政府と東京都が勝手に決めたことだ。
 一番ヤバかったのは6〜7月頃,日本の世論が大幅に中止・延期に傾いた頃。もしここで日本政府や東京都が世論に屈せればどうなったか分からない。この時何故か保守系言論人が揃ってオリンピック開催の援護射撃。いっぱいいますよ。例えば田崎史郎、高橋洋一、竹中平蔵、茂木健一郎、猪瀬直樹、豊田真由子等々、中にはホンコンというナニワの三流芸人もいる。
 彼らの特徴は揃って新自由経済主義者ということだ。新自由主義経済は短期利益の極大化を要求する。短期利益の蓄積が長期利益の永続化をもたらす、という信念である。これは軍事学的に言えば、旧ドイツ帝国陸軍を支配したシュリーフェンールーデンドルフ理論に酷似している。即ち戦術的勝利の継続が戦略的勝利をもたらす。このためドイツ帝国参謀本部は戦術研究に偏ってしまい戦略的思考を失って、結果として国家を滅ぼした。
 東京オリンピックはとりあえず最後までやり終え、日本は金メダルは目標の34個には届かなかったが過去最高、世界3位の地位をキープできたから短期的利益、戦術的勝利は達成できたと云える。しかし今後、オリンピック経費の精算とか、或いはスポーツ関連予算がこれまで通り確保できるか、更には国際的なオリンピック批判の高まりを考えれば、日本だけでなくIOCも長期的利益、戦略的勝利を逃した、或いは失うきっかけになった。
 NBCはどうか?NBCの最大の目玉は開会式のテレビ視聴率。これがどうもお粗末で視聴者数は1600万人と前回のリオ大会に比べ37%減。しかしNBCはSNSその他の視聴手段もあるからそれらを合わせると前回と変わらない、と言い張る。
 しかしそれらテレビ外媒体の広告収入が全部NBCに入るわけではない。飽くまでテレビ視聴率が問題なのである。NBCとテレビCM契約している企業にとっては大損だ。そこで始まったのがこれらスポンサー企業とNBCとの訴訟。当然だね。NBCが成功したかどうかの決着は、まだまだ先の話だ。
 この中で興味を引いたのが、トヨタが例の小山田ほかの差別前科を理由に、開会式CMを拒否し、それに追随する企業も出てきたこと。アメリカやEUなどの先進国では、消費者は差別に敏感である。差別を引きずったイベントのスポンサーになると不買運動の対象になりかねない。トヨタはその点を懸念したのだ。残念ながら日本の消費者や政府はまだまだ鈍感で、下手に不買運動をやると威力業務妨害で訴えられかねない。それでも一部のスポンサー企業の行動が、世の中を
変えるきっかけになったと云えよう。
(21/08/12)

 筆者は元々東京オリンピック批判派だったから、みずから進んでオリンピック番組をみたことはなかったが、それでも全く見なかったわけではない。先週金曜日だったと思うが、特に見るべき番組もなかったのでリモコンをいじっていると、突然飛び込んできたのが女子のスポーツクライミング。これが中々面白いので到頭みてしまった。
 壁自身がオーバーハングなので昔なら人工登攀のジャンルになるが、それをフリーでやるわけだから凄い。ホールドも簡単につかめるものじゃないし、滑りやすいからジッヘルが大変だ。プロのクライマーは指二本で全体重を支えなければならないと、何かの本で読んだことがあるが、当にその世界だ。しかしやっぱりオーストリア人は強い。
 今度のオリンピックでクライミングが正式種目になると聞いたとき、同じやるなら室内の人工壁じゃなく、例えば北岳バットレスに一本線を引いて、これを何分で登れるかを競った方が良いじゃないかと思ったが、このタイプのクライミングも競技としては成り立つようだ。仮に冬にクライミングをやるとするとどうなるか?やっぱり氷壁登りになるのか。
 なおそのついでに女子走り高跳びもみたが、外国選手の足の長さに驚いた。あんなの相手にすれば勝てるわけがない。また女子1500の田中希実の入賞はやっぱり関西人としてうれしいし、期待もしていたからグッド!
(21/08/11)

 東京オリンピックが終わり、ネット上ではそれぞれの人間が、それぞれの立場でいいたいことを言っています。オリンピック推進支持派は成功した、批判派は失敗だったとか言いたい放題。これからしばらくそれぞれの言い分を取り上げ、本当はどうなのかを考えてみたい。なお成功不成功はそれぞれの立場で評価基準が異なるので、客観的評価は出来ない。
、まず第一は、当たり前だが日本の総理大臣菅だ。東京オリンピックの理念とかキャッチコピーは最初は復興五輪だた。ところが菅政権になって、「コロナに打ち勝った証し」とか「安心・安全」とかコロナをターゲットにしたコピーが中心になった。
 「コロナに打ち勝つ」とはどういうことか?通常日本語では「打ち勝つ」とは相手を乾皮なきまでに打ちのめし、後を絶つということである。又オリンピックは国際イベントだから、打ち勝つのは日本だけでなく、世界中に及ばなくてはならない。
 ではコロナ感染状況はどうか?日本ではオリンピック開催前後から明らかに感染者が増えている。それも劇的なまでにだ。それはイギリス、フランス、アメリカでも同様である。まるっきり打ち勝てていない。
 もう一つ菅政権にとって、コロナに打ち勝った証拠と出来そうなのは内閣支持率である。オリンピックでメダルラッシュ。国民がうかれている間にワクチン接種を進め、支持率向上。これをバネに衆院解散総選挙、長期政権という狙い。国民世論の8割が中止・延期だったのに、何が何でも開催に突っ走らなければならなくなったのは、これが理由だ。しかしどうやらその思惑は外れそうだ。
 オリンピック明けの8日、朝日新聞世論調査では内閣支持率は遂に30%割れ。朝日の調査は元々政権に厳しく出るのでその点は割り引かないといけないが、他社調査もこれに引きずられるから油断出来ない。そして9日NNNー読売新聞調査では前回より10ポイント近く下がって35%という数字。読売は従来政権寄りで、高い支持率を出していたが、それでこれだから従来支持者からも見放されたというわけだ。
 その理由は明らかにコロナ対策の失敗。中でも休み明けに菅が突然言い出したコロナ対策方針変更が最大の失敗。おまけにオリンピック期間中、新規感染者は増加するのみ。
 メダルラッシュで支持率を上げ、これでコロナに打ち勝った証拠として総裁選に臨み、無投票再選を目論んでいたがここにきて急速に風が変わってきた。同じく日テレ報道では、望ましい次期自民党総裁として石破が突然浮上。つまり与党政府にとって、東京オリンピックでコロナに打ち勝つはずだったのに、事実はオリンピックはコロナに完敗したという結果だけが残った。(続く)
(21.08/10)

 札幌でのマラソンスタート時刻が1時間繰り上がってマタマタブーイングの嵐。この日この時刻に合わせて調整してきた選手にとって、1時間の時間変更は許しがたい、というわけだ。その気持ちも分かるが、筆者はスタートは6時にした方が良いと思っている。理由はこの暑さである。7時スタートだと、レース中盤で気温は30゜近くなってしまいレースが継続できなくなる恐れがある。問題はこの決定を1日前にしたことだ。3〜4日前なら選手も調整で来た。そしてそれは十分出来たと考えられる。
 ポイントは先週末の台風8号である。この台風は東北地方を横断して日本海に抜けた。この結果考えられるのは、東北北海道地方に太平洋上の暖かい湿った空気が吹きつけ、同地方は猛烈にな暑さに見舞われるだろう、ということだ。実際気象庁による先週末の週間予報でも、今週の札幌地方は30゜越えの猛烈な暑さを伝えている。
 こういう情報があるのだから、その時点で組織委員会はスタート繰り上げという判断をすべきだった。それを怠り直前になって決定するのだからお粗末としか言いようがない。組織委員会に気象が分かる人物がいないことが致命傷なのである。オリンピックに限らず大規模イベントでは、気象条件の変化が成否を大きく左右する。かつてはそれは、その地域のローカル条件である程度決っていた。また予測も経験と勘だけでも何とかなった。。
 しかし現在はそうではない。日本の気象変化を大きく左右するのは、太平洋の海水温の変化である。これが東アジアから中部太平洋までの広域な気象変化を支配する。これを理解しなければ長期的広域的な天候の変化を予測できない。
 しかし現代では気象衛星とスーパーコンピューターの発達によって、相当の確度で予測が可能になっている。別に特別なソフトやウエザーユースなどの気象会社を使わなくても、YAPHOO気象サイトやNHKの天気予報でも十分なのである。要はこのような巷の情報すら理解できる人材が組織委員会にいなかったということだ。これは今の政府コロナ対策でも、閣僚の中に感染症が理解できる人物がいないため混乱が生じていることと同根である。
(21/08/07)

 いよいよオリンピックも後半戦。今のところ日本は金メダル17個で中国、アメリカに次いで第三位に付けている。今後この位置をキープできるか、獲得メダル数が願望通りになるか、が日本の課題。一方後半戦では中国vsアメリカの戦いが熾烈さを増すでしょう。
 そして終盤から終了後に掛けて現れてくると考えられるのが、オリンピック成功/不成功論争。何をもって成功/不成功と云えるのか?これは結構当事者の立場によって異なる。一般に成功とは
1、予定通りの数値目標が達成できたか?・・・オリンピックでいえば獲得メダル数。他の営利事業なら思った通りの儲け。
2、事業が予定通りの期間内で終わり、その間目立った事故はなかったか?・・・最後まで地元政治家やヤクザを抑え込めるたかどうかも重要。
 と云うのが指標となる。しかしこれらは前例があり、マニュアルも確立されているケースである。又評価の基準となる数値目標も、事と次第によっては適当に変更されることが多いのであまり充てにはならない。
 しかし今回の東京オリンピックはかなり事情が異なる。菅は「挑戦することが政府の役割」と語った。「挑戦」とは過去に前例のないことを実現しようという行動である。これが成功したかどうかの判断基準は、上に挙げた2点以外にその後これを真似ようとする者が現れるかどうかである。
 まず第一にパンデミックという異常事態での開催。これの是非については国民世論を2分され、選手もそれに翻弄された。更にバブルや無観客開催という挑戦。選手が精神亭にも拘束され、モチベーションも上がらない。その結果が競技記録劣化。通常のオリンピックならオリンピック記録だけでなく世界記録更新も珍しくないが、今回は世界どころかオリンピック記録すら更新数が少ない。それどころか肝心のアメリカNBC視聴率も過去最低で、早くもスポンサーとNBCとの間で揉め事が始まっているらしい。開幕前は「なに始まってしまえばみんな忘れてしまうさ」と豪語したCEOも首になるだろう。
 それこそこんなオリンピック見たことない、だ。さて今後、菅の挑戦に続こうという人は現れるでしょうか?
(21/08/02)

 開幕以来、日本はメダルラッシュに沸いているが、実は競技そのものはマイナー競技が大部分。ある意味前座勝負の段階。来週以降陸上男子他のメジャー競技が行なわれる。
 一方で増え続けているのが新型コロナ感染者数。昨日で3000人近くに達し、来週は確実にこれを超えるだろう。6月時点での政府分科会試算ではオリンピック期間中には2000人、その後3000人と云う数字も現れてきた。予測値と云うものは、同じ予測方法でもデータが増えれば増えるほど最終値に近づくものである。
 このままでいけば、今週末には4000から5000人オーダーになるだろう。菅はオリンピック中止はないと強弁するが、感染者数が数1000人とか1万人に達すればどうなるか。日本にいる選手や関係者が慌てて帰国するかもしれないし、来日予定の選手が入国を拒否するかもしれない。
 特にアメリカ選手団或いは有力選手達はどう判断するだろうか?バイデンは日米同盟を重視するから、問題ないとコメントするだろう。しかしその時点での感染状況いかんではどうなるか分からない。日本の医療体制の状況によっては、立川や厚木などの在日米軍基地に密かに医療団を派遣するかもしれない。イギリスは南シナ海に展開する空母Qエリザベスを日本近海に回航するかもしれない。こんなオリンピックみたことも聞いたこともない。
(21/07/28)

 ネット上では賛否両論の東京オリンピック開会式。筆者は元々見ていないからコメントは避ける。色々意見はあるが、ポイントはテレビの視聴率。日本で今までネット上に上がっているのは関東地区のみで約54%。数字だけなら立派なものに見えるが64年に比べれば約10ポイント減。ネットでは前回に次ぐ高水準なんてコピーが出ているが、夏はたった2回しかやっていないのだから、何%だろうが前回に次ぐのは当たり前。
 ここで話題は天皇の開会宣言の途中まで、首相の菅と組織委員長の橋本が椅子に座ったままで、途中で慌てて立ち上がった椿事だ。通常誰でも主賓が何かスピーチするときはまず最初に起立し、主賓に促された段階で始めて着席するものである*。まして主賓が天皇ならなおさらだ。
 しかしかつて天皇の前で座ったママの人物がいた。それはアメリカ大統領ドナルドトランプである。19年5月、彼が国賓として来日した最後の日、天皇主催の晩餐会が開かれた。会の終わりに天皇が立って乾杯のグラスを挙げる。当然全員は起立する。ところが一人だけ座ったままぼーっとしていたのがいた。それがトランプである。隣席の皇后が何かささやくと慌ててたちあがったが、この様子はテレビ、ネットで拡散してしまう。開会式で菅がやったことはこれと同じ無様である。
 鳩山はこれを菅の天皇軽視意識の現れと断じるが、筆者はそれ以前の紳士の作法すら弁えていない現れと考える。筆者が卒業した、高校では就職コースは卒業前に宝塚ホテルでテーブルマナーの講習があった。菅やトランプは、マナーという点で、兵庫県の田舎高校以下のレベル。所詮段ボールバイト学生上がりの限界か?筆者が学生の頃は、例え左翼アカ大学でも、学生は紳士として扱われ、それなりのマナーは教育されてきたものだ。それが崩れたのが菅らの全共闘世代からである。
*この点について組織委員会は、「起立」のアナウンスが遅れたためだと言い訳するが、一国の総理たるものがその時の状況に応じてどうするかを、一々アナウンスを聞かなくてはならないようでは、総理の役割が果せるのか?幼稚園の運動会並みだ。
(21/07/27)

 今注目すべき台風が二つあります。一つは沖縄付近南シナ海にある台風6号。もう一つが小笠原東方にある台風8号。6号はこのまま北西に進めば中国本土河南省付近に達する。先週からの豪雨で大被害を受けた地域です。従って厳戒態勢に入らなければならないが、習近平は用事もないのにチベット訪問。台風対策は首相以下に任せ、もしミスがあればそれを口実に失脚を狙う腹か。
 台風8号も今のコースをたどれば、今月末には関東上陸だ。オリンピックどころではなくなるかもしれない。特にアウトドア競技やヨットなどの海上競技は中止か延期になるだろう。ドイツには台風はないが、今ドイツも豪雨被害が大変。のんびり東京でオリンピック見物などしやがって、とドイツでバッハバッシングが始まるかもしれない。
(21/07/25)

 本日2回目の接種完了。しかしカミサンは1回目が8月末。それはともかく昨日は東京オリンピック開幕式。これは最初からケチが付き続けて、どっちみち大したものは出来ないと思っていたから見るわけはない。おまけに聖火ランナーの最終版に登場してきたのが王、長嶋、松井の巨人トリオ。当に昭和の英雄にして生きた化石。
 21世紀になって選手も国民もみんな意識変わりしているのに、オリンピック組織委員会が相変わらずの”昭和”をぶら下げているというか、しがみついているアナクロを感じるのである。この期に及んで森喜朗を最高顧問に迎えようなんて発想は、まさにその通り。筆者のような年寄りでもついていけない。
 そもそも世界人類の融合、日本国民の融和をテーゼとしたはずの東京オリンピックにプロ野球という営利団体のロートルを用い、明らかに読売新聞の横やりにしか見えない演出を加えるのか?死にぞこないのナベツネの仕業だろう。阪神ファンならカチンと来るのは当たり前。王、長嶋なら江夏、田淵を加えるべきだ。それよりこのオリンピック開会式、何故こんなにケチが付いたのか?
 事の初めは菅政権になった昨年末に、開会式イヴェント責任者の野村萬斎を外し、電通から佐々木到と云う人物をはめ込んだ。これがこれまでやってきた演出家達を外し、仲間内で集めたのが小山田とか小林とかいう今回の問題児達。彼らの年齢は50才前後。所謂バブル世代である。
 そして彼らの一世代上、つまり彼らが社会に出た時の先輩上司は、全共闘からしらけ世代。この世代の特徴はその前の世代の価値観を否定し・・・要するに馬鹿にし・・・、自分達だけの世界を作る。仲間内の結束力は強く、逆に排他性も強い。一方力の強弱を読む能力にも優れ、強いものにあこがれる面もある。
 多分佐々木がプロデューサーに登用された時点では、何も計画はなかったのではないか?本人慌てて自分に都合のよい人間を集め、悪い人物を排除した。それがみんな裏目に出た。
 では何故佐々木が登用されたのか?電通人脈という点でアッキーの線を疑わざるを得ない。ひょっとしてあの女が「神のお告げ」なんて事を亭主に申し上げたところ、亭主も結構スピリチュアルなところがあるから、それに乗って子分の菅に伝えた。禿ネズミは神のご託宣には勝てないからその通りとなる。なんと東京オリンピック開催式は神のお告げで開催されたのだ。そういえば、古代ギリシアオリンピックも神様への捧げものだったから、大して変わらないといえばかわらない。
(21/07/24)

 本当に呪われたオリンピックだ。最後の最期になって・・・本当に最後になるか未だ分からないが・・・出てきたのが、開会式音楽作者小山田の古いイジメ問題。メデイアで大きく取り上げられたものだから、政府もほっておけず、組織委員会に丸投げ。
 では小山田が過去に犯したいじめとはどういうものか?相当ひどいらしいが、それがこれまでチェック出来なかったというのが問題だ。議員立候補者の身体検査と云えば、小泉内閣当時の内閣参与飯島勲が有名だが、内閣が委嘱する人物の身体検査は警察特に公安が担当し、取り仕切るのは内閣危機管理官とか内閣官房副長官。今回の小山田の件は当然副長官の杉田とか警察の責任だが、何をやっていたのか?小山田の過去などどうでも良いとたかをくくっていたのか、それとも全く気にもしていなかったのか?どっちにしても想像力不足は否めない。
 処で問題がここまで大きくなっても小山田をクビに出来ないのは何故か?という意見がネット上で飛び交っている。それは小山田を取り巻く人脈を理解しなくてはならない。小山田は音楽担当だがその上に総合プロデューサーと云うのがいる。それが都倉俊一と云う人物。
 この人間、古くは60年代後半にはグループサウンズという新分野を開発して大儲け、70年代にはピンクレデイーをプロモートして大儲け。彼がプロデュースした音楽はどれも無思想、ミーハー向け売れれば良いの商業主義。今の新自由主義やオリンピックの先取りのようだが、彼にとっては当時音楽界にあった、歌に意味を求めたがる芸術主義とか高踏主義に対するアンチテーゼでもあったのだろう。そして大事なことは、かれは死んだジャニーズ喜多川と並んで、れっきとした日本会議の主要メンバーであり、アベ晋三取り巻きの一人だということだ。開会式音楽プロデューサーであれば、その人選には総合プロデューサーである都倉の推薦があれば組織委員会が拒否出来るわけがない。それが小山田をクビに出来ない理由である。
 と思っていたら今朝いきなり小山田辞任のニュース。菅も落ちる支持率回復のため、尻に火が付いたのだろう。小山田や都倉を庇っている場合じゃない。
(21/07/20)

 今回の東京オリンピック開催に当たって、主にオリンピック反対もしくは批判派からの批判の中で、これも新型コロナ感染対策とも関連するが、多く寄せられた言葉に「根拠なき楽観」と云うのがある。この言葉は戸部良一他「失敗の本質」(中公新書)の中に出てくる。東京オリンピック問題に於ける「根拠なき楽観論」の典型は、自民党やオリンピック推進派に見られる「世間では色々言っているが、いざオリンピックが始まり、日本選手のメダルラッシュが続けば、みんなオリンピックモードになり、コロナは忘れてしまう。その勢いで解散総選挙」、というものである。
 このように行くかどうかは別として、むしろ楽観論はIOC始め欧米の方が強い。典型は今年五月頃のバッハやコーツの強気発言。最近では最大スポンサーのNBC CEOによる「一週間もすればみんな忘れてしまう」発言。更に先日来日したバッハの菅との会談で出た「我々は日本にはリスクをもたらさない」発言。我々とは行った誰のことか?選手・関係者全てのことを言って入るのか?それとも五輪貴族と云われるIOCファミリーだけを指すのか?
 このようにオリンピックに何らかの利権を有する連中は例外なく根拠なき楽観論を振りまくのである。それは大阪維新の橋下も例外ではない。バッハが来日して菅の会談後の記者会見で、ジャパニーズ ピープルと云うべきところを、チャイニーズ ピープルと云ってしまって、あわてて言い直した件を、大概のコメンテーターは悔日的とか批判的に論じていたが、橋下だけは「あれはちょっとした言い間違い」とやけに寛大。菅に恩を売って25年大阪万博支援を取り付けようという下心か。筆者はあれは、バッハ・・だけではなくヨーロッパ人・・・が未だに中国と日本の区別がついていない証拠と考える。
 そして楽観論の行く末はどうなるか?過去の歴史から見てもろくなことはない。実は楽観論は日本の専売特許ではない、むしろ欧米の方が遥かに多く、そして全て失敗している。最大の失敗例は11〜13世紀にかけて行なわれた十字軍である。最近ではアメリカブッシュ政権が始めたイラク/アフガン戦争。いずれもキリスト教理念を掲げれば、異教徒は全て従うという安易な思いによるもの。IOCやNBCの見込みも似たようなものだ。
(21/07/15)

 統合失調症患者の症状の一つに、およそ関係のない事柄を繋ぎ合わせ、一つのストーリーを作り上げる事があります。しかもそれをあたかも真実の様に真面目に語り、論理も一貫していることが特徴です。そして彼に客観的な事実で説明しようとしても無駄です。何故なら、彼の脳は自分で作ったフィクションで埋め尽くされているからです。
 某保守系オピニオン雑誌に語った東京オリンピックへの所見を毎日新聞が報道し、更にネットで拡散し炎上。今回の東京都議選結果にも影響した・・・無論自民党敗北へ・・・と云われる。
 ではどういうことを語ったかと云うと、簡単に言えば
1,オリンピックの意義は(日本)選手がメダルを取り、それを見て日本国民みんなが感動を共有し、国民が一丸となって国家のために邁進すること。
2、従ってオリンピックに反対する事は反日行為であり、反対運動は反日活動家によってリードされている。
 てなところだ。何となくトランプが絶叫する「陰謀論」にそっくりだ。1、などはまるっきりヒトラーのテーゼだ。
 誰でも分かるが東京オリンピック反対運動が活発化したのは、昨年の新型コロナ感染拡大以来。それまでは殆ど反対運動などなかった。ところがコロナ後で時局は逆転。21年5月頃の世論調査では、東京オリンピック反対(開催中止・延期)支持は8割超まで達した。それを煽ったのはむしろIOCのバッハやコーツらの無神経発言である。自分で自分の首を絞めているのである。
 現在ではオリンピック反対派は全国で60%弱位になっているが、これは半分諦めムードで仕方がないと思っているのが大多数。東京に限れば反対派はもっと多くなる。アベ晋三の論法では日本国民の6割近く、東京都ならもっと多くが反日派ということになる。そして彼らを操る闇の勢力がある、と云うのである。少なくとも本人はそう信じている節はある。闇の勢力とは何か?トランプやアメリカの陰謀論者によれば、それはデイープステートと呼ばれる謎の組織。アベやその周辺の認識はコミンテルンや北京になるらしい。
 オリンピック反対派が今や存在しないコミンテルンや、北京の中国共産党に操られていることは、現実にはあり得ない。つまり現実にあり得ないことを、如何にもありそうな風に繋げるのが陰謀論者の特徴である。またそのリーダーには、本気でそれを信じ込んでいるのも少なくない。その一人がアベ晋三なのである。
 2、に至っては、日本国民をまるっきり馬鹿にしている。世の中をみんな分かっているのは自分達だけで、国民は愚かだから、後からついてくるだけだ、と考えている。その典型が未曽有(ミゾウユウではありません)のアホの麻生太郎。たかが筑豊のヤクザまがいの炭坑屋の小倅の子孫がなにを言っておるのだ。これもまたヒトラーの思想。それどころか、ハイデガーや最近はやりのカール・シュミットなどの現代ドイツ哲学に特徴的に見られる減少である。
 ドイツの医師クレッチマーによれば、人の性格には(1)分裂気質、(2)てんかん気質、(3)粘着気質がある、という。
 この中で(1)分裂気質はリーダー型。気分転換が早く最も安定している。失敗してもあまり落ち込まない。一方、(2)てんかん気質は激高型。いわゆる切れやすいタイプである。いいところではイケイケドンドンだが、パワハラ、セクハラをやりやすい。(3)粘着気質はよく言えば沈思黙考型。行動は慎重だが、一方物事を悪い方へ悪い方へと考えてしまう傾向が多い。アベ晋三はどうかと云うと、筆者の見立てでは(2)てんかん気質に統合失調症部分が加わった性格の様に思える。
 (2)てんかん気質的な処は「一千万と云えど我行かん」的強引な政治手法。この結果が日米安保条約適用範囲の見直しとか其の他の法案見直し。東京オリンピック招致もこの一つだ。しかし統合失調症的支離滅裂が災いし、アベ内閣下でどんな法律ができたのかよく思い出せない。思い出せるのは森加計問題、さくら問題などのスキャンダルばかり。これなど人徳の現れだろう。
 とにかく感じられるのは、何かスイッチが入ると途端に激高し、とんでもない行動に出るパターンである。12年総選挙で大勝し、政権に返り咲くと、その年の年末いきなり一人で靖国神社に参拝。何かこみ上げるものがあり、いても経ってもいられなくなった、というのである。通常これはソレトニンが欠乏し、アドレナリン過多になった症状である。こういうパターンは躁鬱症患者しばしば見られる。森加計問題が国会で問題になった時の「・・・・疑惑があれば政治家も辞める」と云ったのは、一時的なアドレナリン過剰状態。これ持病の潰瘍性大腸炎治療薬に含まれる甲状腺ホルモンの副作用の可能性もある。
 このようにアベ晋三の発言には何の脈絡もなく、単にその時の状況に合わせて、適当にストーリーを繋ぎ合わせていると考えられる部分が多い。これが冒頭に上げた、統合失調症患者との共通点である。
(21/07/05)

 緊急事態宣言を解除したかと思ったら、たちまちリバウンド状況の東京。これは解除前から予測されていたようなもので、別に驚きはしない。問題はこれが各地に波及する可能性である。既にウイルスは感染力の強いデルタ型が主力になっているから、地方への拡散は否定できない。
 しかし菅はオリンピックを止めない。永田町のゴキブリ、菅応援団長の田崎史郎は、それでもオリンピック契約者は東京都なんだから政府に責任はない、と言い張るに違いない。しかし事ここに及んで、菅に責任はないなんて思う国民は誰もいない。
 今回の新型コロナ対策+東京オリンピック対応を、通常の批評家や政治家は、これまでは太平洋戦争に於ける日本軍「失敗の本質」の一例と捉えてきた。しかし現在の菅内閣のやり方は、もはやその域を超え、第二次大戦後半のドイツvsソ連の生存を懸けた思想戦、或いは太平洋戦争末期の本土決戦の様相になってきている。
 思想戦の最大の問題は、とことん最後まであらゆる犠牲を払って、決着を付けようとすることである。現在の中東におけるイスラエル/パレスチナ抗争や、アフガニスタンのタリバンvs反タリバンの戦いのようなものだ。こうなると指導者は誰のいうことも聞かなくなる。そして誰も何も云わなくなる。
 今の菅官邸はそうなってしまっているのではないか?日本で政治指導者がこういう状態になった時、これをなだめられるのは天皇しかいない。奇しくも本日宮内庁長官が「天皇がコロナ下でのオリンピック開催を危惧されている」意味の談話を発表した。果たして菅ーアベがこの線に乗れるか?明治維新の時の長州藩の態度を見ると、天皇の意思を無視して暴走を重ねる可能性の方が高いが。
(21/06/24)

 西村がオリンピック開催時点で感染拡大が生じた時無観客も考慮に入れると発言。これだけだと政府も少しは世論に妥協してきたかと思えるが、実態はとんでもない。感染拡大の基準を、新規感染者ではなく重症者数で数えるというのである。
 とんでもない誤魔化しである。常識では感染拡大は新規感染者数の推移で判断する。一方重症者数は新規感染者数より1〜2週間遅れて発生する。つまりオリンピック開催直後から新規感染者数が増加してもピークを迎えるのに1週間位は掛かる。更に重症者数が増えるのはそれから1週間程度は遅れる。その間にオリンピックは終わってしまって全て有耶無耶、という計算である。
 こんな見え透いた誰でも分かる・・・小学生レベルの・・・算数で世の中、誤魔化せると思っているのだから、今の政府の知能レベルが自ずから分かる。とにかくなんでも答えを出さず、有耶無耶で終わらせてしまう、と云うのが第二次アベ政権の得意技。一体誰に学んだのか?維新長州閥のボスは山縣有朋、その子分がニコポンの桂太郎。このあたりに起源がありそうだ。
 この期に及んで顕著なのは、オリンピック開催、運営に関する規制がなし崩しに曖昧なっていることだ。その第一が開会式入場者2万人問題。事務総長は1万人は管火薬ではないと説明。では誰かと云うとIOC関係者やメデイア関係者。いわばお客さんだ。お客さんは観客に含めないというのはいくら何でも説明力に欠ける。
 これ以外にスタジアム内酒類販売OKと云うのがあった。これに対し二階がクレーム、販売禁止にすべきだと。これに対し丸川は酒類販売にはステークホルダー・・・つまり利害関係者・・・がいるので無視出来ないと回答。ステークホルダーとは誰か?公式スポンサーになっている酒造メーカーだろう。例えばサントリーとかキリンか?*。彼らと政権との繋がりがあるのか。結構きな臭い話だ。
*アサヒだった。
(21/06/22)

 来日したウガンダ選手団9人の内1名に陽性反応。さてこれをどう見るか?ナニワのトランプこと橋下徹は、これこそ水際対策の成功例、広域PCR検査など必要ない、と嘯く。しかしこれこそ恐れていたことの始まりだ、と見る見方もある。
 ウガンダ選手団はたったの9人だ。アフリカは欧米やインド、南米特にブラジルに比べると感染率は低い。それでも一人出たことは11%の感染率となる。これを選手、メデイア、役員を含め7万とも8万人とも云われる五輪関係者にあてはめると、数千人規模の感染者の発生が予想される。問題はその時の医療体制なのである。果たして隔離施設は確保出来るか?
 又オリンピックは小学校の運動会ではないので、選手、関係者は自分の都合に合わせてバラバラにやってくる。特に眼玉になる男子陸上は大会後半に設定されている。もし前半で何処かにクラスターが発生したとき、有力選手や選手団は入国や競技を拒否するかもしれない。中には予定を切り上げてさっさと帰国するのも出てくるかもしれない。場合によっては競技そのものが成立しなくなるケースもある。
 これが予想される最悪のケースで、それが失敗したオリンピックと後世に名をとどめることになる。菅やアベは何が何でもそれだけは避けたいだろう。今頃官房副長官の杉田辺りをトップに、如何に誤魔化すかを算段しているはずだ。
(21/06/21)

 東京オリンピック有観客開催は戦後4番目の日本の敗戦=無条件降伏である。菅の強い意向で、オリンピックは有観客で実施される見込みが強い。一か月前までは聖子も無観客を否定していなかったが、ここにきて豹変。急速に有観客にシフトしだした。何故か?
 G7の前までは無観客も考慮の内にあった。ところがG7後菅はいきなり強気に出だし、有観客が話題に上りだした。それでも当初は”最大5000人又は50%の少なる方”だった。そしてコーツが来日した。コーツと政府の間(組織委員会はそっちのけ)で何が話し合われたのか?
 その後出てきたのが、”10000人又は50%の大なる方”だった。処がいくら何でもこれはあんまりだ、ということで”少なる方”に変わった。この背景にコーツとの話し合いがあったことは間違いない。つまり菅はコーツの脅迫に屈したのである。これが筆者が東京オリンピックが”戦後4番目の日本の敗戦=無条件降伏”という所以である。
 その前にG7で各国首脳が、外交辞令としてオリンピック開催支持を表明した。菅はこれを国際公約と勘違いした。各国首脳が支持するのだから何が何でもならねばならぬ、というわけだ。只の外交辞令と本音との区別が出来ない、これが菅が”秋田の禿ネズミ”たる所以であり、外交オンチの証拠でもある。
 筆者もサラリーマン時代こういうのに出会って往生したことが何度もある。つまり発注担当者の何気ない一言を金科玉条というか、絶対命令の様に受け取って、社内で大騒ぎする輩である。菅はサラリーマンとなっても、こんな風に振る舞って社内に迷惑を掛けるだろう。無能の極みである。
 さて菅はG7の何気ない世間話を盾に取って、オリンピック開催に突撃しようとしてる。もし感染が再拡大したとき、どうするのか?G7に責任を持っていく積もりではあるまいか?彼のこれまで・・・官房長官時代・・やり方を見ると、そう思えるのである。なにかをやる時、責任をどうやってとるかと云うより、先に責任をだれに押し付けるかを考える。無論、最終責任引き受け手は国民である。
(21/06/19)

 皆さん未だよく分かっていないのが今のオリンピックの意義、つまりオリンピックは何のため、誰のためということ。これに対しては、菅やオリンピック招致派は「世界平和のため」だとか「世界人類共通の価値観のため」とか、幼稚園のお手本に書いてあるようなことしか言わないが、普通の人間は既に疑問を感じている。
 結論を言うと今のオリンピックは、IOC委員とそのファミリーの見栄と権力欲を満足させるために行なわれるのです。つまりIOCファミリーを古代ローマの貴族に例えると、選手は闘技場で戦う剣闘士奴隷のようなものだ。昨日BS-TBS某報道番組で、オリンピック開催時に於ける、IOCファミリー・・・委員とその家族、親戚、知り合いで限界は分からない・・・処遇に関する開催都市とIOCとの契約内容の一部が公開されました。やれ元首・・・日本でいえば天皇・・・に合わせろとか、ホテルは四つ星、五つ星級で内奏は五輪仕様にせよとか、期間中は専用の送迎者と運転手を提供せよとか、ワインはこうせよとか、数え上げれば切りがない。これは19世紀ヨーロッパ貴族の祝宴の再現そのものである。
 ではその五輪貴族が本当の貴族かと云うととんでもない。もとをただせばアフリカの黒人部族王とか、中東の石油王とか、ニューヨークのハゲタカだったりするのである。バッハにしても産まれは貴族でも何でもない庶民。要するに成金が貴族の真似をしているだけだ。日本で云うと、只のキャバレーのホステスに過ぎなかった国際売春婦根本某が、戦後賠償に絡んでインドネシア大統領の第四夫人になった為に、テレビでは貴婦人面しているのと同じである。
 おそらく本当を言えばろくでもない連中が、あれも欲しい、これもやれと云って出来たのがIOC契約書。まるっきりチンピラヤクザのたかりだ。それをこれまでほったらかしにしてきたのがここに祟ってきたのである。
 さてここにきて大阪維新の松井がいきなりオリンピック開催論をぶち上げだした。東京オリンピックは東京都のイベント。大阪市が口出しすべき問題ではない。ひとつはこれまでのアベー菅ー大阪維新路線での援護射撃とも云えるが、大阪市民には無関係。
 最近、表に出だしたのが、先に上げたIOC委員接待を始めとするIOCスキャンダル。東京でもJOC会長だった竹田恒和と電通、シンガポールの怪しい会社、国際陸連との表に出ない関係が噂されている。其の他サッカーFIFAでもそうだが、巨大国際イベントには常に利権の噂が絶えない。
 今大阪が抱えているのが25年大阪万博。これの招致でも裏でどれだけの金が動いたか分からない。万博招致が決った時の松井の「やったー」というにたり顔には、そういう気配が伺える。高浜のエムさんだけじゃなく、パリにもナントカさんがいたのではあるまいか。もし5年後まで今のコロナが収束していなかったり、新たな感染症が派生すれば万博どころではない。それが怖いのだろう。
(21/06/11)

 例の竹中平蔵が「スペイン風邪の中でもオリンピックは開かれた・・・」と発言。だからコロナ下でも東京オリンピックはやるべきだ、と云いたいのだろう。野郎、相当金に困っているのではないか?オリンピック中止となれば破産だ!多分村上や堀江も同じ気持ちだろう。
 確かにスペイン風邪の中でもオリンピックは開かれた。それは1920年ベルギーアントワープ大会である。この大会はベルギーの戦後復興に大きく寄与した、などという記事もあるが、それは嘘である。ベルギーの戦後復興を支えたのは、戦後のドイツによる莫大な戦時賠償。
 アントワープ大会の参加者はたったの2607人。他に人が動いてもせいぜい1万人。これでは戦後復興には寄与出来ない。竹中はアントワープ大会は「きっちりと出来た。だから東京も」というが、たった2600人の大会など、今どきちょっとした学校の運動会並みのスケールだ。こんなのをきっちりできない国があればお目にかかりたい。
 同じようなことはIOCのバッハやコーツにもみられる。彼らはテニスやマラソン他の幾つかのテストゲームの結果から、本番でも問題はないと言い切る。本当にそうか?彼らの言っていることは、にわか作りの丸木橋を羊が通れたから象も渡れる、と云っているようなものだ。アントワープ大会など、今度の東京大会が象の大会とすれば、蟻の大会。前回の東京大会でも羊の大会に過ぎない。
 このようにおよそ関係のない事柄を、僅かな共通点・・・例えば似たような言葉、似たような数字・・・を見つけて、強引に関連付けようとするのを詭弁という。竹中平蔵こそ、昭和が産んだ希代の詭弁師なのである。
(21/06/10)

 東京オリンピックの開催是非は、今は新型コロナ肺炎だけで議論されているが、もう一つ忘れてはならないのが「夏の暑さ」である。今年の夏の暑さがどの程度のものか予断は許さない。昨年はエルニーニョで夏は比較的マシだった。だから太平洋の気温はあまり上がらず、冬の降雪量も少なかった。その結果台風の発生は少ない・・・6月に入って未だ3号だ。こういう年の台風は数は少ないが大勢力になることが多い。特に秋にそうなるが最近は夏でも巨大化することがある。
 今年がエルニーニョなのかラニーニャなのか、未だ分からない。ラニーニャなら猛暑になる。エルニーニョでも、全体としての猛暑日は少なくても、一時的に気温が急上昇することがある。そういうことを考えると東京オリンピック7月開催は、コロナだけでなく気象情報にも注意しなければならない。特に重要なことは、従来夏の気象は中部太平洋だけ見ておればよかったが、今や中国大陸南部から南シナ海を含めた広域的な視野が必要だということだ。三峡ダムの水位が東京の降水量を左右するかもしれないのである。
(21/06/09)

 竹中平蔵がYTVという関西ローカルテレビ局の某低俗愚劣番組で、東京オリンピック強硬開催論を延べ、これに反対する奴はアホだとののしったものだから、世間からモーレツブーイング。彼の言うオリンピック開催論も、意味・意義はとばして国が・・・東京ではない・・約束したからだ、という観念論・精神論だけ。
 何故平蔵が今になってこんな強硬論をぶつかと云うと、彼が会長を務めるパソナが電通と並んで、東京オリンピック人材派遣を取り仕切っているからである。東京オリンピック中止・延期はパソナの営業計画に大きく影響する。おそらくオリンピックを当て込んでの借入金も相当になるだろう。もし東京オリンピックが中止または延期になれば、それに伴う損失は計り知れない。ここは何が何でもオリンピックに突撃しなければならないわけだ。電通、パソナ、大成建設は人も知るアベ系会社。このうち大成はオリンピック利権はとっくに回収している。電通もそこそこだ。これからと云うのがパソナ。平蔵としては居ても立っても居られないのだろう。「少才は大愚に及ばず」の典型だ。
(21/06/07)

 東京オリンピック参加選手に対するIOCの契約書が明らかになった。その中に、コロナに対する安全性はIOCは保証しない。感染してもそれによって死亡しても、それは選手の自己責任だ、という部分があることが明らかになった。しかし今のところ、これに対し選手側から明確な反応は現れていない。
 古代ローマでは奴隷の管理、教育は年長の奴隷に任されていた。ナチの強制収容所でユダヤ人を管理するのは、それ以前に捕らえられていたユダヤ人だったのと同じである。奴隷に鞭を打つ時、一番効果的な部分を知ってたのは古い奴隷だ。橋本聖子や山下泰祐はさしずめ奴隷上がりの奴隷使いと云ったところだろう。
 このIOC契約書、当にアングロサクソンそのものだ。19世紀、アングロサクソンは此の種の一方的契約に基づいて、強大な軍事力を背景にアメリカ先住民から土地を奪いアジア、アフリカ諸国を植民地化した。日本もペリーによって飲まされた不平等条約を改正するのにおおよそ半世紀懸かっている。この点から見ても、今のIOCが選手や開催都市その国民を、どう見ているかがよく分かる。時々メデイアによく登場するオリンピック開催支持派のタレントや評論家は、自分のアイデンテイテイーをよく考えた方が良い。
(21/06/01)

 オリンピックによるコロナウイルス感染拡大懸念に対する政府、JOCの回答がバブル方式。バブル方式とは何ぞやと、某テレビ番組で聞いてみたが、選手や関係者は特定施設に閉じ込めるとか、外出者には監視員を付けるとか、これではオリンピックではなく、まるっきり刑務所の運動会だ。選手は刑務所に入りたい分けはないので、楽しくもなんともないだろう。この原因はIOC始め関係者がオリンピックの本質を忘れ、只形式的に開催すればよい、という官僚主義に奔っていることである。
 2021東京オリンピックには中止・延期という反対派が世論の7、8割を占め圧倒的多数だが、対する開催派にも完全開催派から無観客開催派まで色々ある。こういう場合原点に帰って考える、と云うのが問題解決の常道である。
 オリンピックには古代オリンピックと近代オリンピックがある。似ているが異なる点も多い。古代オリンピックは神にささげる祝祭であり神事だった。競技場は女性を排除し、競技は男性のみが全裸で行なった。多分観客は限られた階層の男性のみで、入場料を取っていたかどうかは分からない。キリスト教の時代になるとこれは異端と見なされ、4世紀テオドシウス帝がキリスト教をローマの国教とするに及んで廃止された。
 これに対しローマの剣闘士競技は完全にエンタメである。無論チケットは販売され、ダフ屋も出た。ローマ世界でキリスト教が力を持ち出すと次第に力を失い、更に国教となると、惨酷だという理由で廃止された。
 では現代オリンピックとは如何なるものか?これは19世紀末期、フランスのクーベルタン他のスポーツ貴族の集まりから始まったものだが、その性格を見ると、大きくつぎの3ステージに分かれる。
1、第1ステージ  クーベルタンモデル(1896〜1936);ヨーロッパの古き良き時代のモデルで、帝国主義に基づく貴族趣味の時代。人種差別や階層差別は当たり前。
2、第2ステージ ブランデージモデル(1948〜1980);第二次大戦後の自由主義に基づくブルジョワ民主主義の時代。アマチュアリズムが絶対で、国家や企業の干渉を排除した。しかしこれは建前で、後半・・・特に64年東京オリンピック以降・・・は次第に国家・企業の支援がなくてはやっていけなくなった。
3、第3ステージ サマランチモデル(1984〜現在);新自由主義経済に基づく商業主義の時代。プロ、アマの区別はなくなり、テレビ視聴率を上げるためなら何でもあり。特にスポンサーシップの力が強くなり、IOCと云えどもこれには逆らえなくなった。但し事業の巨大化が進み、00年代以降では一都市では開催が困難又は不可能となった。このため国家への依存度が高くなり、オリンピック運動へのナショナリズムや政治プロパガンダが入り込むようになった。
 オリンピッがを最初に政治的プロパガンダに利用されたのは1936年ベルリンオリンピックである。利用したのはヒトラーとナチだが、これを許容したのも当時のIOC(=ヨーロッパ白人のスポーツ貴族)である。80年モスクワオリンピックでは前年のソ連によるアフガン侵攻を理由に英米他日本も含め西側諸国が一斉に参加を拒否した。これも一種の政治的プロパガンダである。
 それぞれの継続期間を見ると、第1ステージは40年、第2ステージは32年。そして、いずれも第二次大戦とか、第二次オイルショックと云った世界情勢の不安定期に重なる。つまりオリンピックモデルは30〜40年でモデルチェンジの時期を迎えると云えそうだ。第3ステージは既に40年に達している。もうそろそろモデルがくたびれてきて、パラダイム転換を図る時期に来ている。そのきっかけが新型コロナかもしれない。他にも規模の巨大化、地球環境変化、更にはIOCスキャンダルなど、今のオリンピックモデルを脅かす要素は一杯ある。
 現在のIOCは二本のニンジンを馬の前にぶら下げてその権威と地位と利権を維持しているように見える。
1、一本目のニンジンとは経済効果である。これを世界各国経済界や政治家の前にぶら下げ、オリンピックをやれば経済も発展し、政府の支持率も上がると持ち掛ける。無論、メデイア特にテレビメデイアは、短期間にスポンサー料が入るから反対できるわけがない。
2、二本目のニンジンは選手に対してである。オリンピック選手となれば選手としてもステータスも上がり、何よりもブランド力が上がるから、CMやらな何やらのオファーに困らない。上手くいけば国会議員だ。
 しかし一本目のニンジンは今や腐りかけており、むしろ各都市から敬遠されている状態だ。公募による都市開催は21年東京が最後。次のパリやブリスベーンはIOC委員のコネで開催に同意したと云われる。そうなるとIIOCと開催都市との力関係は逆転する。都市側がIOCに対し注文を付けることができる様になる。例えば競技数を元減らせとか、IOC委員の特典待遇は認められないと云った風にだ。
 そうなると相対的オリンピックのステータスも手化するから、二本目のニンジンの価値も低下する。こうなって始めてみんなオリンピックの意義を問い直すことになるだろう。
(21/05/30)

 昨日BS−TBS某報道番組。ゲストコメンテーターのスポーツ評論家が、7月に来日予定のIOCバッハが天皇への会見を要求したと暴露。そして本日朝刊を見ると、週刊文春広告に同じ内容が載っている。ただでさえ、日本人のIOCへの風当たりは強い。それはとりわけバッハへだ。それが天皇への会見を要求するなど何事だ!と、従来菅やアベの顔色を窺ってオリンピック開催容認だった自民党保守派にも、アンチ五輪の火をつけかねない。最もヤバいのは右翼によるバッハへのテロである。警察特に公安は右翼テロ防止シフトに入っているだろう。
 IOCの東京オリンピックへの日本人の感情、世論に対する鈍感さは、会長のバッハだけでなく、副会長のコーツや最ベテランのパウンドまで共通している。白人は一般に世の中の変化に対し鈍感である。そしてこの三人はいずれも白人でプロテスタント、コーツ(オーストラリア)とパウンド(カナダ)はアングロサクソンだが植民地の出身。意識の中に人種差別が入っていても・・・筆者はバッハは元々ナチではないかと疑っている・・・不思議ではない。特にパウンドの、五輪反対論は政治的思惑に過ぎない、と云った発言は問題だ。日本の官邸かJOCの誰かが、パウンドに「あんなことを言うのはみんな左翼だ」と吹き込んだ可能性もある。これこそ政治的思惑そのもの。
(21/05/27)

 昔、オーストリアやドイツの貴族階層には決闘クラブと云うものがあった。このメンバーは互いに剣で決闘し、強弱や己が主張の妥当性を競い合った。これが洗練されたものがフェンシングで、クラブメンバーの多くがナチに流れた。
 さて色々物議を呼ぶのが過日リモートで行なわれた、東京オリンピック事前協議。この後のリモート記者会見で、IOC調整委員長のコーツが、緊急事態宣言下でもオリンピックは開催すると明言。更に会長のバッハも同様の発言。おまけに「オリンピックのためには少々の犠牲は必要だ」とか「日本人の忍耐力と精神力で困難は克服できる」と余計な発言。本人としては日本人を持ち上げたつもりなのだろうが逆効果。
 バッハは元フェンシング選手だから、日本の剣豪小説を読み過ぎて、戦国時代の剣豪と現代日本人をゴッチャにして勘違いしているようだ。バッハ本人はともかく、その父か祖父がナチに関係していた可能性は考えられる。何故なら近代オリンピックを最も効果的に利用したのがヒトラーだからだ。
 それはそうとワクチン接種が始まったにもかかわらず、オリンピック反対論は根強く、今なお80%位が批判・否定派。賛成論者など2〜3%程度だろう。テレビの報道番組などで、オリンピック反対派の意見が強くなると、これに反発するのが推進派。そしてこの推進派は、ほぼ例外なく新自由主義経済派。世論調査や専門家の意見などで反対論が出てきて不利になると、持ち出すのが経済効果と契約論。
 経済効果は今や全く意味を持たない。経済効果にはオリンピックのための施設建設等のインフラ整備効果と、観客移動に伴う消費効果がある。前者は既に終わっており、今後オリンピックが開催されようがどうだろうが関係はない。消費効果はとにかく国内外からの人の流れが前提である。これまでの政府や組織委員会の説明では、無観客もしくは海外観客のシャットアウト。これでは少なくとも海外客の消費効果は期待できない。又国内OKでも緊急事態宣言下ではやっぱり人流は抑えられるので、これも経済効果は限定的。つまり経済効果など最早殆ど期待できない。
 その次が契約論。これの代表が例の高橋洋一という目くそ学者。オリンピックを返上すると最大5000億円の損害賠償を請求されると推進派は主張する。それに反論する向きもあり、IOCは損害保険に入っているから実害はないと主張する。これは複雑な契約があるので、交渉だけでは中々容易には解決しない。
 しかし最後の一手がある。仮にIOCから賠償を請求されても払わなければよい。当然IOCは国際法廷に持ちこむだろうが、IOCの言い分をそのまま受け入れるかどうか分からない。仮にIOCの言い分が認められて賠償責任が生じたとしても、払わなければ良い。その場合どうなるのか。IOCは東京都資産を差し押さえなければならない。こんなこと出来るでしょうか?それどころかもしIOCが国際法廷に持ち出せば、それこそこれまでの五輪スキャンダルが白日の下にさらされる恐れがある。バッハやコーツ、日本では前IOC委員の竹田も例外ではない。つまり現実には不可能なのだ。
 ヨーロッパでは中世以来数えきれない位の条約や契約が結ばれている。その内10年以上続いた条約など、数えるぐらいしかない。当にヒトラーが云った「条約とは破られるために存在する」だ。
 問題はその時の国際世論の行方である。五輪返上問題が国際司法の場に上げられたとして、判決が出るのに少なくとも10年は懸かる。その間に果たしてIOCが組織を維持できているかどうか、甚だ疑問である。それどころか地球温暖化でオリンピック自身開催できるかどうか分からないのだ。
 今回の問題で国際世論は急速にIOC批判に流れている。これを利用すればIOCなど、それこそ”屁”のようなものだ。筆者が不思議なのは、何故推進論者は違約金を払いたがるのか?彼らは本当に日本人か?それともIOC ・・・国際ユダヤ組織かフリーメーソン・・・の回し者ではないか。
(21./05/24)

 高橋洋一に続いて東京オリンピックに関する妄言その2.。某テレビ番組で例の”あのハゲー”議員である豊田真由子が、「オリンピックを返上したら未来永劫、オリンピックが来ない」と発言したらしい。この議員、よっぽどオリンピックが好きというか、尊くて仕方がないらしい。国連とIOCを勘違いしているのだろう。
 豊田発言の前提にはオリンピックは”未来永劫続く”という信仰がある。殆どオリンピックカルトである。このカルトにはアベや菅、橋本聖子始め五輪族議員、高橋洋一やホンコンなどの吉本芸人も含まれる。しかし今のオリンピックは未来永劫か?
 現在のオリンピックモデルが出来たのは1984年ロサンゼルスオリンピック。たったの37年だ。20世紀始めに出来た、欧州貴族主義クーベルタン、戦後の民主主義に基づくブランデージによるアマチュアオリンピックモデルは70年代後半には破綻した。世間のスポーツ界はプロ化に走り出していた。
 これを踏まえてオリンピックの民営、商業化、ビジネス化を進めたのがサマランチで、その最初が84年ロサンゼルス大会である。以後、全てのオリンピックはこれをモデルにしている。この結果が現在のオリンピック問題で、それは際限のない規模とコストの肥大化、オリンピックの政治利用化、オリンピック利権の拡大である。こういうことを考えると、国際オリンピックの将来は明るいものではない。
 今国際オリンピックが抱えている大きな問題には次の三つがある。
    1、開催希望都市の減少
    2、気候変動の影響
    3、Iオリンピックスキャンダル
1、について;これは言うまでもない。東京にしても実際はリオ以後の開催都市立候補は無かったのだ。それをアホの石原慎太郎、猪瀬、アベ晋三の三馬鹿が名乗り出て獲得しただけ。東京の次は一応パリになっているが、これも本心かどうか分からに。いざとなるとフランスでオリンピック返上運動が始まるかもしれない。フランス人は自分の権利主張に対し、日本人ほど大人しくはない。
 さて、こういう状況を最も巧みに利用するのが中国である。例えばある中小国家が立候補したとして、その背後に中国がいて、インフラ全てを中国が援助するとしたら、皆さんどう思うでしょうか?
2、について;云うまでもなく温暖化の影響である。ドバイのマラソン問題だけでなく、今後アウトドア種目の開催は困難になるだろう。これが一番深刻なのが冬季オリンピックである。22年冬季は中国北京で決っているが、その後はさっぱりだ。北欧やカナダ、ヨーロッパアルプス地方は環境保護主義者が強いからまずダメ。中欧のトランスアルプス地方は気候的にはナントカなるが、金が足りない。そこで又中国頼みだ。
 つまり、どう考えても今後のオリンピックは中国頼みでなければやっていけないということだ。
3、について;過日アメリカ「ワシントンポスト」が東京オリンピック反対論をぶち上げ、その挙句IOCのバッハを「ぼったくり男爵」と皮肉った。これはグリム童話に出てくる”ほら男爵”のパロデイである。要するにIOCは開催都市(国)に対し一方的に義務を押し付けるが、責任は採らない。その結果、これまで開催都市はその後の赤字に苦しんでいる。ブラジルなど政権交代まで起こり犯罪が急増した。
 それはさておき今回の東京オリンピックでも、招致に絡んで様々な疑惑が囁かれている。招致活動を実行したのは電通というアベ印の広告会社。これとIOCに影響力を持つ国際陸連会長親子との間に、シンガポールの幽霊会社があって、それを仲介に金品が動いたという疑惑がある。又国立競技場始め主なオリンピック施設建設は、これもアベ印の大成建設が独り占め。
 一昨年この件かどうか知らないが、IOC委員でJOC会長の竹田が突然辞任。その前後に任意でパリ地検に事情聴取されたと云われる。最近その息子の竹田恒俊と云うのがオリンピック反対論に対する反対論をネットにあげているが、これはオヤジが起訴されるの防ぐ予防線だろう。他にも25年大阪万博誘致にも怪しい影がちらつくが、未だ明らかになっていない。
 このように国際ビッグイベントについては常にこのような噂が流れる。当たり前だが、このような事業では眼に見えないダークマネーが動くのは当たり前である。そして人々はようやくそれに気づきだした。その動きは未だ・・・高橋流に云えば・・・さざ波だが、筆者流では突然大きなうねりになりかねない。凡人はそれに気が付かないか、気が付いても黙っているだけである。
 以上のように今の国際オリンピック事業は三重苦に苦しんでいる。このままほおっておいてもいずれオリンピックは破綻する。早ければ東京・北京の後の24年だ。少なくとも後10年は持たない。絶体絶命のピンチに追い込まれているのは、日本ではなくIOCである。この状態を利用すれば、これまでのオリンピック不平等条約を打破できる。
 ところが冒頭に上げた豊田真由子とか高橋洋一とかクズのような買弁が、日本の自律性を否定し、一部の欧米資本家に国を売ろうとしているのである。日本がオリンピックを返上すれば、その時点でIOCは崩壊する。つまり未来永劫オリンピックは来ないという迷信も消えてなくなる。日本はOCと心中する必要はない。
(21/05/15)

 いよいよ迫る東京オリンピック開催の決定。今の世論調査では70%が開催の延期又は中止派。開催派は20%程度に過ぎない。更に最近目立つのがアメリカメデイアによるオリンピック反対論。4月菅訪米でバイデンが色よい返事をしなかったことの反映か。
 それはともかく、東京オリンピック開催に於ける問題は
1、杜撰な計画とそれを補う精神主義
2、根拠のない単純数量神話
3、責任をとりたくない故の神(外圧)頼み
 これらはかつての太平洋戦争中、特に陸軍官僚軍人に見られた特徴である。
1、について;オリンピック期間中の海外選手、メデイア、IOC関係者、スポンサー枠党の扱いについて、はオリンピック組織委員会はバブル方式として、彼らをを全てオリンピック期間中一定範囲に隔離し検査を行なう方式を発表した。ところがこれは穴だらけで、その気になれば選手も大会関係者も、検査をすり抜けて自由に出入り出来が可能で、それを防ぐのはそれぞれの善意とかアウンの呼吸とかの精神主義に期待するというザル計画。
 これに最も似ているのが太平洋戦争中昭和19年のインパール作戦。補給計画も何もなく、ろくな装備も持たずただひたすらにインパールを目指せという無茶苦茶な作戦。まともな参謀が計画の不備を指摘すると、軍司令官の牟田口は烈火の様に怒り、装備・計画の不足は兵士の敢闘精神と皇軍不敗の伝統で補え、という無茶な精神論を振りかざす。その結果、作戦開始早々の渡河作戦で装備の大半を失い、三人の師団長の内一人は無断撤退、二人は解任、3ヶ月で作戦中止と云う体たらく。今の日本政府やオリンピック組織委員会によく似ている。
2、について;新型コロナ発生以来、よくテレビなどで出てきた俗論に「日本の病院数は世界一で、空きベッドも多いのに、何故医療崩壊が起きるのか」と云うのがあった。これなど数量さえ基準を満足しておれば全てOKという典型単純数量神話。普通の病院では一病室当たり5〜6人入れて経営的にパスする。しかし新型コロナ患者は当初は一人で一室、最近はセパレーションをすれば二人でも可になっているが、通常の状態に比べ収容人数は1/3〜1/4になる。つまりベッド数が余っていると云っても病室に換算すると実質はその1/3〜1/4にすぎないのである、
 又組織委員会の武藤事務局長が突然オリンピック期間中500人の伊師看護師の派遣を無償でお願いしたいと言い出し、菅がそれを是認する発言をしたので各界から猛反発。これに対し先日TBS-BS某番組で田崎史郎が、全国で医師免許をもっている医者は30万人、内開業医が10万人、この中で既に退職している人がかなりいるので、それを集めればこれぐらいの数は補えると説明。田崎の言い分だから・・・彼は何も自分の意見はもっていいない、ただ事実を伝えるのみと本人も云っている・・・それは菅官邸の本音だろう。
 問題は武藤発言に対し、何故世間・・・特に医師会・・・から反発があったのか、を五輪組織員会も政府も考えていないということだ。コロナ騒ぎが発生してから、各地の病院で医師・看護師の集団退職が発生している。典型は大阪の十三市民病院で、これは対コロナ対策病院に指定された病院だが、昨年秋に医師・看護師の集団退職が発生した。理由はあまりの待遇の悪さである。例えば残業手当が支給されないとか、ボーナスが出ないとかである。これに対し西村は病院への補助金を上げるなどと姑息なことをいうが、本質はそんな銭金の問題ではない。仕事をしていても人間扱いされないことへの反発なのだ。これは医師・看護師の国家への不信を増加させる。
 更に極めつけは東京都1万人接種に対し、河野太郎は自衛隊1000人を動員すれば何とかなるという不用意発言。これに防衛省・自衛隊は大混乱らしいが、ここにも今の政府・官邸の現場を見る姿勢が伺える。官邸・厚労省・オリンピック組織委員会や河野太郎の発言は当事者の了解もなく、医師・看護師・自衛隊員など末端のヘータイ扱い、上から目線の一方的なもの。まるっきりかつての軍部の様に、医師・看護師・自衛隊員は赤紙一枚でどうにでもなると思っているようだ。
 単に数字が揃っているからといて、それで全て解決と考える愚かさは太平洋戦争開戦時にも見られる。この時内閣直属の資源調査会は東南アジアの燃料・鉱物資源量を算出し、これを確保出来れば10年の戦争継続は可能と云う報告書をだした。これによって軍や政府内にあった慎重論は吹き飛び一気に開戦モードに突入した。戦後この数字に捏造があったことが分かったが、それ以前に資源と云うものへの認識の浅さが問題なのである。
 資源調査会が出した数字は鉄とかニッケルのような一次資源である。一方戦争に使う兵器はこれを加工した高度な三次製品である。そのためには精練と云う二次過程が必要である。例えば鉄は鉄鉱石だけでは何にもならない。これを製鉄所に運び、粗鋼・鋼鉄に加工する必要がある。
 ところが当時東南アジアには製鉄所はない。一旦日本に輸送し無ければならない。ところが日本の精練能力は、全国の高炉全部を集めてもアメリカピッツバーグの製鉄所一つに及ばないお粗末なもの。
 もっと酷いのが輸送計画。資源輸送だけでなく軍事輸送も民間船を徴用したのでたちまち船舶が不足する。ただでさえ足らない輸送船を米軍の潜水艦に狙い撃ちされるから益々足りなくなる。その結果10年は使えるはずの海外資源がたったの2年ぐらいで手に入らなくなった。幾ら資源が数量を満足しても、それを活かす手順・装置・・・後方支援・・・が伴わなければ何にもならない。かつての日本軍部は、この後方支援に対する理解・想像力が欠如していた。それが惨めな敗戦に繋がったのである。
3、について;論理的に物事を考えることが苦手な人種は、決断に当たって他からの声に期待することが多い。この声を外圧と云い、それが降ってくるのを願うことを神頼みという。これは究極の責任転嫁である。
 太平洋戦争開戦決定の御前会議、戦争は上手くいくかという天皇の御下問に、山本連合艦隊司令長官は「1年位になら十分に暴れて見せます。しかしその後については分からない」となんとも中途半端な回答。これを陸軍は開戦可と判断し、対英米戦突入に舵を切った。といわれるが、本心はどうか分からない。
 戦後の証言では、陸軍は「あの時戦争不可と云ってくれれば良かったのに」と泣き言を言っている。これこそ典型的神頼み責任転嫁思想。本当にやりたくなければ、海軍に言わせずに自分で云えば良かったのだ。一方で海軍側も1年と期限を切っているから最後まで責任を負うつもりはない。一番哀れなのは昭和天皇である。天皇も戦争などしたくはない。しかし立憲主義者だから、憲法の定めるところによって、政府の決定には従わなくてはならない。つまり天皇ー陸軍ー海軍という責任の三すくみ状態が発生した。何故こんなことになったかと云うと、三者がそれぞれ神頼みを願ったからである。
 さて東京オリンピックだが、開催するか否かについて菅は開催権はIOCにあると云って責任逃れ。一方のIOCバッハも開催するかどうかの判断は日本側にあると云って責任拒否。日本側では、組織委員長の橋本と担当大臣の丸川がお互いに責任をなすりあって場外バトル。誰も責任を取ろうとしない。
 要するに菅もバッハも本心ではこんなヤバいオリンピックなどしたくはない。しかしこれまでのいきさつから今更「辞めます」とは云えないのだ。つまりみんな自分が責任を取りたくないから、互いの言葉を”神頼み”にしてそれを”外圧”にしたいのである。これは太平洋戦争開戦時の政府・軍部の責任逃れ体質そのものである。そしてそれはインパール作戦開始にも共通する。
 ではこういう無責任”外圧”頼み作戦の結果はどうなったか。皆さんご存知のように、インパールでは末端の兵士、太平洋戦争で犠牲になったのは多くのの国民であり国家の滅亡である。東京オリンピックの強行はこれら二大愚作の再演となり、最後の始末はオリンピック特別税として全国民に降りかかってくるだろう。現にアベ晋三はいつの間にか復活し、フジテレビ番組で東京オリンピックはオールジャパンで、などと国民への責任転嫁を仄めかしている。太平洋戦争のスローガンに「進め一億火の玉だ!」と云うのがあった。結果として日本は火だるまになってしまった。東京オリンピックの結果は赤字の火だるまだろう。
(21/05/10)

 筆者は従来東京オリンピックについては批判的ではあったが必ずしも否定的ではなかった。しかしここにきて否定的立場を明確にしたいと思う。理由はオリンピックによってコロナが蔓延するとか、五輪担当大臣が間抜けだから、とかいうのではなく、組織委員会事務局長の武藤敏郎の発言である。
 彼はオリンピックを無観客を開いても500人の医療従事者が必要で、これは東京都のコロナ対策とは無関係であると発言した。つまり東京都のコロナ感染がどう広がろうが、500人の医療従事者をオリンピックに差し出せということだ。ここに見えるのは武藤という人物の傲慢・独善・教条的性格。当に二流役人そのものである。
 こういうのに限って、事業が大失敗しても自分は与えられた仕事を粛々とこなしただけで何もやましいことはない、悪いのは政治家でそれを選んだ国民だ、と居直る。あの渋谷運転事故で死傷者を出した元工業技術院院長が、悪いのは自分ではなく自動車だ、ペダルが張り付いたからだ、などとおおよそ技術者らしくない奇想天外言い訳でいなおるのと同じだ。似たようなのは昔勝新太郎がハワイ税関で下着に大麻を持っていたのが見つかって「悪いのは自分じゃないパンツだ」といったのとよく似ている。要するに武藤も元院長も人格としては勝新のパンツ並ということだ。
 武藤の暴言に大臣の丸川もJOCの山下も何も言わない。両方とも東京都がどうなろうとオリンピックさえやれば、それは自分たちの手柄と思っているのだろう。それに加えIOC会長のバッハが酷い。バッハの演説は、やたら日本人をほめそやすお世辞をばら撒いているが、実態は何もない精神論のみ。あれは大戦末期のヒトラーや東条英機の演説と何も変わらない。こんなアホにオリンピックを任すIOC委員の頭もどうかしている。とにかくオリンピック事業の堕落極まれりだ。こういう堕落事業はさっさと廃止した方が良い。勿論IOCも廃止、アホで間抜けで自分の金儲けしか考えないバッハは首。
(21/04/28)

 首相が留守している間を狙ってかどうか分からないが、二階がいきなり東京オリンピック中止論をぶっぱなす。さてその真意は何か?筆者は来る都知事選に向けて、アンチ小池の菅への先制パンチではないか、と思っている。だったらそれは自民党内の問題で、それにオリンピックを巻き込むのは怪しからん、と云うのが一般ピープルの見方。しかし今回の東京オリンピック誘致自体、結構政局色の濃い生臭い発想から始まっているのだ。
 最初にオリンピック招致を言い出したのは当時都知事三期目の石原慎太郎。それまで東京は資本・人口の集中化を進め、1200万人という人口を抱える巨大都市に変身していた。慎太郎は四期目は猪瀬に譲ることにして自分のレガシーとして「東京オリンピック」を思いついたのか?これについて彼は経費は7000億円で出来ると豪語。ところが蓋を開けてみると、組織委員長になった森喜朗がいきなり3兆円は懸かると言い出す。元々森と慎太郎郎は同じ派閥で馬が合う。二人で示し合わせた詐欺のようなものだ。
 更にアベ内閣になって、オリンピックの政治利用はエスカレートする。NHK始め大手メデイアやタレント、吉本芸人、さらには御用ネット民を使ってのオリンピックヨイショキャンペーンとか、果ては「福島の水は完全にコントロールされている」などと、誰が聞いても根拠なしフェイク演説・・・これを信用するのは田崎史郎とか櫻井よし子のような脳みそ空っぽ人間だけ・・・で世間をたぶらかした。オリンピックの異議は何か、という問いに対し石原晋太郎は「それは国威発揚だ」といっている。
 いつの間にか東京オリンピックの目的は国威発揚・・・あるいはコロナに打ち勝った証し・・・に変容し、誰も反対できない”聖戦”と化した。ところが今や聖戦の大義が、内部から突き崩されようとされている。前大戦でも、最後は内部から崩壊していったのだ。
(21/04/17)

 北朝鮮がコロナ対策を理由に21東京オリンピック出場拒否で、日本も韓国も大慌て。日本はこれで不参加ドミノが始まるのではないか?韓国は東京で南北対話を進めたかったのにそのチャンスが失われた、てなところが理由とされる。
 それはともかく、北朝鮮が本気で不参加を云っているのか分からない。本音はこれを突き付けて日韓にくさびを打ち込み、あわよくば米朝会談にもっていこうという算段だろう。未だ開催まで三カ月ある。その間、何が起きるか分からない。いきなり参加表明てなこともあり得るのだ。
 では北朝鮮の狙いは何処にあるのか?一つは上に挙げた通り日韓関係に揺さぶりをかけ、状況を北朝鮮有利に持っていくこと。もう一つは五輪参加もあり得るという含みを持たせ、金を巻き上げること。つまり、日本・韓国の弱みを握り、参加してほしけりゃ金を出せ、ということだ。
 これは交渉事ではよくあることで、例えば公共事業などでは、当初絶対反対と云っていた地区が、ある日突然受け入れ表明二「傾くことはよくある。裏で議員が口をきき、何らかの金が動いたのは間違いない。今回もそんな形で」決着が付く可能性はある。そうなれば、菅や文のメンツはたつだろうが、ジョンウンに誤ったメッセージを送ることになるので、極東安定化政策には何の寄与もしないどころか、より混迷を深めることになるだろう。
(21/04/13)

 「コロナに打ち勝った証し」として、前途が全く見えないのに始まった聖火リレー。NHK始め大手メデイアやスポンサー企業が大いに盛り上げようと、あれこれ算段するが、出てくるのは足を引っ張る誤算やトラブルばかり。
1、こともあろうに女子空手でパワハラ疑惑。日本空手道協会の選手強化コーチが、メダル候補の女子選手に竹刀で練習を強制したというもの。女子選手はこの結果で眼に損傷を受けたとして強化コーチを刑事告発する始末。森喜朗流に言うなら、ここでも「わきまえない女性」が出てきたということだ。
 今のオリンピック・・・だけでなくスポーツ界全体・・・での絶対タブーはパワハラ、セクハラ、差別である。これをやらかしたり、疑いを持たれただけで一発アウトだ。下手するとオリンピック種目から外されかねない。幸か不幸か、空手は東京大会だけだが、国際大会を今後日本で開けるかどうか、という問題になりかねない。未だに日本のスポーツ界には国際性を理解できない人間が多いという証明だ。
2、聖火リレーは組織委員会や各自治体の計画では、”密”を避けるというはずだったが、実際蓋を開けてみると、特に芸能人が出場する場面では、沿道に人が殺到している。そもそもこのイベント自体、矛盾そのもの、矛盾が灯になって走っているようなものなのだ。政府やJOCにとって聖火リレーはオリンピックを盛り上げるためのプレイベント。だから大勢の人に集まってもらわなくてはならない。
 またスポンサー企業も人が集まらなければ大枚は対手宣伝カーを繰り出す意味がない。ところが政府や関連自治体はコロナ感染拡大を防ぐ義務がある。当然JOCも組織委員会もそれに協力しなくてはならない。その矛盾を欲被りしたまま始めたものだから、沿道に人が集まり大阪府・・・今のところ大阪市だけだが、その内府下全域になりかねない・・・の様に聖火リレー中止というはめに陥ったのである。今のところ聖火リレー拒否又は中止は、島根県・鳥取県と大阪市位だが、今後増える可能性は高い。
 何故こんなことになったかと云うと、最早これまでの商業ベースに基づくオリンピックモデルが破綻しているのである。それはIOCだけでなく、オリンピックに群がるスポーツマフィア・・・例えばナイキなどのスポーツグッズメーカー、電通などの広告屋等々・・・、彼らの利権を食い物にする政治家などの利権が複雑に絡み合って、どうしてよいのか分からなくなっているのが原因である。一度立ち止まって見直した方が良い。例えば北野武が云うように、会場はギリシアに固定するとか、予算は予め上限を決め、これを上回ったら直ちに中止にするとか、何か乱暴な方法が必要だ。
(21/04/02)

 関西や東京自治体・・・というより大阪維新の会・・・の要求により、緊急事態宣言を解除したまでは良いが、たちまち始まった新規感染者の増加。特に仙台などの東北地方や北海道で増加している。すわ第四波か、という状況。収束の見通しもたっていない。
 又、今年に入ってからも森発言ー組織委員会会長更迭、佐々木開会式総合統括辞任など、おまけに昨日森喜朗がマタマタ女性差別発煙を繰り返した。この先何が起こるか分からない。更に一波乱二波乱あるのではあるまいか。例えば、国立競技場始め目玉プロジェクトを独り占めにしたアベ印の大成建設、五輪招致に関わる電通疑惑、などなど。
 その中で始まったのがオリンピック聖火リレー。早速始まったのが、NHK始め大手メデイアを動員しての聖火ならぬ提灯報道。オリンピックに向けて世間の気分を盛り上げようというわけだ。その極めつけが、四月菅訪米でのバイデン招待作戦。ここでバイデンの同意を取り付け、アメリカ選手団参加を確実にした上で解散総選挙、長期政権確保という「作戦。
 ところがホワイトハウスの回答は「夏のことなど分からない」というにべの無いもの(昨日のサキ報道官)。その背景には先日明らかになった五か国世論調査でオリンピック中止・不参加が7割を占めるという結果がある。このなかで特に重要なのはアメリカで、アメリカ世論でも似たような結果だった。
 誰よりも世論に敏感なバイデンが、この結果を無視するわけがない。おそらく「科学的知見に基づいて」と、云う正論で菅の要請をはねつけるだろう。正式な回答は6月末時点での感染者の動きとワクチン接種率を見てからになるだろう。
 そもそも相手が同意するかどうか分からいのに、招待しますと広言する神経が分からない。これなどオリンピックを自分の政権維持に利用しようという魂胆が、見え見えなのである。考えることが薄っぺらで、まるでガラス細工、金魚鉢のような内閣だ。ネズミ変じて金魚になるか。
(21/03/27)

 一時は80%越えの東京オリンピック開催中止・延期論。その後のワクチン導入やオリンピック組織委員会会長交替で、内閣支持率もやや持ち直した。これはオリンピック開催論の後押しとなるはず。その後の世論調査は未だ出ていないが、ここにきて妙な動きが出てきた。ひょっとするとマタマタ反対論が息を吹き返しかねない。それは次の二つが原因である。
1、新型コロナ感染対策について、現在の日本政府の主流の考えは外人客をなくし国内だけで賄うとするものである。そしてその結論を4月末と設定した。これに対しIOC総会で会長再任を果たしたバッハは決定をできるだけ遅らせ、5、6月末までが適当とアナウンス・・・これは今のアメリカバイデン政権が、オリンピック参加お意志を表明せず時期を見計らっていることに関連したものだろう・・・。JOCにとっては寝耳に水の話しで慌てるのは当たり前。しかし決定はあくまで日本政府による、と逃げを打つことは忘れない。
2、これに加え寝耳に水は、中国がいきなりワクチン無償供与を申し出たこと。日本は既にファイザー他と契約を結んでおり、中国製を導入する予定はない。しかもバッハは中国側の申し出を好意的に受け止める発言をした。これは21年冬季オリンピックへの挨拶だろう。
 現在の日中関係は尖閣問題とそれに関連する中国海警法問題を巡って、戦後最悪状態。そこにオリンピックを材料に中国が恩着せがましく介入してくるとは、中国はオリンピックまで買収する気か、バッハもその一味か、てな気持ちを日本人の心象に植え付けかねない。菅も有難迷惑だろう。
 菅はオリンピック開催に向けてあらゆる手を使うだろう。しかしそれが成功するかどうかは、今の感染を封じ込め、第四波感染の発生を防止できるかどうかに懸かっている。
(21/03/14)

 昨日のBSTBS某番組。ゲストは立民の辻元キヨミ、自民の下村博文、そして例のアナクロジャーナリストの田崎史郎。この中で、キヨミが今夏の東京オリンピック実施に向けて「政府も中止という選択肢も儲けておくべきではないか」とツッコミをいれると、下村はあくまで開催という前提でものごとを進めると表明。その根拠として、オーストラリアでのテニス全豪オープンと、京都での国際会議を挙げ、外国人を受け入れても大丈夫だったと述べた。
 全豪オープンの場合、関係者は選手役員を含め、1000から2000人程度。選手・役員は毎日PCR検査を受け、行動も厳しく制限されている。おまけに無観客試合だ。国際会議に至っては参加者はスタッフを含め数100人程度。無論無観客である。
 一方オリンピックは、選手役員だけで数万人とも云われる。観客は外人を外したところで、延べ100万人単位の人口移動が予想される。テニス大会や国際会議とは比較にならず、参考にもならない。うっかり参考にすると、問題を甘く見すぎてとんでもないことになりかねない。
 つまり、コロナ下オリンピックに対し、政府与党の相当責任にある地位の人間ですら、こんな粗雑な発想しかできないのである。呪われた東京オリンピックなど、さっさとと諦めた方が良い。
(21/03/09)

 通常の民主主義社会では、あるテーマで会議が行なわれた場合、結果は多数意見で決定されるのが常識である。しかし不思議なこともある。委員8名の内6名まで委員メンバーを公開するのに賛同したにもかかわらず、たった2名が反対したため、メンバー公表は控えられた。云わずとしれた東京オリンピック次期組織委員長選考委員会のことである。
 メンバー公開に反対した一人がIOC委員である山下康弘である。彼はテレビのインタビューで「反対者は自分を含めて2名だったが、氏名を公表すると政治家や関係者やマスコミから猛烈なプレッシャーを受ける。自分もこれまで散々プレッシャーを受けて来た」と言って公表反対を主張した、と証言した。
 ところが選考委員の顔ぶれは既に一部のメデイアでは顔写真付きで発表されていた。無論これはそのメデイアが勝手に推測したもので、実際とは違っていたかもしれないが、選考経過の意味付けから見ても、これと大きく変わるメンバーとは思われない。
 いずれも実績のあるトップアスリートで、マスコミ取材なんかには慣れているし、政治家が圧力をかけても大して効果がるとも思えない。つまり山下はありもしない幻想を振りまいて世間をたぶらかしているだけなのである。仮にあったとしても、それらの圧力からアスリートを守るのがIOC委員でもある山下の務めだろう。
 ところが彼はそんな基本は無視して、圧力だけを強調した。その結果が橋本聖子次期会長決定である。つまり、山下は委員会がオープンになって橋本以外の候補が現れるのを防ぐため、委員会非公開を主張したとしか考えられない。
 では、何故山下が委員会で圧倒的少数にも拘わらず、非公開を主張したのか?それは彼自身が明らかにした政治家や関係者の圧力である。誰が山下にそんな圧力を懸けられるのか?可能性としては森喜朗が最も高いが、意外に菅自身の可能性もある。森にとっては橋本を通じて組織委員会に影響力を維持し、あわよくば銅像だ。菅にとっては、女性会長で支持率アップが狙える。山下はその両者の間で踊るだけのピエロにしか過ぎない。所詮昭和柔道一直線単細胞生物。
(21/02/21)

 古代世界では何か大きな出来事・・・他国との戦争、疫病の流行等・・・には、神殿に集まって神の神託を得ようとした。神殿の奥には内陣があって、そこには誰も入ることはできない。内陣の中で神官たちがなにやら祈祷・儀式を行い、やがて現れて人々に厳かに神託を告げる。人々はそれを聞いて大いに喜び安心した。但し犠牲・・・生贄が必要。時には王の命を捧げることもあった。
 ある「カミの国」で力のあったモリキロウのミコトというカミが、あるマガゴトをおこなったので八百万の神々の怒りを買い、追い払われた。そこで人々は神官に神の神託を得るよう願い出た。神官は集まって闇の神殿で祈祷を行い、そしてハシモトセイコノミコトを崇めよという神託を得た。人々はおおいにこれを喜んだ。但しこの祈祷は誰家に見られれば効果はなくなるとされた。
 しかしこのカミの国には他にコイケユリコノミコトという祟り神(女神)が根付き、更に新たにマルカワタマヨノミコトという愚か神(女神)が降臨してきた。どれも処・時機を”わきまえない”神だったため、三すくみ状態となってテンヤワンヤの大騒ぎ。まだモリキロウノミコト時代の方がマシだった、と神官たちも気づくがもう後の祭り。かくて”カミの国五輪の祭”は泡と消えた。このため王であるヨシヒデノミコトの命は神にささげられた。「新古事記・・・五輪紀」。
(21/02/19)

 東京オリンピック次期組織委員長は橋本聖子でほぼ決り、というのが本日(02/18)マスコミ人事。誰も知らないはずがマスコミには駄々洩れ。しかも選定委員会メンバーもその内容も何もあきらかになっていない。まるっきりの完全密室。そして森ー(川渕)ー橋本という森人脈は何も変わっていない。これでは聖子は只のロボットで、聖子を通じた森リモコン支配が続くのではないか、ということを言い出す人間が必ず出てくる。この程度のことは誰でも気が付くべきで、それも出来ないのが今のJOCということだ。コロナの所為で何でも自粛の時代だから、リモートで行こうということか。
 現代のオリンピックには常に利権が付きまとう。一般にはテレビ放映権料、オリンピック商標権料、新聞・雑誌唐の広告権料や、オリンピックグッズやスポーツメーカーからのバックマージンも大きい。しかしこれらはIOCや開催国NOCの懐に入り、開催国政治家には旨味はない。
 一方開催国政治家や経済界にとって最も重要なのは、関連事業利権である。東京オリンピックで一番稼いだと思われるのは
1、電通・・・オリンピック招致、広告、チケット販売(アベ)
2、大成建設・・・国立競技場では森喜朗を動かして従来案をひっくり返し、其の他主要施設の建設を独り占め(アベ)
3、パソナ・・・チケット販売、組織委員会への人材派遣、ボランテイア募集で荒稼ぎ(菅、竹中平蔵)。
 其の他、選手村開発では森不動産やら三井不動産など。他にも大小取り交ぜての混雑状態。
 組織委員長というのは、最終的にはオリンピックが開かれようが中止になろうが、これらを相手に事業の清算をやらなけりゃならない立場だ。事業・・・祭や戦争・・・と云うのは、始めるより終わらせ方、予算取りより清算の方が遥かに難しい。いざとなればやっぱり森喜朗の出番になるのか。
(21/02/18)

 一昨日の森辞任会見。テレビで若干聞いていて情けなくなった。ズバリ会長職への未練たらたら、世論とマスコミへの恨み節。一体何に未練があるのか?自分の手でオリンピックを開催出来なくなることか?いやそんな些末なことではない。彼にとって、もっと大きい未練があるはずだ。
 それはズバリ勲章である。無事にオリンピック開催にこぎつけ、天皇・皇后をメインスタンドにお招きして先導を務め、そしてその栄誉をバックに”大勲位”を狙っていたのだろう。あの「やれるやれないではない、どうやってやるかだ」とか「何としてでもやり遂げる決意が必要」とかいう、突撃主義も、目の前に”大勲位”がちらついていたすれば理解できる。
 それが全てパーになったのだから、恨み節の一つも云いたくなる。それは辞任会見の「老害老害と年寄りを批判するが、年寄りにも働き場がある」というボヤキに現れている。しかしそれも身から出た錆。原因は自分が作ったのだから仕方がない。
 では肝心の森喜朗という人物、どういう人物なのか社会人と組織人の両面から考えてみよう。
1、社会人として;いろんな報道によれば、森は個人出会うと、きさくで面倒見もよく、とても親しみやすい人らしい。これによく似た人種の一つにヤクザの親分がいる。見ただけではとてもヤクザ屋さんには見えない。話をしても面白いし、素人を飽きさせない。サービス精神が旺盛なのだろう。
 それはともかく、一般に社会人と云うものは成長に応じて社会的規範と云うものを身に着けていく。はたして彼はどうだったか。ことの発端となった二月三日の評議員会である。この場40分もの会長挨拶を行なっている。この中で、彼は女性がいる会議は長くなると、いかにも女性のおしゃべりが長いかと云っているが、本人自身それに負けない長広舌を振っているのだ。これが命取りになった。 通常会議と云うものは2時間120分でお開きというのが相場。ところが彼はその1/3を独り占めしてしまったのである。これが他の様議員の心象を悪くしたのは間違いない。その後の森の釈明に就ても、IOCからの擁護が形式的でおざなりだったのは、常々こういうことをやっていたからだろう。
 多分彼は若い頃から政治家になり、しかもエリートの関心があまりない文教族・スポーツ業界議員でやってきたから、他からの批判を受けたり、誰かに指導を受けたこともなかったのだろう。つまり、子供がそのまま大人になったようなものだ。
2、組織人として;
 森喜朗は若くして早稲田ラグビー部という縦系世界に属し、政治家となっては自民党という永田町ムラ社会で育ってきた。彼を組織人として見るとき、その組織とは早稲田ー永田町という組織である。この組織の中で守るべきことは
1)上からの縦系の論理を受け入れ、下にもそれを強要する。親分がシロといえば、子分はカラスもシロになる。
2)理よりは情を優先する。
3)組織にとって不利益になる行動・言動は行なわない。
4)組織の利益配分は平等に行なう。
5)何よりも組織防衛を優先する。
 てなところか。
 さて森喜朗の場合、ほぼ満点なのだが、唯一不安なのが3)の内、組織にとって不利益な言動である。つまろ過去に於ける彼の失言癖を見れば、組織人として大丈夫か、という疑問は残る。今回が当にその例なのだ。森の失言は、彼独特のサービス精神から来るものだろう。
 では何故そんな危うい人間を組織委員会のトップに据えのか?それが4)5)なのである。何10年も前のクーベルタンやブランデージモデルのオリンピックでは、世俗の利権が入る余地はなかった。唯一例外が64年東京オリンピックで、五輪施設整備による建設利権が生れた。
 ところが84年ロス五輪に始まるサマランチモデルは、五輪利権をマスコミだけでなく各種競技団体やスポーツグッズ産業、旅行業界まで及ぼした。この結果五輪利権に群がる企業・団体は数知れず、中にはマフィア絡みの結構怪しいのもいる。
 今回の東京オリンピックでも同じで、そんなのがうじゃうじゃと集まってくると当に”魔女の大鍋”状態。こんなのを勝手にさせれば大混乱。森喜朗に期待されたのはこういう連中をまとめて、時にガス抜きしながら大鍋の蓋を閉じておくこと。これこそ昭和の芸当。実際彼は見事にこの期待に答えた・・・あの不規則発言さえなければ。森辞任の意向を聞いて事務局が大慌てで慰留に努めたのは、それが理由だったのだろう。
 しかし開催まであと半年を切り、コロナ騒動は世界的に見れば収束に向かっているとはとても言えない。今のところ国内で収束方向に向かっているが、これは一月から緊急事態宣言効果。おまけに昨晩の福島沖地震だ。本当に海外からの選手や観客が来るのか見通せない。ずばり事務局レベルでは、今更森喜朗が異様がいまいが関係ないというのが本音だろう。森の後任など誰でも良いから、さっさと決めろ、だ。
 以上から、森喜朗と云う人物を評価すれば、社会人としては未成熟の幼稚、組織人としては昭和丸出しのアナクロ。
(21/02/14)

 83のジジイ(森)が火をつけ、82のジジイ(二階)が油を注ぎ、84の年寄りが火消に回るという、今回の森辞任騒動。年寄りが起こした騒動と云えば、90年代に発覚した長銀・拓銀などの金融不祥事・・・不正融資・・・を思い出す。この時の主犯格は当時70代後半から80才位で、やれテンノーとかドンとか呼ばれ、社内でいえは会長格。それと組んだのが当時50代の部長とか頭取達。主犯格はとっくにあの世に行ったが、子分の50代が今は80代で、なお勢いを保っている。
 この90年代金融世代というのが、戦後の復興・高度成長をリードし支えた元祖モーレツサラリーマン。彼らが実現した成功例が64年東京オリンピックであり、70年大阪万博だった。人間誰でもそうだが、若い頃の成功体験はいつまで経っても忘れられない。だからつい過去の体験を例に出したがる。組織委員会評議員会での森の演説は当に彼の体験を彼流に解釈し、それが何時までも通用すると思い込んでいるから生じたのだ。
 サラリーマン時代、会社にも役所のOBを採用していたが、彼らが何かと云うと話たがるのが、過去の自慢話。しかし世の中変わってしまっていて、何十年も前の経験など通用するわけがない。しかし真実を云うと気の毒だから、こちらはハイハイと聞き流しているだけで、別に納得しているわけではない。評議員会で森演説に付き合わされた評議員達も内心そうだったかもしれない。
 しかし小さな一企業ならそれも許されるかもしれないが、少なくとも税金やその他の基金・公金を使って運営される五輪組織員会がそうであってはならないのは当然。まして80過ぎのおいぼれにやりたい放題やられているようでは、今後が思いやられる。何故こうなったかと云うと、今の50代、60代が頼りないからである。この世代は実はバブル世代。若い頃に鍛えられていないから、何時まで経っても一人前になれない。
 バブル期というのは急速な円高で、製造業を始めとする従来の輸出型産業がアウトになった時期である。こういう時こそ企業は人材の多様性を求めなくてはならないのだが、実態はその逆。この時期増えたのが、短期利益還元を求める外人投資家と、それを煽る村上ファンドなどの投資ファンド。短期利益を出すために日本企業が奔ったのがリストラ。その結果、人材の均質化・一様化が進んだ。つまり何処をみても、みんな同じような人間ばっかりになった。そしてそれに一番対応出来たのが、縦系組織で育った体育会系。その結果発生したのが企業社会の保守化である。森演説は本人が勝手にやったのだから仕方がないが、それを黙って聞いていた評議員にこそ、今の日本の病根がある。
(21/02/12)

 東京オリンピック開催について、アメリカのバイデンは科学的根拠に基づく必要があると菅に返答。これは森の不規則発言以上の難題かもしれない。森は以前、東京オリンピック開催について、敵は世論とコロナだと云った。敵世論はおおよそ80%に及ぶ、延期・中止論。ところが本人自身が例の女性蔑視発言で火に油を注いでしまった。
 もう一つのコロナは、日本が開催時点で間違いなくコロナを制圧できているかどうか、更にオリンピックで感染が拡大しな保証があるかどうかである。バイデンはこの2点について説明をもとめているのである。この要求に対し、アメリカ政府及び国民が納得できる説明を、日本政府及びJOCが出来なければアウトということだ。
 科学的根拠とは一般的には次のような条件をクリアーしていることがもとめられる。
1、使用するデータの客観性・正確性が疑いないものであること。
2、使用する実験や観測・解析手法が従来の科学理論にそったものであること。
3、結果の解釈がデータや使用した手法から予測されるものと矛盾しないこと。
 などである。特に政治や経済からの要求に影響されていないことが重要である。
 さてこれは何を意味するか。それは即ち、東京オリンピックはかつてのロン/ヤス関係とか、シンゾー/ドナルド関係、ジョー/ヒデ関係と無関係に考えるということだ。特にバイデン支持者には著名なスポーツ選手が少なくない。しかも彼らは一般市民へ大きな影響力を持っている。彼らが森発言に反発しているのは明らかだ。今の状態でうっかり東京オリンピック支持を打ち出せば、彼らの反発を買う。そこで「科学的」という言葉をもちだしているのである。
 バイデン自身政治的じゃないかと思うだろうが、彼は政治家である。彼の発言になにがしかの政治的声明が込められているのは当たり前。その意図が何かは分からないが、少なくとも「菅よ、あまりアメリカばかりを頼りにするな、トランプのようなわけにはいかないぞ」ということだろう。
(21/02/10)

 女性蔑視発言がメデイアに取り上げられ、世間的には森辞めろの大合唱。しかし本人は辞める気もなく、政府も組織委員会も辞めさせる気はない模様。更に世耕という代議士が森を「余人をもって代えがたい」と森擁護発言。当たり前で、こんなコロナ騒ぎで開催の目途も経たず、おまけに国民の8割近くが延期か中止に傾いている時期に、森の代わりにオリンピックをやりましょうなんて、お人好しというかアホは居ない。森に「ジャ辞めます。誰がかわりをやるんだ!」と凄まれたとき、ハイやりますという人間が居ますか?この際ヤバい部分は森に全部押し付けてしまえ、ということだ。それが世耕発言の真意。森だってそんなことはお見通しのはず。それが昨日記者会見の居直り発言だ。
 さて森という猫の首に鈴を付けられるのは誰か?当面は菅だろうが、そもそも森喜朗という失言前科持ちを担ぎ出したのは一体誰だ!それはアベ晋三。この際、アベに落とし前を付けさせるのが筋と云うものだろう。
 しかし今の東京オリパラ混迷の最大の責任者にして諸悪の根源は、IOC会長のバッハではないか。あれが態度を明確にせず、その場その場で都合の良い言葉をばら撒くから、混乱がはじまったのだ。彼は昨年の三月来日以来、ことあるごとに「オリンピックは可能だ、問題はない」のオンパレード。都合が悪くなると、「判断はWHOに任せる」とか、「日本政府の判断だ」と責任転嫁の逃げまくり。一体全体本気でやる気があるのか?自分の任期内だけ上手く立ち回れれば良いと思っているのではないか。こんなのがIOC会長をやっているから、オリンピックは益々ダメになっていくのだ。
(21/02/05)

 あるイギリス人記者がニューヨークタイムズに投稿した「日本政府は既に東京オリンピックは無理で、今や延期か中止を正当化する理由探しに必死になっている」という記事が話題になっています。無論日本政府、東京都、IOC、JOCは必死にこれを否定していますが、多くの国民は「ああ、やっぱり」と思っているでしょう。それは東京オリパラに対する各種世論調査(但しフジサンケイは除く)の結果から見ても明らかです。
 一般国民が東京オリパラが無理だと思う理由は、当たり前だがそれまでに世界的に今の新型コロナ感染が収束しているかどうかの疑問。政府、IOCら関係者はそれを前提年てオリンピック開催を否定しないが、そのまた前提が全国民のワクチン接種。これが菅の狙う特効薬だ。
 しかし諸般の事情を垣間見ると、これ自体怪しい仮定の上に成り立っているのである。
1、まず政府はファイザーと、3億回分のワクチン接種量を確保したと説明するが、それが何時どれだけ到着するかは不明。
2、接種業務は各自治体委託とするが、その体制が全く整っていない。その理由はファイザーからの到着情報が政府からでてこないからである。
3、地方病院はこれまでの新型コロナ患者対応で手一杯の状態。それにワクチン接種と云う負荷が掛かれば、地方医療は崩壊する。
4、ということは東京オリパラまでにワクチン接種が完了しているかどうかは甚だ不明確。それにたいし、東京都は五輪期間中は1万人の医療関係者が支援に必要だ、と主張。ただでさえ医師不足が叫ばれているのに更に1万人も獲られれば、医療崩壊は目に見えている。
5、以上は国内問題だけだが、海外で、特に途上国では問題はより深刻である。つまりワクチン供給先が先進国に偏り、途上国に回らない可能性が高い。途上国選手拒否なんてことが起きかねない。これは明らかに近代五輪の理念に反する。
 しかし菅も森も小池も橋本も、「東京オリパラは出来る、何としてでもやり遂げる」、「重要なことは実施出来るかどうかではなく、どうすればできるかを考えることだ」という信念のみを強調する精神論だ。彼らが口にするのは一見前向きに見えるが、実はこれ中学生か高校生部活レベル。
 これなど太平洋戦争前の軍部・政府に蔓延した「英米との戦争には勝利する」という根拠のない精神論、それを作った「空気」しか感じられない。歴史は繰り返す。かくて日本は東京オリパラというj地獄の窯にまっしぐら。そして誰も責任は採らない。国民が望んだからだ、といわけするだろう。東京オリパラは当初国民の誰も望んでいない。望んだのは石原慎太郎といううすら馬鹿と、都知事と云うポストにしがみついた猪瀬、それとこれなら支持率アップに繋がると踏んだアベ晋三位だ。慎太郎の狙いは、これで東京都の財政が安定し、且つレガシーとして自分の手柄になること。スポーツ振興なんかこれっぽっちも思っていない。その証拠に、彼はある時「オリンピックは国威発揚だ」と云っている。つまりオリンピックアスリートhあ彼にとって、只の国威発揚、自分のレガシーのための道具に過ぎないのである。。ところがいつの間にかマスコミ始め経済界もみんなオリパラ一色になってしまった。
 かつての戦争でも、対英米開戦にせっきょくてきだったのは、陸軍では参謀本部一部、海軍も軍令部と海軍省の一部、それと一部の右翼団体だけで、政治家もマスコミも懐疑的あるいは否定的だった。ところが開戦当初連戦蓮舫が続くと打って変わって聖戦完遂の大合唱。その結果が無条件降伏という大惨事。うっかり強行するとこれの二の舞だ。
(21/02/02)

 河野太郎がロイターのインタビューで「東京オリンピック開催は、どっちに転ぶか分からない」と発言したのが、たちまち拡散して、さて日本はオリンピックを中止するのかと国際的大騒ぎ。この点について太郎は昨日TS-BS番組で「あれは様々なケースがあって、どうなるか分からない、それぞれについてやり方がある、という意味」と苦しい説明。通常の日本語では「どっちに」というのは二つに一つという意味。選択肢が三つ以上ある場合は「どれがどうか」という。
 河野が正しい日本語を理解していれば、あんな言い方はせず「様々な選択肢が考えられます」程度で誤魔化すべきなのだ。そうでなければ、彼は正しい日本語を理解していないことになる。
 それはともかく世間はどう考えているのか?世論調査ではオリンピック中止及び延期論が70%強を占めている。菅はこれをワクチンで強行突破するつもりだろうが、国内でワクチン効果が出始めるのは早くて4月下旬.。これが全国に行きわたるのは6月下旬頃だろう。但し5月頃に又安心して対策に手を抜かなければの話だ。しかしこれも日本国内での話。仮に日本で収束したとしても海外ではどうなるか分からない。当に仮定に仮定を重ねた話なのである。
(21/0/19)

 IOC会長のバッハが日本にノコノコやってきて、前首相のアベ晋三にオリンピック功労賞なるものを贈呈した。GOOGLE で調べるとこういう賞はあり、過去63人が受賞している。日本で金賞はアベで三人目らしい。功労賞というからにはオリンピック運動に何らかの貢献をしたはずだ。しかし筆者には、アベがオリンピック運動に何か貢献したかという点については全く思い当たる点がない。そもそも彼が何かスポーツに関係したか、ということもない。趣味はゴルフだが、あの程度はスポーツゴルフではなく、只の坊ちゃん遊びだ。仮にあるとすると、リオ後のオリンピック開催都市を東京が引き受けてくれたからだ、としか考えられない。
 現在のオリンピックの最大の問題は、高騰する開催経費である。これの大部分は競技数の増大と競技施設の巨大化である。競技施設は各都市の問題ではないかと思うだろうが、現実にはIOC基準(実際は各競技団体という利権団体基準)のため、巨大化が促進されることになった。実際21世紀に入ってから、オリンピック開催を引き受ける都市がなくなってきた。これに対し、アホというかなんとというか、名乗りを上げたのが東京なのである。その先頭を切ったのが元東京都知事の石原慎太郎であり、その腰巾着の猪瀬だ。更にそれを受けついだのがアベ晋三。IOCバッハにとっては命の恩人だ。これがオリンピックへの功労*なのである。
 さて今回はこれでナントカ切り抜けた(但し来年のコロナ流行状況によっては未だ分からない)ものの、その後については五里霧中。東京の次はパリということになっているが、フランス人は日本人ほど甘くはない。おまけにバッハはドイツ人だ。更にオリンピック招致について付きまとうのは収賄問題。東京も例外ではない。アベ内閣-JOC〈竹田)ー電通ー国際陸連という闇コネクションが噂されている。これを丸め込んだのも功労の一つだろう。
*別の功労も考えられる。元東京都五輪招致事務局長だった某氏によると、今回のバッハ来日の本心は日本企業の五輪スポンサー離れを防ぐためといわれる。バッハとしてはここでアベを勲章でおだてて、スポンサーシップに日和見を決め込んでいる日本企業にプレッシャーをかけてもらおうという算段か。
(20/11/17)

 東京オリンピック招致に関し疑惑の中心にいた元国際陸連会長のセネガル人・・・ラミン・デイラック・・・へ、日本からシンガポールのトンネル会社(ブラックタイジング)を経由して3700万円が送金されていたことが国際報道機関により明らかになった。日本側窓口は竹田恒和。もとをただせば皇族に列する家系なのだが、金銭感覚に疎くそこを付け込まれたのだろうか、あるいはこれだけのビッグプロジェクトだからこれぐらいかかるのは当たり前、下々のものには黙っておればよい、と思っていたのかもしれない。いかにも京都のお公家さんらしい感覚だ。
 そこで大事なことは、こういう大規模国際イベントには必ずこの手の裏金が動くということだ。25年大阪万博誘致がその例外だとは思えない。18年大阪は万博誘致に成功したが、その時の松井の「よっしゃ!」という掛け声、してやったり顔の裏に何があったのか?パリに置いた大阪府万博招致事務所の所長は関電からの出向。関電は大阪万博の主要スポンサーであると同時に招致委員会の主要メンバー。19年関電で高浜のエムさん問題が発覚。エムさん経由で訳の分からない金があちこちに流れていて、その一部が万博招致に使われていたとしても不思議ではない。
 先日発表された大阪万博シンボルマーク。あれを見てワタクシは「潰瘍性の大腸」と思ってしまった。本当に万博で大阪が潰瘍性大腸炎にならないように祈るばかりだ。都市が潰瘍性大腸炎になるのはどういうことかというと、要するにある病原体により下痢(支出)が止まらないということだ。無限の赤字財政に陥る。その病原体が大阪万博かもしれない。
(20/09/21)

 アベ政権を支える財界四天王と云えば、日立製作所、JR東海、大成建設そして電通だ。この中で今話題が、例の事業継続資金初めコロナ対策事業疑惑の矢面に立たされた電通。それでなくてもこの会社、アベ政権下でちょくちょく顔を出す。何故か?ヨメのアッキーが元電通社員だったからか?こういう小さく狭い人間関係に、結構気を遣うのがアベ晋三の特徴。こういうの長州特に萩出身者に多い。郷里の大先輩山縣有朋がそうだった。萩*という狭く貧しい村で片寄せあって、細々と暮らしてきた歴史がそういうDNAを作ったのだろう。
 それはともかく、先日元国際陸連会長・・・ラミールのことか・・・がパリ地検の取り調べに対し「私を起訴するなら電通も捜査すべきだ」と述べた。東京オリンピック誘致に関し、シンガポールの某コンサルタントを介してラミールとその息子に大金がJOCから振り込まれていた。そしてその背後にいたのが電通というのは周知の事実。この件に関し前JOC会長の竹田は何も説明せずに逃げてしまった。簡単に言えば「呪われた東京オリンピック」の一つの側面が明らかになりつつある、ということだ。これが今度の東京都知事選に影響するかどうかも分からない。というよりコロナの影響で来年オリンピックが開催できるかどうかもわからないのである。
 東京オリンピックだけではない。25年大阪万博だって怪しいものだ。大阪万博招致に当たって、大阪市はパリに出先事務所を置いて招致活動に当たった。その経費人材を派遣したのが実は関西電力という会社。関電という会社を通して相当額のマネーが国際万博協会に流れた、というのはあながち穿った見方ではない。
 関電という会社が如何に権力に弱く金銭にルーズなのは、先ほどの高浜エムさん騒動や、関電役員報酬のバック規定を見ても明らかである。大阪万博協会の幹事会社は関電。パリに作った大阪府万博招致事務所の所長も関電からの出向で、多分経費も関電から出ているのだろう。万博招致で大阪府・市からアウンの呼吸で頼まれれば、断れずにナントカした可能性は高い。大阪市の松井は関電を告訴すると息巻いているが、もし司直の手が入って関電の経費の出入りがみんなあからさまになれば、一番慌てるのは大阪市・府と維新だろう。
 そもそも25年万博招致では大阪市は後手に回っていた。むしろパリやバクーの方が有利というのが下馬評だった。ところが一発逆転で大阪になった。その時の松井のうすら笑いを浮かべた満足げなドヤ顔、使った裏の手が上手くいったと云わんばかりだった。
*江戸時代、「萩」なんて町は人口、GDPは大阪でいえば住吉村ぐらいのもの。今でも大阪市住吉区の方が萩市より大きいだろう。
(20/06/21)

 Covid19騒ぎで夏の甲子園が中止に追い込まれた。オリンピックだけでなく甲子園も当分中止した方が良い。何故なら両方ともイベント規模が巨大になりすぎ、目的がスポーツの普及という本来の理念から外れ、事業を継続すること自体が目的化してしまっているからである。中生代末の恐竜のようなものだ。
 本日ネットで面白い記事を読んだ。著者はデンマーク人女性で母国語の他英語、フランス語、ドイツ語に加え日本語も操れるマルチ才能。そのマルチ言語力を生かそうと日本の旅行代理店に就職したが回されたのは国内営業で、やらされたのが日本語方言での電話応対だが、日本語方言などさっぱり分からない。当たり前だが、筆者でも山形弁や岩手弁などさっぱり分からない。広島弁だと、下手すりゃ喧嘩だ。
 この会社では新入社員のスキルは無視して、とにかく新入社員の教育順序。要するにどんな才能、キャリアの持ち主でも雑巾がけから始めよ、というのがこの会社のモットーらしい。確かに日本の会社にはそういう傾向が強い。筆者も大学できちんとした地質学を学んできたのにも関わらず、最初にやらされたのがボーリングの助手とか、担ぎの手伝い。まったく人を馬鹿にして居る。結局彼女はその会社を辞めて外資系企業に行っちゃった。この例のように、日本企業の最大の欠陥は、経営者が社員あるいは入社希望者のスキル・能力を、正しく把握・評価できる能力を持っていないことである。
 ここで見られるのが、日本企業に於ける「体育会」系体質である。理屈も何もなくルールを一方的に押し付け、それに適応できるものは残り、出来ないものは去る。この結果生まれるのは、上意下達の組織硬直化とパワハラ。外より上司の意向を伺う内向き忖度組織。これを実践sて来たのが体育会系。そしてマスコミがやれファイト、やれ純真なアスリートと美化、持ち上げた。
 これもいきなり生まれたものではない。去る1990年代、バブル崩壊ですっかり自信を無くした日本企業は、内部改革の一環として組織の効率化を図った。そして飛びついたのが、無理なことでも何でも言うことを聞く素直で且つ頑張りの効く体育会系学生の活用である。70年代の学生は一言二言多いから、上のいうことを素直に聞かない。かくいう筆者もその一人だったのだから人のことは言えない。その点体育会系は何でも「ハイハイ」と聞くから、経営者にとってこんな都合の良い人材はいない。
 しかしそこで得たものはなんであったか?素直であるが批判精神が育っていないからイノベーションは生まれず、自分の経験を絶対視するから生産性は低下する。生産性に関しては、日本は今や先進国では最下位ランクだ。これも教育レベルの低い体育会優先人事の所為だ。そしてその原点が甲子園高校野球。甲子園こそが日本をダメにしているのである。
 日本の経済力は世界から見て一周どころか二周ぐらい遅れている。これを打開するには、甲子園を後10年ぐらい中止して、古臭いアナクロスポコン老人*を追放し、理系中心能力主義社会に作りなおさなければならない。
 ドイツはとっくに日本を追い抜いてGDP世界第三位だ。その理由は、首相のメリケル**が元々核物理学者であったように、理系中心社会だったからだ。成蹊裏口入学や学習院コネ入学が首相、副首相を務めているような国では、とても太刀打ちできない。ここで甲子園など10年ぐらい休んで、頭を冷やした方が良い。
*筆者が学生だった頃の1960年代後半、世間で流行っていたは「巨人の星」や「明日のジョー」のようなスポコンマンガ。私はあれが大嫌いだった。そして作家の梶原一騎も大嫌いだった。未だ生きているのでしょうか?
**文系のアベの支持率が低下しているのに対し、理系のメリケルの支持率がかつてないほど上昇しているのは何故か?これは物事に対する理解力の差である。アベは細かい項目を逐一羅列することが丁寧な説明と勘違いしている。だから彼のテレビ会見を聞いても面白くもなんともなく、ただ退屈なだけである。そういえば瀬島龍三の回想録もただ退屈なだけの言葉の羅列だった。つまり何故そういう結論に至ったかの背景説明がない。一方メリケルは現状を説明し、将来への予測を述べ対策に至るプロセスを悦明する。これが科学のやり方だ。
(20/06/02)

 森喜朗がついうっかり「呪われた東京オリンピック」と口を滑らしてしまった。筆者は既に17年にこの言葉を本サイトで挙げている。とにかく国立競技場以来、揉め事、忌事の連続なのだ。オリンピック1年延期で呪いは解けるでしょうか?答えはNOです。何故なら古来より呪いは蓄積するもので、早くお祓いを受けなくてはならない。東京オリンピックは未だお祓いを済ませていない。お祓いとは、過去の禍のリセット、つまりこの世からの禍の追放である。この手段として用いられるのが犠牲=生贄。今のところ、関係者で生贄になったものはいない。最大の禍は石原慎太郎と猪瀬、そしてアベ晋三と小池百合子。みんなぴんぴんしている。だから呪いは解かれない。
 とりあえず決まった2021年東京オリンピックの呪いとは何だろうか?
1、首都直下地震
 大会前、あるいは最中の首都直下地震が起これば悲劇だ。多分オリンピック施設そのものは90%の確率で崩壊しないでしょう。しかし地震の経験のない国の選手のショックは大きく、みんな帰ってしまう。競技が成り立たないケースが多くなる。オリンピックではなくなるのである。
2、超巨大台風の関東直撃
 これも台風のない国の選手には恐怖だが、台風経路は事前に相当高い精度で予測できるので、事前に避難なり周知徹底しておけばあまり問題はないだろう。
3、新型コロナの再発
 これが」最大の呪いだ。なんとなく世間には1年後には大丈夫だ、なんて希望的観測が出ているように見受けられる。そんな保障は何処にもない。これから夏にかけて気温の上昇とともに次第に感染が沈静化するという見方はある。仮にそうだとしてもウイルスが死滅したわけではない。ただ眠っているだけだ。それが秋から冬にかけて目を覚ますおそれがある。それまでにワクチンや治療薬の開発が進む必要である。
 そこで面妖なのが中国の態度。今のところこのウイルスに関する免疫学的、遺伝子学的j情報を最も多く持っているのが中国。また中国は遺伝子大国でもあり研究能力は世界でもトップレベル。しかし中国からの情報発信が今一つなのだ。わざと情報開示を止めているのか?
(20/03/26)

 すったもんだの挙句の東京五輪一年延期がIOCバッハとアベ晋三との電話会談で事実上決まった。これは筆者が既に指摘していた通りの出来レース。多分アベの頭には初めから1年延期があった。それを自分から言い出せないから、周囲に言わせて何となくそういう空気を作り、雰囲気が固まった段階で自分が決断したというシーンを見せる。
 このやり方は大叔父の佐藤栄作の常套手段だった。なお森友学園で自殺した赤木氏のようなトカゲのしっぽ切りも栄作の得意技。晋三は岸・佐藤家に伝わる悪い遺伝子をそのまま受け継いでいるのだ。
 それはそうとこの決定は、オリンピック運動に将来の大きな禍根を残すだろう。そもそもこの決定(とは未だ言えない)はIOC理事会にも諮られていない。その中での、それも電話会談だということで、決定の正当性に疑問が残る。
 そもそも近代オリンピックは政治からの独立を理念として始まった。今回の件も本来はIOCと東京都、JOCとの間で協議決定すべきものを、いきなり政治(政府)との間で決めてしまった。それは何故なのか?ズバリ言えば、JOCにも東京都にも決断能力がなかったということである。その結果政府に決定をゆだねざるを得なくなった。逆に言えば開催時期という基礎問題でさえ、当該国政府に頼らざるを得なくなったほど、オリンピックが肥大化したということである。これはオリンピックの衰亡の始まるだろう。
 もう一つ問題は、そもそも当事者能力がないはずの首相との電話会談を、何故メデイアに公開したのか?これこそ今のアベ政権の政治戦略とリンクしたものだ。本日自民党は夏の都知事選に小池支持を打ち出した。アベにとってオリンピック1年延期は間違いなく、自分の晴れ舞台だ。この時党内から4選期待論が沸き起こるのを待っているのだろう。今回の1年延長は絶好のパフォーマンスである。
 では誰がこういう戦略を考えたのか?一般には今井直哉首相補佐官と云われる。その通りだろう。しかしその周辺には電通ージャニーズ事務所ーナントカ俊一のような日本芸能マフィアの介在もうかがわれる。
(20/03/25)

さて新型コロナウイルスで存亡の危機に立たされているのが国際オリンピック。やれ中止や延期やと外野はうるさいが、本当のところは現在のオリンピックシステム、それを作ったサマランチモデルが潰れかけているということだ。オリンピックのサマランチモデルとは、76年ミルウオーキー大会を最後に引退したブランデー時の後、IOC委員長になったアメリカ人サマランチ(名前から見るとイタリア系か?)が提唱したモデルである。
 従来のブランデージモデルが頑固なアマチュアリズム、言い換えればエリート主義だったのに対し、これはスポーツの大衆化、更にはオリンピックをエンターテインメントとしてビジネス化することだった。つまりオリンピックのショービジネス化。
 これが実現されたのが84年ロサンゼルス大会。ここで筆者がびっくりしたのが、カールルイスが星条旗をまとって場内を一周したことである。これを契機に各大会でも、優勝者が自国国旗を身にまとうことが流行になってしまった。オリンピックサマランチモデルとは、エンタメとビジネスというプラグマティズム、更にそれににナショナリズムが融合したシステムだったのである。特に90年ソ連・東欧崩壊はナショナリズムのウエイトを大きくしてしまった。
 プラグマティズム+ナショナリズムの融合というシステムはオリンピックの巨大化を招き、その陰でスポーツビジネスという経済分野を産み出した。その最大のイベントがオリンピックなのである。これは21世紀以降は国家の支援なしでは開催できず、それも大国でなければ招致出来ないレベルまでなってしまった。石原慎太郎は「オリンピックとは国威発揚だ」と云ってしまったが、そうなってしまったのである。
 ところがそのような巨大システムも、新型コロナウイルスという電子顕微鏡でしか見えないウイルスで崩壊しようとしているのである。サマランチモデルというのは、実は世界の経済も環境も一定レベルで安定していることで始めて実現できるのである。しかしそんな前提は極めて不確か脆弱なもの・・・言い換えれば手前勝手でいい加減・・・だということが今回の新型コロナ騒動で証明された。しかし未だ分かっていないものも大勢いる。
 新型コロナウイルスがここまで蔓延し、選手や競技団体が20年オリンピックの延期、中止を求めてもIOCは言を左右して態度を明らかにしない。その理由としてIOCの財政問題がある、というのが一般的な説明である。本当にそれだけでしょうか?筆者は背後にマフィアの介在を疑う。マフィアとの関係を最も疑われるのが国際陸連である。また、東京オリンピック招致であれこれ噂されたシンガポールの幽霊会社もその一員。マフィアはオリンピックに対し莫大な投資をしている。これが中止になればとんでもないことになる。山口組だって黙っていない。アベ晋三の「完全な形ので開催」というのはどういう意味か?アベ晋三の祖父岸信介と日本ヤクザのドンこと児玉誉士夫との関係は有名だ。東京オリンピックと日本政府との関係はマフィアとの関係で読み解く必要があるが、誰もそうしようとしない。うっかりやると命がやばいからだ。
(20/03/22)

 東京オリンピック1年延期をJOC委員の高橋(電通出身)がいきなり発言。政府も組織委員会も必死で打ち消すが、肝心のIOCは曖昧なまま。そこへトランプの1年延期支持発言。さてこの騒ぎ、なにか一連のヤラセのような気がする。
 まず今のアベ政権にとって、絶対に避けなければならないのはオリンピックの中止である。こうなると政権投げ出しも視野に入れなくてはならなくなる。秋開催はアメリカが反対するからダメ。アベにとって重要なことはオリンピックという大舞台に天皇・皇后を迎え、それを先導する晴れがましい役を演じることである・・・その最終目的はやっぱり大勲位か。。中止ではこの折角の晴れ舞台が失われる。
 五輪延期の場合、2年延期(22年夏)では総裁任期(21年9月)から見て無理だ。来年総裁選で石破総裁なんてことになるとトンデモナイ。無論総裁任期4期延長という隠し技はあるが、それでは党内が持たない。1年延期なら任期内に確実に収まる。てな思惑でヨメのアッキー(これも元電通)を通じて高橋に伝え、それからアドバルーンを打ち上げ、サンケイ他のアベ応援団メデイアで世論誘導を図る。。一方別ルートでトランプに1年延期案を流し、トランプからIOCに圧力を加えさせる。但しこの程度なら誰でも・・・ワタクシのような暇人でも・・・考え出せるレベル。
 電通にとって最悪の事態はオリンピック中止である。1年程度の延期ならなんとか取り返せる。トランプは元々オリンピックなど興味は無かったが、折角のシンゾーの頼みを聞いてやれば、また日本相手に上手い商売が出来ると踏んだのだろう。かくて日本はアメリカからまたも役に立たない高額兵器を買わされることになる。
(20/03/14)

 突然の東京五輪マラソン・競歩の札幌開催。事前に競技団体にも開催都市にも何の連絡もなくいきなりの決定通知だ。筆者はこのドタバタ劇を近代オリンピックの「終わりの始まり」と考える。脚本はアメリカメデイア業界、役者はバッハ以下のIOC委員だが、下手すぎてみていられない。
 まずIOCはドーハでの世界陸上の結果を踏まえ選手ファーストだ、と説明する。しかしこんな言い訳信用するものは誰もいない。いるとすればよっぽどの馬鹿だ。
 問題の始まりはドーハ世界陸上での 両競技に於ける大量リタイヤ事件である。そもそもこんな時期にアラビア半島の一角で陸上競技大会をやるという発想がまちがっているし、それを認めた世界陸連もどうかしている。おそらく開催国のアブダビに大金を積まれてそれに買収されたのだろう。
 選手ファーストを考えるなら、秋の10月か11月に開催すればよい。しかし国際オリンピック規約では何故か夏の7、8月。それは秋がアメリカのMBA他のプロスポーツイベントと重なるからで、これが決められたのは84年ロサンゼルス(=サマランチ)以降である。だから現在の7、8月開催が定着したのは初めからではない。オリンピックがサマランチのビジネス主義にの取られてからだけなのだ。
 ドーハの結果、20年東京五輪でもマラソン・競歩では有力選手の出場辞退が予想される。そうなればテレビの視聴率も下がるから、IOC最大のスポンサーであるアメリカテレビ業界が黙ってはいない。何とかしろとIOCに迫る。答えに窮したバッハ以下が出した下手な答案が札幌開催である。
 昔々、広島が長崎との共同開催を提案したことがある。しかしIOCは五輪は一都市開催が原則だ、としてこれを拒絶した。その結果がアトランタだったかバルセロナだったはずだ。つまり今回の決定はIOC自らが、自らの原則を破棄したことになる。
 原則が破棄されれば、後は漂流しかない。現在のオリンピック活動を支えているものは、前述のテレビビジネスを中心とする商業主義と、もう一つは国威発揚主義である。オリンピックに国威発揚を持ちこんだのは36年ベルリン大会でのヒトラーである。更に戦後シドニーからソ連・東欧が参加すると左翼国威主義が現れ、メダルの過半を東側諸国が獲得するようになった。それに対する反動がロサンゼルス以降で、特に88年ソウルでカールルイスがレース後、アメリカ国旗を担いで走って以来、どの国もその真似をするようになった。
 そもそも古代オリンピックの精神は都市国家間の対立をなくし、ギリシアという単一共同体の実現を目指したものだ。クーベルタンの理想はそれを世界規模に広めるものだった。この思想に立てば、国威発揚主義こそオリンピック精神に反するものである。
 ところが20年東京五輪を最初に言い出した石原慎太郎は最近、「オリンピックは国威発揚だ」などと言い出した。暗アアナクロのアホ死にぞこないのいうことなど無視すればよいが、これはかつてのヒトラーの考えそのものである。
 又東京五輪担当の橋本聖子は、早速他競技でも別開催ありを匂わすなど、早くも東京無視バッハすり寄り体制。都知事の小池のバックは二階俊博、聖子のバックは菅義偉。東京五輪を前に早くも二階vs菅のバトルが始まった感があるが、聖子にしてみれば次のIOC委員の座を狙っているのだろう。
 それはともかく、筆者は今のままでは近代オリンピックはいずれ消滅する可能性が高いと考える。その原因は
1、今後の地球温暖化
2、過度のスポンサーシップ依存性
3、過度の国威発揚主義とスポーツ団体の強欲
 である。
1、まず今回のIOC決定については、今夏の東京の高温化が根拠になっている。ドーハと変わらんじゃないかというわけだ。しかし元々東京は関西に比べ涼しいところで、昔は真夏でも30゜Cを超えることは殆どなかった。それがここ10年ぐらいで東京でも猛暑日が増えるようになった。しかしこれは東京だけではない。今夏、ヨーロッパでも猛暑に見舞われている。パリでは40゜C越え。モスクワでも30゜Cを超えている。
 これは地球全体の温暖化を表しているもので、今後もこの傾向が変わることはない、と考えるべきである。ということは将来に渡って、オリンピックのハナであるマラソン、競歩が北半球で行われる見込みはないということだ。
2、それなら開催時期を秋にずらせばよいではないかと考えるのは当たり前。それが出来なくしているのが現在のオリンピック規約だが、これが出来たのはロス以後のアメリカテレビ業界の要求を入れたから。つまりIOCやバッハは選手ファーストと綺麗ごとを言うが、実態はスポンサーファーストなのである。
3、現在のオリンピックの大きな問題に規模の肥大化がある。この原因の一つに開催国(都市ではない)の国威発揚主義がある。何をもって国威発揚とするか?一つはメダル獲得数であり、もう一つは巨大な競技施設である。
 オリンピックでメダルを増やす一番手っ取り早い方法は、競技種目を増やすことである。陸上や水上のような伝統競技は欧米先進国が優位だが、数で優る途上国が目を着けるのはこれだ。IOCだって途上国の要求を無視出来ない。かくて種目は延々と増え続ける。中には聞いたことがないのも多い。当にパーキンソンの法則だ。
 もう一つがスタジアムの巨大化である。例えば収容人数数慢人規模が必要とされる協議がある。何故必要かというと、これが国際基準だからという。ではその国際基準がどうして作られたかというと、誰も分からない。実際競技が始まってからをみてみると、実はスタンドはガラガラだったりする。それどころか、入場式や修了式でも空席が目立つ。それでもチケットは完売だ。そえもプレミア付きでだ。つまりチケットの空売りが行なわれているのだ。そしてその差額が競技団体幹部の利権になっているのである。
 このように現在のオリンピックは、アメリカテレビ局の都合と各競技団体の利権でがんじがらめになっている。決して聖域ではない。そして進化論的に考えると、それが行き着くところ消滅という末路しかない。
 現代地質学では、白亜紀末の恐竜の絶滅は小惑星衝突が直接の原因ではなく、その数100万年前から恐竜という種は絶滅に向かっていたという考えが主流である。その原因は恐竜が温暖な白亜紀という環境に過剰適応した結果、個体の巨大化を招いた。しかしこれは逆に種の劣化をもたらした。要するに餌が十分とれなくなるのである。そして始まるのが共食いである。
 ロサンゼルス以降のオリンピックの巨大化はグローバル経済という環境に過剰適応した結果と考えられる。巨大施設整備にかかる費用は開催都市だけでなく開催国の経済をむしばみ、資本の劣化をもたらす。これは国家の分断に繋がり、最終的にはオリンピック招致都市(国)はいなくなる。更にこれに温暖化という地球規模の環境変化が追い打ちをかける。これにはIOCも手出しできない。つまりオリンピックの消滅である。
 ではどうすればよいか?上記三点の内、IOCが直接決定できるのは2、スポンサーシップとの関係見直しだけである。それをやればよい。どちらが強いかの問題だ。バッハは悪党ではない頭が悪くが頼りない。だからスポンサーの言いなりになるのである。スポンサーを降りてもらっても構いませんよ、というハッタリをかますぐらいでなきゃ駄目だ。
(19/10/19)

 昨晩NHKを見ているとマラソンのMBC前座番組をやっていた。その中にマラソンの距離測定というのがあった。見てみると自転車(多分方向センサー付き距離計付きか)三台が、何度も走りなおして距離を実測するらしい。見ていてJOCというのはなんという原始的なことをするのか、やっぱり体育会系の頭はゴリラ並みと感じてしまったのである。
 距離測定など専門の測量会社に任せれば直ぐにやってしまう。直線区間では光波を飛ばせば距離は直ぐに出てくる。曲線区間でも道路が線形を持っていればEC、BCとパラメーターを確認すれば距離など、一々測量しなくても直ぐに出てくる。現地では細かいところをチェックすればそれで済む。自転車による実測など何度繰り返しても数10p,場合によっては数mオーダーの誤差は出てくる。それに比べ筆者の方法では誤差は数pから数ミリオーダーで済む。しかも測定データは全てコンピューターで処理されるから後からのチェックも容易。何故IOCや国際陸連はこういう方法を標準化しないのでしょうか?
(19/09/15)

 今話題の忖度発言は、当事者の塚田の副大臣辞任で決着しそう。それより筆者が注目したいのは、イチローの国民栄誉賞辞退である。聞けば今回で三度目らしい。今度こそは狙った菅やアベこそいい恥さらしだ。これがJOCのオリンピック強化金を使って金メダルを取った選手なら、ネトウヨから猛攻撃にさらされる。ところがイチローにはそれが出来ない。理由は彼がプロで、おまけに主にアメリカで活躍しているからである。同じプロでも王・長嶋は日本国内選手だから、政府の申し出を断れないだろう。
 しかしイチローの主戦場はアメリカである。本人としては、アメリカに貢献はしているが日本に貢献したつもりはない。だから日本からの賞を受けるわけにはいかない、ということだろう。これはこれで筋が通っている。
 彼は既に20年もアメリカで暮らしている・・・その割に英語が一向に上手くならないのは何故か?松井も結局英語が喋れなかった・・・ので、やはり感覚がアメリカ的になるのだ。メジャーに比べれば日本の賞など取るに足らないということだろう。実をいうとこういう感覚の日本人がもっと出てこなければダメなのだ。日本ファースト、元号も日本古典から出ないとだめだという総理大臣とか、それにへつらう学者が幅を利かすようでは日本は駄目になる。
(19/04/05)

 JOCの竹田がやっと辞めますが、いかにも王朝貴族らしい往生際の悪さだ。この件、東京オリンピック招致に関し元国際陸連会長デイラク親子への贈賄容疑が発端。竹田は知らぬ存ぜぬを通すが、この親子にコネを作るためには相当のマネーが必要なことは業界の常識。それを18年もIOC委員をやっていた竹田が知らぬわけがない。
 無論竹田が自ら工作を指示したとは言えないが、問題は間に入ったシンガポールのブラックタイデイングというコンサル会社。これにン億という金が渡っている。この会社、実態は殆どないペーパーカンパニーらしい。そしてそこに介在するのが電通。これがブ社とJOCを取り持った。
 そこで勘ぐられるのが東京オリンピック利権とアベ政権との関係。アベ嫁のアッキーは元電通社員。電通は知る人ぞ知るアベ派会社。東京五輪招致の御褒美かどうかしらないが、現在自民党の選挙PRを一手に受注し、博報堂など及びもつかない。改憲国民投票で、自民党は報道の自由を盾に野党の猛反対にも拘わらず改憲のテレビコマーシャル解禁を主張。もしこれが解禁になれば、自公解禁派のPR予算が電通にどっと流れ込むことになるから、こんなおいしい話はない。
 それだけではない。メインスタジアムである国立競技場始め、主なオリンピック会場建設工事で見え隠れするのが大成建設。確か沖縄辺野古基地造成工事のプライムも大成ではなかったか?大成もスーパーゼネコン4社の中では後発で、かつて田中ー竹下派が建設業界を仕切っていたころは、むしろマイナーだった。ところが風が変わって竹下派が凋落すると、とって変わったのが細田派。大成の逆転勝利だ。ということは、アベ一族に巨大利権が舞い込んだことに他ならない。汚れた五輪の象徴が竹田だった。
 東京五輪関連工事がほぼ終わった時点で、アベにとって竹田はもう役目が終わった。利用できるときは徹底的に使うが、それが済めばポイ捨て。これが山縣有朋以来、長州のやりかただ。
 なお今回の問題は、JOCが竹田一人に18年も会長を任せていた日本スポーツ界の体質が原因。女子体操はじめ様々な問題が最近明らかになってきたが、これらの原因はみなこの日本体育界の無責任体質によるものだ。だから私は体育会系が嫌いなのである。
(19/03/20)

 橋本聖子が驚き発言。自民党議員で元五輪メダリストの橋本聖子が支持者相手の講演で池江璃花子の白血病について「神様が璃花子の体を使って私たちを試している。・・・今のスポーツ界はガバナンスやコンプライアンスとかで騒がれているが、こういう小さいことは抜きにしてもっと大きな目標に向かって進もう・・」。
 桜田発言以上の問題発言だ。ガバナンスやコンプライアンスが邪魔ならドーピングもOKだ。それ以上の大きな目標とは何か?それはメダル以外のなにものでもない。つまり池江はそのための犠牲だといわんばかりである。こんな発言を五輪主催国の責任ある政治家がしたのだ。IOCもびっくりだろう。
 聖子の主張をそのままに受け取れば、しばしば問題にされる部活の過剰指導・・・最悪の場合、部員の自殺に繋がる・・・や日大アメフト違法タックル、アマチュアボクシングでの違法行為も、全てメダル・・・つまり集団の名誉・・・のために肯定されることになる。
 そしてこれは今も残る靖国思想・・・少々の犠牲は皇国の理想達成にはやむを得ない・・・という独りよがりにして非科学的思想に繋がるのである。
(19/02/17)

 池江瑠花子の白血病発表で、桜田五輪担当相ががっかり発言。あれのことだからこれぐらいは言うだろうと思っていたから別に驚かない。逆にこんなのを大臣に据えているアベ晋三の強晋三に驚く。要するに桜田というのは田舎の土建屋あがりで、物事をトン幾ら、立米幾ら、この工事をやるのに重機が何台いるかという発想しかできない。つまりトップアスリートであっても、彼の眼では重機の一台に過ぎない、池江はその中でも性能が優れていただけで、それが故障したからがっかりなのである。
 しかしこれは彼だけの問題か?オリンピックとなると、常に出てくるのがメダルがいくつ採れるかだ。これによってスポーツ予算も決まる。メダル数に関心が合あるのは、役人・政治家だけではない。当のマスコミも一緒になって騒ぐ。我らが内なる桜田を忘れてはならない。
 なおこのメダル問題がある限り、例の竹田疑惑は限りなくブラックに近いグレイ。彼はコンサル委託費が例の国際陸連会長親子に行っていたことは知っていたはずだ。仮に直接指示はしなくても黙認した。それだけで有罪となった例もある。かつてのニュルンゲルグ裁判や極東軍事裁判である。
(19/02/13)

 随分昔の話だが、中国からの畳表に使う萱の安値輸入に手を焼いた岡山県水島地方萱農家の要求で、中国産萱の輸入を規制した。ところが中国政府は日本からの自動車部品の輸入を制限。結局は日本側の大損だ。おそらくこの岡山萱農家団体はそれなりの集票組織をもっていたのだろう。
 それと似たような状況がイギリスで起こった。日本のIWC脱退(=商業捕鯨再開)に抗議して、反捕鯨団体が大規模デモ。彼らの主張は東京オリンピックボイコットだ。これは日本政府がIWC脱退を決めたとき、外務省から懸念されていたことで、突然起こったものではない。
 欧米豪での反捕鯨運動の広がりは、日本で思っているほど小さなものではない。クジラは他の環境・生態と繋がっているのだ。つまり反捕鯨運動は、環境保護運動のシンボルのようなものになっている。
 こんな状況下で、うっかり捕鯨賛成なって言うとたちまち袋叩きだ。逆に反捕鯨活動をすると、それに追随するものも現れる。誰かスター選手が反捕鯨(=東京オリンピックボイコット)なんていうと、それがあらぬ方向に広がる可能性がある。だから、国際的反捕鯨活動の動きに油断してはならないのである。
 こうなるのも四月統一地方選という目先の問題に、太地や下関などの僅かな捕鯨漁民の票をあてにするなどという、せこい発想が原因である。いかにも和歌山や山口の田舎者が考えそうな料簡の狭い話だ。
(19/02/07)

 こちらがゴーン事件で騒いでいると、いきなり東京五輪招致活動に関する贈賄疑惑で、フランス検察庁がJOCの竹田会長を起訴したという報道。これをゴーン逮捕に対する報復だ、という見方もあるが筆者はそれは採らない。似たケースにフアーウェイのモウをカナダ政府が拘束した件がある。逮捕直後、中国政府がカナダ人数人をスパイ容疑で逮捕した。モウは元々解放軍や共産党との関係が深く、多くのことを知りすぎている。拘束が長引けば、モウからいろんな情報が漏れ出すかもしれない。それを防ぐにはモウの保釈を急がせる必要がある。だからカナダ人を人質にとったのである。
 それに比べゴーンがフランス政府の重要機密を知っているとは考えられない。またゴーンはフランス国籍は持っているが元はレバノン人だ。ゴーンは99年から日本に行っているが、マクロンは昨年大統領になったばかりだ。ルノーにもゴーンにも、日仏関係悪化というリスクを冒してまで庇う義理はない。
 オリンピック誘致に関しこの種のスキャンダルが付きまとうのは別に不思議ではない。理由はオリンピックがあまりに巨大なビジネスになったからだ。中でも国際陸上連盟にはとかく噂が絶えない。オリンピック招致に関し、裏でン億程度の金が動くのは当たり前なのだろう。
 では25年大阪万博はどうでしょうか?万博決定後大阪府知事の松井は決定結果に舞い上がって、「中身なんか何にもない」「風呂敷を広げるだけ広げたから、これから中身を考えていく」と、なんとも無邪気というか無責任なコメント。更にこれに続けて「あちこちに働きかけたおかげや」と、このアホ云わんでもいいことをペラペラしゃべってしまった。万博誘致にあちこち爆弾をばらまいたことを、自ら暴露したようなものだ。
 なお、この1、2年、アベは頻繁にアフリカや中南米に出かけ、経済援助のバラマキをやってきた。その目的は中国の進出をけん制することもあるが、万博誘致で鍵を握る途上国を買収し、「大阪維新」に恩を売って改憲に持ち込もうという、一挙両得買収作戦。万博よお前もか、だ。
(19/01/12)

 象の体に鮫の脳みそ現代のテイラノザウルス森喜朗が、東京オリンピックをダシにしてぶち上げたサマータイム構想が、自民党であっさり否決されそうな模様。反対したのは頻繁なシステム変更(毎年、年2回変更しなくてはならない)を余儀なくされる鉄道・航空各社や金融業始めグローバル産業(この中にはIT産業も含まれる)からの反発が大きかったのだろう。アベノミクス最大の支持母体である経団連からそっぽを向かれりゃ、いくらアベや森でも引き下がざるを得ないのだろう。どうしてもやりたければ、日本経済を江戸時代型鎖国経済に戻さなくてはならない。そんなこと出来ますか?
 経団連といえば、問題がもう一つ。川重やニッサン、富士重工などのデータ改竄問題も頭が痛いが、このほど三菱電機が裁量労働制対象1万人に対し、同制度の廃止を発表した。原因は対象者から自殺者や精神障碍者が発生し、労基から社名発表と脅されたから。また、対象者の多くは、三菱としては今後の社運を賭ける、ITやAI関連技術者だからことは小さくはない。
 裁量労働制はサマータイムと異なり、アベノミクスの眼玉である「働き方改革」の、そのまた中心をなすもの。又三菱電機は三菱グループの名門企業であり、経団連の中核企業の一つでもある。そもそも裁量労働制は経団連の方からアベ政権側へ陳情したもの。その大本である経団連企業がこれを止めたのでは、政権としては示しがつかない。大恥もいいところだ。だから官邸筋はこれは特定企業の例外的なものだ、と強弁するだろうが、世の中そう甘くはない。三菱さんがそうならうちだってと、追随する企業が出てくる可能性もなきにしみあらず。哀れ、裁量労働制もそのうち有耶無耶で消えてしまうのか?これにつれてアベ政権も。
(18/09/29)

 今回の平昌オリンピック。寒さと強風でスケヂュールが遅れたり、選手もいつもの力が発揮できずと大荒れ模様。これは今年の冬は北極寒気団が北大西洋の温暖化に押され大陸側にシフトしたためと云われる。つまり寒気の極がユーラシア側に移動したのだ。根本原因は地球温暖化ということになる。てなこと言われても、10数年来の豪雪と寒気に見舞われたコッチにはなかなかピンとこない。
 この寒気団が朝鮮半島では強風を作り、そこで発生した低気圧が日本海を横断する過程で猛発達し、日本列島の特に日本海側に豪雪をもたらすのである。この現象は韓国だけの問題と思ってはならない。二年後の東京オリンピックには記録的猛暑として襲い掛かってくるだろう。暑さで選手はバタバタ倒れ、競技どころではない騒ぎがおこるかもしれない。特にマラソンがやばい。
 温暖化が更に進めば、地球上でオリンピックを開ける都市がなくなるかもしれない。
(18/02/15)

 東京の中小企業が合同でジャマイカから受注したボブスレー用そり(通称「下町ボブスレー」)が、側納入直前にキャンセルされた。理由はあきらかではない。これに対しホリエモンは買うか買わないかは顧客の勝手でジャマイカに問題はない。「下町ボブスレー」なんてノスタルジーに浸っているのが間違い」とけんもほろろ。この男、よっぽど下町とか職人というのが嫌いらしい。差別されるものはより弱いものを差別するといわれるが、この男過去に下町から差別されたことがあったのか?
 さてこの件、事件の経過を見ると不自然なことが多い。それは実はオリンピック利権に繋がる疑惑である。先ずジャマイカがギリギリになって一方的にキャンセルして理由も明かさないというのがおかしい。どこかから圧力が加わったのだろう。もともとボブスレーそりはヨーロッパやカナダの航空機メーカー(例えばボンバルデイア)の独占である。彼らは独自のカルテルを組んで市場を独占している。そこに日本のよく 分からない製品が入ってくると独占システムが壊れる。そこでj排除の論理が働いてジャマイカに圧力を加えたのだろう。無論このカルテルが直接やったとは限らない。競技連盟や国際五輪員会がカルテルの意を忖度して、ジャマイカ五輪委員会に圧力を加えたと考えられる。
 このようなオリンピックを利用したスポーツグッズの独占カルテルは、そりだけではなくウエアやシューズ、スキーやスノーボードなど大きな市場を抱える競技にはつきものである。カルテルを作る商品がオリンピックに採用されれば莫大な利益が発生する。そこには当然利権が伴う。この利権は国際オリンピック委員会や各競技団体に転げ込むのである。行ってみれば一種のオリンピックマフィアと言えよう。
 今回の「下町ボブスレー」はオリンピックマフィアの政治力の一端をみせつけただけだ。これを単なるビジネスの話としか見えない、ホリエモンというのは全く頭が悪い。そして物事が見えていない分かっていない、目先の儲け話しか関心のない単細胞人間ということである。
 なお、このオリンピックマフィアは当然2年後の東京オリンピックに照準を合わせて暗躍しているだろう。
(18/02/08)

 新国立競技場建設工事で、下請け会社の社員が過労自殺。全く呪われた「東京オリンピック」だ。下請けと云っても、この工事はJV受注。メインは大成、サブは何処だか忘れた。自殺者はサブコン社員だったのだろう。
 JVと云ってもメインとサブとでは天地ほどの差がある。特に建築はすごい。サブの社員は奴隷並みに扱われる。ところが、別工事でサブとメインが逆転することがある。そうなると報復が始まるのである。土木、中でもトンネルは、割合仲良くやるのだが、明かりほど差がきつくなる傾向がある。
 それは別として、東京オリンピックの呪いは、未だ終わったわけではない。現在工事中の新東京国立競技場は隈案をベースに、森林をモチーフに、木材を多用する設計になっている。それは現代的なコンセプトなんだろうが、木材建築の最大の弱点は火である。
 例えば完成目前にどこかから火が出て、それが全体に燃え広がる、なんてことはないとは言えない。無論、それにはスプリンクラーとか放水設備で対応します、という答えが返ってくるに違いないが、本当に大丈夫か?そんなことが起こったら、それこそ「呪われた東京オリンピック」の極みだ。今回のサブコン社員自殺事件を見ると、どうも工程優先で、安全管理がお粗末という感がぬぐえない。
 「呪い」の原点はなにか?というと、それは人間の欲望が限界を超えた時に神の怒りをかうことだ。例えば原案設計者のザハは、とてもじゃないができない設計案を作って自分の名を残そうとした。400mのキールアーチを2年や3年でつくるなど魔法でも使わない限り無理だ。イスラムでは魔法の使用は禁止されている。それがアラーの怒りをかったのである。その他オリンピック誘致に奔ったシンタローとその子分の猪瀬、その後継者を争った舛添他、東京オリンピック関係者はみな不幸な目にあっている。それは、オリンピックを自分の権力拡大に利用しようとしたからである。まだまだ続く「東京オリンピック」の呪い。
(17/07/21)

 マクドナルドが突然東京オリンピックスポンサーシップ撤退を表明。豊洲問題をなんとか中途半端方針で決着・・・この方針は必ず将来に禍根を残す・・・付けて、やっと一安心の小池にまたも難題。
 IOCはインテルとの交渉を行うとしているが、インテルは完成品メーカーではない。PCマニアでもない一般消費者が、インテル製品を直接買うことはほとんどない。そういう意味でオリンピックスポンサーのメリットは低い。さて本気でしょうか?
(17/06/17)

 さて先日から参院で審議に入った「組織犯罪共同謀議罪」。アベは趣旨説明で、東京五輪実現のためには是非必要だ、と説明。なんでこの男ボキャブラリーが足りないというか、頭が悪いというか、そんな馬鹿説明で世の中が通ると思っているところが、所詮成蹊裏口入学レベルなのだ。
 この論理なら、この法律は東京五輪がなければ必要はない、あるいは終わってしまえば廃止してもよいということになる。しかし与党・官邸にそんな気はないはずだ。つまり共同謀議罪と東京五輪とは何の関係もない。
 そもそもは国際犯罪【テロ、マネーロンダリング)に関する国際情報共有条約に加盟するためには、日本の現行法では隙間が多すぎるる、という懸念が昨年の伊勢湾サミットで、各国首脳から出されたため、アベが慌てて法整備を急がせた、というのが発端だろう。
 ところがアベも法律の細かいところは分からないし、官邸のスタッフもお粗末だらけ。とりあえず、項目だけ列挙したのが今回の法案という訳だ。にわか作りだからみんな分かっている人間はいない。金田法相の無能を叩くのは勝手だが、多分誰も判っていないのだ。
 但しこれに悪乗りするのはいる。それは公安と防衛省それと経産省だ。かれらの狙いは、この法律で原発反対派や沖縄基地反対派を一網打尽に出来ることである。
 共同謀議罪の手先に使われたのが東京オリンピック。昨日担当相の丸川は、費用負担については大筋合意を得たと発表したが、実は具体性は全くない。特に周辺3県の費用負担分は全く見通しがたっていない。そして本日昼のTBSワイドショー。ゲストスピーカーは専門家と称する、体協の鈴木友幸とか云う専務理事。この番組に登場する専門家と云うのは、実際には専門家には程遠いシロートが多い。この鈴木と云うのも、その例に漏れないろくでなし。
 彼曰く、当初は東京オリンピックと云っていた、今やオーるジャパンだ、と言い出す。オールジャパンと言い出したのは、小池百合子。つまりいざとなれば国・・・つまり一般国民・・・におねだりしようという、あさましい魂胆。この鈴木という、顔を見るとねずみ男そっくりの木っ端役人上りが、その地ならしをやろうとし、その先棒を担ぐのがTBSというアホテレビ局。そしてそれにうっかり乗ってしまうのが日本国民と云う於保豊志集団。間違いなく後にオリンピック税なり新税が現れます。そしてそれは25年誘致を期待4させている大阪万博にも引き継がれる。
 何故いつの間に日本人は自助努力という民族特有の能力を失ってしまったのか?二宮尊徳翁が示したのは他者に頼らず、自力で飢饉を乗り越えよということだ。
(17/05/31)

 東京五輪。バレーボール会場が有明に決まって、これで小池は2戦2敗。森喜朗や都議会自民は溜飲っを下げたつもりだろうが、世の中そう甘くはない。来年には都議会選がある。またアベが解散総選挙に打って出る可能性もある。その場合、都議会自民は大敗する可能性がある。少なくともそお可能性を、森や自民が作ってしまったのだ。
 それはともかく、昨日BSフジプライムニュース。ゲストスピーカーに松波健四郎がいた。なんでこの男、こんなに頭が悪いのでしょうか?健太も親戚らしいから、頭が悪いくなるDNA でもあるのでしょうか?何が頭が悪いかというと、問題の本質が全く分かっていないということだ。テーマは高騰する五輪経費とその負担。松波曰く「2兆や3兆は東京都にとって大きいかもしれないが、日本全体でみれば大したことはない・・・中略・・・ここは是非森会長に頑張って頂いて予算確保を」と。要するにもっと国民から税金を巻き上げろ、というわけだ。
 松波はかつて国会議員だったから、国の予算構成を見ていたはずだ。その目から見れば、2、3兆円は決して少ない額ではない。それと重要な点は、運営経費削減を要求したのは日本側ではなく、IOCだ。IOCの本音は、東京でこんな巨額経費が必要となれば、今後五輪誘致にてを上げる都市がなくなってしまう。現に24年候補では、立候補都市が次々脱落し、今はパリだけが残っているパリだって今後どうなるかわからない。そうなれば近代五輪の終わりだ。
 それを森喜朗や松波健四郎(ついでに言えば大八木淳史も)分かっていない。つまり何かねだれば、金は天から降ってくるとでも思いこんでいる政局バカ、経済オンチ、道楽息子だ。何故かみんなラグビーやレスリングという格闘技系に偏っている。こういう道楽息子にスポーツ界を任せていると、その内国民から見放され、日本スポーツは壊滅することになりかねない。だからこういうアホは、さっさとこの世から追放しなければならないのである。
(16/12/22)

 混乱を極める東京オリンピック会場問題。誰がこの種を撒いたのか?小池か、森かそれともシンタローか?どっちでもよいが、昨日の四者会談。担当大臣の丸川は一言もしゃべらない。そういえばこの女、かつての6ch「テレビタックル」でアシスタントで出ていたが、一言もしゃべらない。何か云った記憶がない。こんなのに給料払うテレ朝は余裕があるなあ、と感心した記憶がある。誰がこんなのを議員にひっぱりだしたのか?
 しかしこの女、あるところでは余計なことを口にして、世間のひんしゅくをかっている。世間にはしばしばこういうのがいる。いわゆるKYだ。ずばりこれこそ税金泥棒というのである。西の上西、東の丸川。税金泥棒の東西横綱だ。
(16/11/28)

 IOC会長にまで、「いつまでも揉めていると、会場を韓国に移すぞ」と脅されて、みっともないったらありゃしない、のが東京オリンピック組織委員会。一番ダメな恥さらしは、担当大臣の丸川だろう。ドン森とメギツネ小池に睨まれて、どうしてよいか分からず、右往左往するばかり。後見役を任ずるアベも気が気じゃないだろう。しかしこのタネをまいたのも実は本人自身だったのだ。
 今話題はボート・ヨットレース会場である。候補は3会場あるが、その詳細は既にメデイアで散々報道されているので、省略。筆者はスポーツ評論家でもなければ、競技の専門家でもないから、どれが良いというのは分からない。しかしエンジニアの目で見れば、最悪は「海の森」である。
1、レースコースは東京湾中の、二つの人工島に挟まれた運河である。つまり正真正銘の海である。海水は淡水に比べ、ボートやオールの抵抗が大きくなるから、選手にとって負担が大きく、タイムも伸びない。海ということで果たして海外の一流選手が参加するか?
2、運河の両端に堰を設け、これによって波浪の影響を防ごうというわけだ。都はこの堰は将来防潮堤として利用できるというが、両端が海に繋がっているようなところで、防潮堤もなにもないものだ。それどころか、オリンピックが終われば、海上交通の邪魔になるから撤去しろと言われかねない。全く無用の長物。
3,両岸は平地だから、仮設スタンドは、地面から垂直に立ち上げなければならない。高さにもよるが、仮設どころでは済まない構造物になるだろう。
4、地表面の盛土ではなく、その下の埋め立て土は何で出来ているのか?豊洲と同じゴミだ。するとこの中にも有害物質が含まれている可能性は大。東京都はその調査や対策をしているのか?もしレースの海水に有害物質が含まれておれば、レースそのものがおじゃんだ。
 というわけで、「海の森」案はいいところは一つもない。誰がこんな案をかんがえたのか?愚の骨頂。その点長沼や彩湖は、自然の淡水湖だから1や4の問題はない。又両岸に堤防があるから、この傾斜を利用すれば、仮設も容易。つまり3もクリアー。だからこの2案の中か絞ればよいのである。しかしそうはならなかった。何故か?筆者がざっと見たところ、長沼・彩湖の整備は、たいして技術力も要らないから、地元業者でも対応できる。つまり大手ゼネコンの出る幕はない。仮に受注したところで、全く儲けにならない。ゼネコン目線で考えれば、役立たずの堰堤を2箇所も含む「海の森」案が一押し。それに押されたのが、現アベ政権というわけである。
 そもそも東京オリンピックをぶち上げたのは、石原シンタロー。08年頃のことだ。彼は五輪経費を約7000億と見積もり、世間を安心させた。これと同時並行で動き出したのが築地市場の豊洲移転。最初の世間の反応はいささか冷ややかなものだった。後継の猪瀬は、東京五輪を掲げて都知事選に圧勝した。しかし当時政権にあった民主党は冷淡だった。風が変わったのは12年政権交代以後。
 13年東京五輪招致が決まると、世間は五輪一色になってしまった。このとき猪瀬はアベに五輪支援を要請。アベも快諾し、かくして東京五輪の公共事業化が確約された。ところが 翌14年に新国立騒ぎが起こり、これに輪を」掛けたのが、組織委員長ドン森の総費用3兆円超発言。これで世間はびっくりし、シンタローの話は嘘だったのか、というわけで今の騒ぎにつながっているのである。
 ではアベが東京五輪支援に動き出したのは何故か?それはアベノミクスに、五輪を取り込むためである。アベノミクスは大きく三本の矢からなる。三本目が経済の自律的(安定成長である。ところがそのネタ()起爆剤)がない。当面は東北復興という無駄投資でなんとかしのげるが、あとが続かない。そこに飛び込んできたのが、東京五輪である。これを食い物にすれば、数年は政権は生き延びられる、てなもんだろう。この場合、大事なことは無駄を作ることである。そういう目でボート会場3候補地を眺めれば、一番経済効果があるのが「海の森」、あとは効果なし、というわけだ。
 しかし、大事なことを忘れてはならない。大事なことはアベノミクスという大きな歯車があり、その中に東京五輪という中間歯車がある。ボート会場など、その中の小さな歯車にすぎない。現在、肝心のアベノミクスが空回りしているから、その中の東京五輪もボート会場も、空回りするのは当然。これというのもアベ晋三という小僧が、何でもかんでも自分でやりたがる長州人だからである。空回り一番の原因はアベ自身の空回りである。
(16/10/19)

 ワタクシはオリンピック中継など殆ど見ないが、それでもテレビのワイドショーやニュースでは、いやでも見なくてはならないことがある。そこで最近気になっていたのが、観客席の空席である。リオでもロンドンでも、開会式でさえ空席が目立った。実際の競技・・・特に野球や女子ソフトボールのようなマイナー競技・・・では、ガラガラだ。しかし、チケットはプラチナカード並みでなかなか入手できない。さてこれは何故かと考えていたのだが、一つの可能性として挙げられるのが、チケットの空売り・・・つまり横流し・・・である。
 各競技団体はチケットを大量販売して収益を得る。これがアメリカのテレビ事業者とタイアップしてますます増大する。その挙句が競技場収容数の過大要求である。おまけにこれが、いつの間にか国際基準になってしまう。その結果、主催都市は過大な競技施設を作らなくてはならなくなり、それが都市の負債に残ってしまう。
 てなことを考えていたら案の定、IOCのアイルランド人理事が、チケットの横流しでFBIに逮捕されたというニュース(CNN)。フランス検察庁やアメリカFBIに比べ、日本の検察は、この種の問題に対し、鈍感というか臆病だ。民事不介入という原則はあるが、スポーツ・文化分野にも、今や莫大な国費・工費が投入されている。立派な公共事業なのである。まさかドン森喜朗におびえているわけでもあるまいが。
(16/10/17)

 小池東京五輪事業見直しで、突如浮上したのが宮城県長沼。長沼は宮城県北部仙北平野鳴瀬川の流域にある。この辺りは「旭山向斜」という、南北に軸を持つ活褶曲帯にあたる。要するに、この辺りの基盤岩は東西からの圧縮で、緩く凹状にたわんでいる。その軸部に水が溜まって出来たのが長沼だ。”活”がついているから、その動きは未だ止まっていないということだろう。その証拠に、数年前小さな地震を起こしている。
 だからと言って長沼がダメというわけではない。地震でいえば、宮城県より東京の方がはるかに危険度は高まっている。東京オリンピックがある4年後には、首都直下地震の発生確率は90%ぐらいに達しているだろう。そもそも、地震を気にしていては、オリンピックや万博のような国際イベントは日本では不可能だ。ということで長沼でやるときは、選手も観客もそれぐらいの覚悟をもってください。ただし大変不便で、仙台からでも自動車で1時間ぐらいは懸る。それも覚悟の上。
 さて今回勃発した五輪予算に関する小池vs森のバトル。もともと筆者は五輪組織委員会会長に森喜朗が就任した段階で、当初の五輪予算など数倍に膨れ上がると予想していた。森はかつての清話会会長で、アベ晋三の師匠各。おまけに文教族のドン。オリンピックは文科省マターだから、この予算などオレの采配でどうにでもなると、たかをくくっていたのだろう。その証拠が就任して暫くして出てきた「総予算3兆円」というはったり。これで世間は、にわかにオリンピック予算を疑いだしたのである。そして出てきたのが国立競技場問題。更に懐に手を突っ込んできたのが小池。そしてそれに輪をかけたのが豊洲問題。森にとっては予想外の展開。
 筆者が思うに、問題の本質は文科省の能力と思う。「もんじゅ4」問題で原子力規制委員会から文科省は「無能」の烙印を押され、事業主体から外されてしまった。そして昨年に始まった新国立競技場問題といい、今度の五輪施設計画の杜撰さといい、文科省には事業実施能力がないことが顕かになった。東京五輪は文科省ではなく、別省庁に移管した方がよいだろう。
 ではどこが良いかというとこれが難しい。経産省は利権の塊だし、国交省だって似たようなものだ。
(16/09/30)

 リオオリンピックがやっと終わりましたが、感想を2点
1)体操の白井と女子レスリングの吉田が敗れたこと。巷の噂では、両方とも日本政府が密かに作ったサイボーグではないか、という説があったが、両方とも人間であることが分かった。
2)20台前半の若い選手の活躍が目立った。彼らはみな「ゆとり世代」である。アトランタ以来、日本オリンピックは長い低迷期に入ったが、その時の選手はみな非ゆとり世代。
 さてアベ政権に入って、ゆとり教育が廃止された。さて4年後に、彼ら後ゆとり世代がどこまでいけるか?
(16/08/23)

 ドーピング技術の中に舌下服用というのがあるらしい。舌の下に薬物を置いて服用する。これは数10分ぐらい経つと消え去るらしい。呼吸服用だから尿検査ではばれない。
 そういえば、イシンバエワは競技の前にテントを被って寝ころんでいた。ひょっとするとこれも?
(16/07/21)

 ロンドン五輪だけじゃなく、最近の陸上国際大会での陸上短距離のスタートラインを見ると、国旗はそれぞれバラバラだが、ラインは真っ黒。たまに白いのがいると、大抵ロシアかせいぜいウクライナ。何故か?と不思議に思っていたのだが、WADAが暴露したロシアの組織的ドーピング。それでスタートラインの不思議も解消された。
 しかし国家ぐるみドーピングを行っていたのは、果たしてロシアだけでしょうか?中国・北朝鮮も危ない。特にサッカー対日戦での韓国や北朝鮮チームの激しい当たりは、興奮剤の可能性だってある。
(17/07/19)

 昨日衆院予算委員会で、東京オリンピック招致疑惑について、文科相の馳がオリンピック招致にはコンサルタントは必要と答弁。JOCの竹田をかばう気持ちがありあり。しかしこの考えは10年アナクロである。
 この考えは、1)世界中の都市が五輪誘致を争っている、2)五輪が経済発展に効果がある、3)それがいつまでも続くということが前提である。しかしこの考えはもはや破たんしている。20年オリンピックでもイスタンブールでは激しい反対運動が起こり、リオでもブラジルでは反対運動があり、ジカ熱騒ぎもあって五輪返上意見まで出ている。
 そしてオリンピックは本当に儲かるのか?北京でもロンドンでも、単決算では莫大な赤字を出している。政府の支援がなければ収支報告書は書けないのが実情だ。更に一都市開催が原則だが、ロンドンの時、サッカーは競技場が確保できなくて、コーンウオールやスコットランドまで拡張する始末。最早オリンピックの理念は失われたと考えるべきである。そうすると、あと残るのは経済至上主義だけだが、これだって赤字必然となれば説得力は弱くなる。もう一つは民族主義に訴える手だが、人類普遍の原理を主張する近代オリンピックの理念に反する。
 というわけで、オリンピックの将来は前途多難。むしろ招致に手を挙げる都市が減っているのが現状。そんな将来性のない事業誘致にコンサルタント料を払うバカなどいない。
 そもそも国民に道義・道徳を説くべき文部大臣が、国際スポーツコンサルタントなどという、一歩間違えば裏社会と繋がりかねない怪しい存在を、必要アイテムと認識することこそ問題。日本は、先進国としてこういう怪し連中を国際スポーツ界から追放することに尽力すべきである。ところが、文部大臣とかJOC会長のようなトップが、自己保身のために、その逆の発言をするものだから、みんなやっているんじゃないか、と疑われるのである。
 馳など、所詮体育会系に過ぎない。なお彼はアマレス出身。レスリングはリオ五輪では廃止になる。アマレスなどオリンピック以外にテレビに映ることはない。だから彼は何としてもオリンピックを残したいのだ。
(16/05/18)

 元国際陸連会長のラミールの息子で、国際スポーツイベントコンサルタントのパパマッサタが、日本メデイアの取材に対し、「金は受け取っていない。業務委託契約もしていない」と回答。一方JOCは2.2億の送金と契約書の存在を認めている。どちらかが嘘をついているか、あるいは途中で誰かがネコババしているのだ。
 そこで怪しいのが、パパマッサタにJOC関係者を紹介したというタンという人物。これがシンガポールのペーパーカンパニーの実質的経営者と目される。これが中間に入って、契約書をでっちあげ、両方から金を吸い上げた。本人はすでに行方をくらましている。ひょっとしてペーパーカンパニーを閉めた14年頃に消されてしまったのかもしれない。
 なおこの人物、名前から見ると中国系と考えられる。パパマッサタと知り合ったのは北京オリンピックの時というから、北京招致にも動いていたのだろう。中国政府としては、北京五輪の裏を知っている人物が、何時までも生きて居ては後々面倒、消してしまえということだ。
 だからと言ってJOCの責任がなくなるわけではない。このような怪しい人物に引かかって2.2億も巻き上げられるとは大失態。それともそれを承知で金を振り込んでおいて、それがタンを経由して日本政界とか他にに還流している可能性もある。
 ここで感じられるのが、日本スポーツの背景にある暗流。アマチュアスポーツ界のドンが言わずと知れた森喜郎。これに連なるのが、ラグビーの大八木とか文部大臣の馳。他に柔道界のドン小沢一郎とか、スポーツ出身国会議員も随分いる。スポーツだからと言って清貧ではやっていけないのだ。
 なおこの種の口利きコンサルタントは50年代不況の公共事業抑制と、法改正で次第に死滅状態になったが、バブル時代に一旦息を吹き返した。しかしその後の90年代不況でまた冬眠。しかし12年政権交代で出てきたアベ政権の「日本を取り戻す」路線で復活。それは甘利事件や、今度の舛添竜宮城事件の「政治的に機微に触れる」発言から伺える。
(16/05/16)

 東京オリンピックの招致に関し、日本の招致委員会が国際陸連会長(当時)のラミールの息子が所有するシンガポールの法人口座に2.2億円を振り込んだのは、今年1月にイギリスガーデイアン紙が報じている。また今年三月にも海外メデイアが取り上げているから、昨日今日突然起こったことではない。
 日本で話題になったのは三日前(ただし取り上げているのは新聞・週刊誌のみでテレビは未だだ)。ところがネットで表になったとたん、その日には官房長官が「招致はクリーンな形で行われたと考えている」と異例の発言。これまでこの件で発生したトラブルで、こんなに早く官邸から声明が出た例はない。それどころか、三菱自工やシャープの問題でも、官邸は沈黙を続けている。これにも一種の異常さを感じる。
 また同日夕にはJOCが会見を開き振り込み事実を認めた上で「五輪招致に関するコンサルタント料であって、正当な支払いと認識している」と釈明。更に振込先のシンガポールの法人については「北京五輪などのお招致を成功させた、実績のある会社と聞いている」と説明。コンサルタント料とは何か?また「・・・聞いている」というだけで確認していないのである。
 その後の報道で、この会社はタックスヘヴンの一つであるシンガポールに設けられたペーパーカンパニーであって、実体はないことが明らかになっている。
 筆者は別にこのプロセスを解説しようというのではない。本題はここで出てきた、国際イベントカンパニーとは何者か?ということだ。
 昭和40〜50年代頃には地方公共事業では、仕切り屋というのがいて、これが公共事業の受注の口利きや、談合の仕切りをやっていた。大体が右翼とか総会屋関係。役所もかれらをうまく使って受注調整をやっていたのである。何故彼らが、そんなに力を持っていたかというと、役人や業者のブラック情報を握っていたからである。
 その後組織暴力対策法の一環として、会社法が改正され、上場企業はもとより、官公需に関係する企業はみんなこういう連中を閉め出した。食うに困った連中は右翼系は政治団体を作り、総会屋系はコンサルタントに転身した。どんなコンサルタントをするのか?一つは地上げである。土地の実力者と渡りをつけ、用地買収に協力させるとと同時に、価格を吊り上げる。バブル時代の土地価格上昇の半分は、彼らの所為だ。一方で、上がり続けた土地価格の中で再開発をやろうとすれば、土地の実力者に渡りをつけられる彼ら「コンサルタント」も必要なのである。彼らの役割は、事業者の地元対策費を、どう配分するか、だけである。彼らは一見コワモテだが、少し脅かすとすぐにおとなしくなる。ラミンだっておんなじだ。
 さて、今回明らかになったのはオリンピック招致コンサルタントの存在。彼らは要するに20〜30年前に日本で発生した、事業コンサルタントの国際版である。彼らの使い方のノウハウは日本企業にはあります。今回は少しミスったのだ。
  ただし獅子身中の虫というのがいる。内部で、本来はこういうコンサルタントの要求を抑える役割の社員が、コンサルタントと結託して、会社からむしり取るケースである。今回も招致委員会とラミンファミリーの間に電通という広告代理店がいた。これが経費の相当部分をむしり取っている可能性は大。たかが広告屋の分際で、ごそごそうごいているのである。
 なお、この件に関し、中国ネットでは「日本のオリンピック誘致は問題がある」という批判がでているが、問題になったコンサルタント会社は北京五輪誘致でも実績があったというから、似たようなものだ。北京五輪誘致で中国政府が使った金は、とても東京の比ではないだろう。
(16/05/15)

 昨日は1.6億だったのに、一夜明けると2.2億に増え、昼には2.48億まで増えた東京オリンピック疑惑資金。既にフランス検察当局が捜査に入っている模様だから、事件は国際的色彩を帯びてきた。これに比べれば舛添問題など、たいしたことはない。
 昨日までは「招致はクリーンに行われてきた」と言っていたのに(官房長官)、今日は「事実関係を調べる」とトーンダウン(首相)。フランス当局が捜査に入ったのを聞いて、ビビッてしまったのだろう。サミットもあるから、無視は出来ないというところか、それとも内心忸怩たるものがあるのか?国内で危ないのは、シンタローより森喜郎だ。
16/05/13)

 東京五輪招致で1億6千万円の使途不明金発覚。タックスヘヴン経由で、国際陸連会長・・・名前から見るとアフリカ系・・・の秘密口座に振り込まれた。この口座にはロシアのドーピング関係者からの振り込みもあったらしから、問題は東京だけでなく国際的に広がる可能性がある。
 東京五輪誘致の工作資金に間違いないから、振り込み時期は12年ロンドン五輪前後。すると都知事は猪瀬ということになる。果たして猪瀬の指示で動いたのか?もともと20年東京五輪をぶち上げたのは前任のシンタロー。猪瀬はその副知事だった。あの卑屈な目つきを見れば、彼がボスに反対するわけはない。また猪瀬は所詮小説家上がりの小心ものだから、自分でヤバい橋を渡るほどの度胸はない。おそらくシンタローが陰で筋書きを描いて、官邸周辺にも根回し、猪瀬はその筋書きにそってパシリをやっただけに過ぎない。
 なお、今回明らかになったのは1.6億だが、こんなもので済むわけがない。元々アベ官邸は東京五輪招致には冷淡だった。それがある時期を境に積極誘致に踏み切った。他にも不思議なことはある。当初本命視されていたイスタンブールが国内五輪反対運動でレース脱落は仕方ないにしても、マドリッドがいきなり降りたのは解せぬ。国内外を含めれば、工作資金トータルはざっと、桁一つか二つ多いはずだ。しかし知事の出張に2千万ン百万使う都市だから、それぐらいたいしたことはないのだろう。
(16/05/12)

 結局新国立はA案で落着。大成が交渉権を得たわけだ。A案は堅実だが面白みはない、といったところか。只気になるのは、杜を意識しすぎたためか、樹木が多すぎるということだ。こういう大規模イベント会場ではセキュリテイの点から会場の外周数10mはオープンにする。又濃すぎる樹木密度はセキュリテイ上の盲点になる。おそらく今後警察協議の対象になるだろう。てなことで、この案を食い物にしよう待ち構えている役人の手にかかって、出来上がったときには似ても似つかぬものになっているのは、公共事業ではありふれた光景である。周囲の杜をもっと密度の低い赤松中心の疎林にし、少なくとも太陽光が地面に射す程度にすると風通しもよくなるので、数年か数10年後かには、ひょっとすると松茸が出てくるかもしれない。やってみますかあ?
 ザハは当初の自分のデザインと似ていると主張。確か大成や梓設計はザハ案の積算・見直しまでタッチしているから、ザハ案が頭にあったと疑われても仕方がない。だとすれば、公募に当たって旧案にタッチした会社は遠慮願うぐらいの制限を設けたほうが良い。なんとなく森のB案支持発言は、大成向けヤラセ発言の可能性がある。
 なお、この件でテレビ局によっては、設計者の隈氏紹介の過程で、過去の作品紹介までやっているのがあるが、これは態のよい宣伝広告と疑われかねない。本人の迷惑を考えれば、そこそこにした方が良い。
(15/12/23)

 新国立競技場A、B2案について、某民放が市民にアンケート調査を行ったところ、圧倒的多数がA案が良いという回答。そしてその理由はと言うと、多かったのが「森喜朗がB案が良いと云ったからだ」。森というのはよっぽど都会人に嫌われているみたいだ。
 この件で森はよくテレビに映されるが、以前に比べると髪の毛は真っ白になり、衰えたという感はぬぐえない。云ってることも支離滅裂(元々そうだったが)で、やっぱりボケが進んでいる。果たしてオリンピックまで生きているでしょうか?新国立完成の前に次の組織委員長を用意しておかなければならないのじゃないか?
 ワタクシ個人で云えば、外観だけならB案のほうがすっきりしている気はする。但し72本の木柱は只の飾りで、構造的には意味はない。政府的には森の意向に反対するわけにもいかず、しかしと云って来年参院選を踏まえれば民意も無視できない。つまりウッカリB案に決定すると、これは森の意向を汲んだ所為じゃないか、とマスコミが騒ぎ出す。そこでモタモタしていると、内閣支持率が低下するから、これはイカンとマタマタ官邸が出てくる。スポーツが政治の道具に成り下がってしまうのだ。
(15/12/16)

 新国立競技場の提案2案が出てきたそうだ。一つは大成建設グループで総工費1498億、一方は竹中他のグループ。これは1496億。何故か似たような額だ。元々1500億という枠があって、それに無理やり合わせたような数字だ。一種の官製談合の疑いがある。
 そしてこういうケースでは、最終的には予定価格内で収まることはない。なんだかんだと理屈をつけて設計変更に持ち込み、最期は倍ぐらいに膨らむのが相場。設計変更に持ち込むのが技術屋の腕だ、といわれればそのとおりで、ワタクシなど現役当時は散々その手を使ってきた。
 国民の皆さん、既にゼネコンの騙しのテクニックに嵌っているのですよ。
(15/12/14)

 ロシア陸上選手の大量組織的ドーピング疑惑。やっぱり、という気はする。前のロンドンオリンピック陸上短距離など、国籍はアメリカとかイギリスとか色々あるが、選手はみんなアフリカ系。中で白人はロシア人だけだ。ここで国際陸連がロシア選手の出場資格を止めたら、次のリオオリンピックでは陸上トラックはみんな真っ黒になってしまうだろう。
 今はロシアが槍玉に挙げられているが中国がどうだろう。中国ドーピング問題ではかつての馬軍団が有名だが、これで終わったと思う人はよっぽどのお人好し。
 中国は元々遺伝子大国で、品種改良には長い歴史がある。中国4000年の歴史で、目に見えないドーピング技術があるはずだ。但し漢方を使うから、近代科学に基づくドーピング検査法ではひっからないかもしれない。
 かと思えば我国では、JOC委員が山口組元幹部と会食・飲食していた疑い。例の日大名誉教授の関連で出てきた疑惑だ。この日大名誉教授、元幹部を「良い人だった」とべた誉め。シロートに因縁つけてゴロ撒くのはヤクザでも下っ端。幹部クラスになると、シロート特に何らかの社会的地位を持っている人間にはごろっと替わり、媚を売ってくる。筆者自身、昔広島極政会最高顧問と名乗る爺さんに、センセセンセとおだてられたことがある。この名誉教授77にもなってそんな初歩的なことも知らなかったのだこんなのが法律を教えるなど、日大法学部早稲田先進理工並みの世間知らずだ。
 こんなことで東京オリンピックは無事開けるのでしょうか?そういえば、新国立もエンブレムもやり直しは決まったが、一向に替わりの案がでてこない。みんな応募をいやがっているのじゃないか?
(15/11/10)

 東京五輪追加種目候補が出揃いました。ずばり云って何でこんなものを、という感が強い。野球・ソフトボールにしても日本国内には強い支持はあるだろうが、世界的に見ればあまり説得力はない。
 サーフィンなど東京のどこでやるのだ。まさか東京湾ではあるまい。伊豆七島沖ならサーフィンが出来る波の可能性はあるが、何時もそうとは限らない。それより伊豆七島周辺は国立公園で、環境規制は知床半島並みにきついところである。そんなところにテレビ局が大勢詰め掛ければ、環境団体と大揉めだ。又プールで人工波をつくるという案もある。筆者もそれを考えた。例えば10万t級ドックを使って人口の波をつくる。ハリウッド映画など殆どこれ、後はCG使って誤魔化すだけ。しかしこんなのサーフィンと云えるでしょうか?これをサーフィンというなら、サーファーの意識が疑われる。
 スケートボードなど、日本では道べたで悪がきがやっている邪魔者でしかない。
 空手は型と組み手だけ。幼稚園のままごとみたなもの。防具を付けてた上での格闘技にすべきである。
 クライミングも人口の壁をよじ登るだけ。これもアルピニスト世界では幼稚園のレベルで、世界トップ水準には到底及ばない。例えば穂高の屏風岩とか、北岳バットレスにまっすぐ線を引いて、それを所定の時間内にフリークライミングでクリアー出来るかどうかを競うというなら話はわかる。ザイルを付けるかどうかでハンデイを付けるという方法もある。危険は当たり前。主催者は一切の安全対策は採らない。安全対策は参加者が自己責任で行なうこと・・・プロクライマーなら当たり前。それが嫌なら参加するな、といえばよい。
 サーフィンやスケボーが何故入ってきたかと言うと、関係団体とアメリカテレビ局が、IOCにねじ込んできたからだ。両方とも、北米での視聴率が高いらしい。他にも北米テレビ視聴率が高いというだけで採用されている種目も少なくない。
 これではオリンピックではなくテレビンピックだ。そんなことではオリンピックなど将来飽きられてしまい、滅亡するだろう。
(15/09/29)

 東京都議会が枡添に対し新国立への枡添発言を、職務逸脱、他人事発言と批判し、枡添はそれに陳謝した。全く根性がないのがこの男。そもそものいきさつは、文科省が東京都に断り無く、新国立への地元負担を求めてきたことである。しかも内訳も何も無くどんぶり勘定で、全体事業費が3〜4000億だからその1/3で1000億持てと云ってきたから枡添がカチンと来て、それをツウイッターに暴露したところ、マスコミが飛びついて全国的な騒ぎになり、結局政治決着したのである。この結果、新国立建設費は1500〜1600億程度に抑えられたから、都の負担は400〜500億ぐらいで済む。従って、都議会としては枡添に感謝しても文句をつける筋合いはない、と言うのが世間の常識。
 しかし世の中、常識に反して腹の虫が収まらぬ人物が一人いる。それが森喜朗。あの時はアベの顔を立ててウンと云ってやったが、とにかく気に入らんのは枡添だ。あの野朗何とかしてやらねば。ところで都議会自民の多数派は森派。おそらくこの都議会議長も森の側近だろう。森が鬱憤晴らしにこの議長を炊きつけたのか、それとも議長が森の気持ちを忖度して枡添イジメに奔ったのか、よく判らないが、男の嫉妬はしつこく長続きする。特に政治家はそうだ。森による枡添イジメはまだまだ続くでしょう。
(15/09/19)

 またまたエンブレム問題ですが、これが白紙撤回された直後、森喜朗に某テレビ局記者が「残念ですね」と声をかけると、オッサン憮然として「何が残念なんだ」と怒鳴り返す。何が残念かと言うと、新国立に続いてエンブレムという巨大利権が消えたことです。新国立では、もとの3000億とか4000億という話で通れば問題はなかったが、1500億まで削られると、ゼネコンだって、はいそうですかと気前よく金は出せない。おまけに事業主体が文科省から国交省に変わった。公共事業だから当然会計検査の対象になる。このため担当部局も文科省担当から国交省担当に変わる。ここは文科省や防衛省担当と違ってプロ集団だからごまかしは効かない。
 一方エンブレムは新国立のような一点集中型利権と違って広く浅く稼げる。エンブレムを使用したい企業はIOCに申請して許可を貰わなくてはならないが、この手続きが結構面倒で、普通の会社が片手間で出来る代物ではないらしい。そこで広告代理店の登場となる。 ある広告代理店がこの手続き業務を独占すれば、そこに手数料他莫大な利権が転げ込む。これが博報堂であれば、当然元社員であるトップデザイナーの佐野研二郎を押すことになる。そう考えればデザイン審査過程の、あの不自然さが理解出来る。無論事前に審査委員長や組織委員長のレベルまで、根回しがいっていたと考えるのが普通だろう。
 佐野案がそのまま通過すれば、博報堂を通じて関係者にもバックがある。森喜朗もその例外ではない。ところがとんでもないところからこれが潰れた。これが冒頭の”残念”の意味です。ではとんでもないところとは何処でしょう?それはネットです。審査会という関門は専門家意見を集めるということで、一般には公平性が保たれると理解される。しかし、現実は同業者内の狭い世界で、しばしばなあなあになってしまう。その典型例が新国立であり、エンブレムである。昔はこれで問題なくやっていけた。しかし現在はネットからとんでもない情報が発信される。その先例が小保方STAP細胞事件だ。五輪組織委員会や文部科学省は、この教訓から何も学ばなかったのでしょうか。なお両方とも文部科学省所管だった。
(15/09/05)

20年五輪エンブレムはとリあえず佐野が取り下げたので一件落着。しかし不思議なことは、佐野デザインの類似商品が後から後から出てきたことだ。と言うことはこれら類似商品デザインも何処からかの盗用の疑いがある。あのベルギー人のデザインだって、本当に当人のオリジナルかどうか判らない、誰かのパクリかもしれないのである。
 そもそも丸・三角・四角と言うのはグラフィックデザインの基本アイテム。単純だから視覚に訴えやすい。これを使う限りその使い方には限度があるので、何処か似てくるのは当たり前。これと違う曲線デザインもあるが、どちらか云うとクロウト向けになるので、オリンピックのような大衆イベントにはむかない。その点を理解しないマスコミや一般ピープルが騒ぎ立てた、一種の魔女裁判のような気がする。
(15/09/03
)

 呪われた20年東京オリンピック。まず最初は、招致に成功して舞い上がった猪瀬が不正献金疑惑でクビ。次が例の新国立騒ぎ。そして今度の五輪エンブレム問題。と言うことでこれまで東京オリンピック事業に拘わった人間は、みんな不幸な目にあっている。これを呪いと云わずして何でしょうか?あの山口敏太郎なら、直ぐこれに目をつけるでしょう?
 そこで気になるのが次の犠牲者。五輪ブームで地上げに奔っている不動産業辺りが、やっぱりそうかという気になる。山口組分裂も、五輪利権を弘道会系が独り占めしようとしたので、関西系が反発したのではあるまいか?
 佐野デザイン東京五輪エンブレムは、著作権法上も問題ない、と言い張っていた五輪組織委員会が、いきなり佐野デザインの使用取りやめをIOCに申請。ネットで次々に出てくるクレームに抵抗出来なかったのでしょう。
 この件、新国立競技場と同じ、選考過程に疑問が感じられる。つまり始めから当選者を決めていたという疑いがある。新国立では審査委員長の安藤がザハ案ありきでつっぱしり、エンブレムでも佐野デザインありきで審査が行なわれたのではないか?。何故そうなるかと言うのは業界が違うからよく判らないが、デザインに関する業界は審査委員長の個人的思い入れとか、個人的関係など定量化しがたい部分が、大きい意味を持つのだろう。ずばり言えば前近代的徒弟制社会ということだ。
 政治はもっと遅れた古代奴隷制社会だ。特に自民党保守派とか「おおさか維新」などは。IT企業とか先端企業も似たようなものだ。新国立に続き、これで世界的二大大恥だ。その内東京五輪返上なんて声も出てきかねない。
(15/09/01)

 新国立競技場は五輪後は民営へ。これで読めてきました、チョット前の某週刊誌(確かポストか?)宣伝に「、新国立は巨人の聖地」というのがあった。ナベツネこと読売新聞社主渡辺恒雄は人も知るアベ応援団長。今の後楽園は狭い、だから売り上げは限界。かといって現地で拡張もできない。そこに降って沸いたのが新国立騒ぎ。これで新国立利権を森からもぎ取れる。アベさえタラシコメば、新国立を読売グループのものに出来る。
 営業権民間譲渡が五輪後というのがポイント。通常五輪では営業収入は赤字になるのは常識。これを税金でチャラにしておいて、あとの美味しいところだけを読売グループで戴く。読売グループは新国立建設にびた一文払わなくて済む。てな話がアベとナベツネとの間で話し合われたのは間違いない。と言うことで冒頭の週刊誌ネタはまんざら嘘ではないのだ。まあ場所が場所だけに、魑魅魍魎がうろつくのは当たり前。この話、当たり前だが枡添は蚊帳の外。その内動き出すかもしれませんが
(15/08/12)

 またまた新国立ですが、当初のザハ案は高すぎるというので、JSC案が出てきた。これが当初3000億だったのが、1650億になったり1520億になったりした曰く付きの物件。これの審査をやったのも安藤忠雄。ところがどうやってコストを抑えたかと言うと、開閉式の屋根は残す、座席を一部仮設にするとか、競技にどうでもよい施設は残すが、サブトラックは廃止する。新国立のメイン競技は陸上トラック・フィールド競技である。選手のモチベーションを維持するためにはサブトラックは必須アイテムとされる。
 これをみても彼等審査委員の目線が選手ではなく、デザイン或いは自分達の利権本意(特にサッカー、音楽系に際立っている)ということが判る。競技場の設計なら、そこで競技する選手の意見・希望を第一に取り上げるのが当たり前と思うが、JSCや審査委員会にはその視点が全く無かったといえるだろう。こういうのを本末転倒という。
 そもそも安藤始め審査委員は陸上競技など、自分で経験したり自分の目で見たことがあるのか?。安藤などいかにも運動は苦手なようだ。だから中身の議論はそっちのけで、入れ物の議論ばっかりやっているのだ。はっきり云って話にならない。安藤・JSC始めこいつ等新国立審査委員とか有識者はむしろ日本の恥だ。何処かへ追い出したほうが世の中のためだ。
(15/08/07)

 元ラグビー選手で現芦屋学園理事長の大八木篤史が学校職員に対する脅迫で告発されました。あの人間ならやっぱりと思ってしまうのである。TBSのワイドショーで週一レギュラーをやっているが、例の新国立騒ぎのときは、明らかな森寄り発言。森の脳みそが鮫並みなら、大八木のそれはテイラノザウルス。鮫という生物は白亜紀以来殆ど進化していない。テイラノは白亜紀末に絶滅してしまった。これに中谷元・・・森並み・・・を加えると、現代白亜紀怪獣勢ぞろいだ。
 新国立騒ぎのときの大八木の発言で気になるのは、スポーツ文化省という役所を作り、国家予算の2〜3%を注ぎ込めというもの。この発言の裏には誰かがいてそれが大八木にそう言わせているのだ。その誰かとは森喜朗に決まっている。鮫は脳は小さいが、餌に食いつく嗅覚だけは優れている。大八木はアホだから、森にいいようにあやつられているのだ。スポーツ文化こそ森喜朗の利権の源泉。
(15/08/06)

 今度はエンブレムデザインのパクリ騒ぎ。云うまでも無く東京五輪エンブレム。ベルギーやスペインのデザイナーとその代理人がクレームを付けた。云われると、似ているといえば似ている。日本側デザインは”T”をイメージしたデザインと言うが、それなら右下の三角の意味が判らない。アレはいったい何を云いたいのでしょうか?TならTで押し通せばよかったのに、余計なものをくっつけたばっかりに、余計なトラブルを背負いこんでしまった。後はデザインに著作権はないと押し通すしかないだろう。
 ところで新国立。ザハ案消えて出てきたのが槙等による規模縮小案。この顛末を見ていると、ザハ・安藤らデザイン重視派(アンビルト派)vs槙ら構築派の対立が背景にあって、国民世論をバックにした構築派の勝利に終わったという感がある。
 この結果は今後世界の建築界に影響を与える気がする。ザハや安藤のようなデザイン派が主流を占めるようになったのは90年代以降。冷戦終結で始まった世界的な金余りと、安心感で建築も機能よりデザインを重視する余裕が出来てきた。しかし今ギリシア問題を初め、中国経済減速等、更に石油価格の大幅下落などを見れば、世界的金融収縮懸念がある。デザイン建築に使う金など無くなってくるのだ。
 こんなときにコストや機能を軽視するデザイン重視建築など、下手すると株主代表訴訟の種になる。従って今後デザイン派にはつらい冬の季節が待っているだろう。これが建築界への影響である。
(15/07/29)

新国立問題はやっと解決したかに見えたが、ずばり今後も混乱が予想されます。その理由は関係者が未だ、現実に気づかずに夢の中に遊んでいることです。まず第一が相変わらず国際コンペに拘っていることです。何を今更改めて国際コンペにしなければならないのか?現計画での国際コンペは、巨大公共事業の透明性を世界に示すため、という点で意味はあった。さて今回様々な問題点が噴出して、とてもややこしいプロジェクトだ。おまけにコストダウンが求められてるから設計額だって抑えられ。ぼろもうけは難しいぐらいのことは誰も判っている。まともな人間なら敬遠するのが当たり前。果たしてどれだけの応募があるでしょうか?前回のコンペ次点以下でこれはという作品を見つければそれで済むのだ。
 次がデザインビルトという発注方式である。これは設計から施工までを一括で発注する方式で、工期短縮に有効でコストダウンに繋がるというのが売りだが、日本では公共事業に関しては設計/施工分離が原則であって、この方式は法律違反である。それとこの事業を一括で受注出来る企業体があるのか?という問題がある。大抵は設計・施工特別企業体と言うのを作るのだが、果たしてその中で設計の独立が保てるのか?甚だ疑問である。なんとなく背後にカジマの陰が見え隠れする。設計の業務発と工事発注のタイミングをずらせ、お互い協議しながらやれというとそれで済む話だ。
 第三の問題が事業主体である。今回の騒動の原因はシロウトの文部科学省とJSCだということで、事業主体は官邸に集約されることになった。では官邸はプロ集団と云えるでしょうか?こっちも文科省やJSCと同じシロウト集団だ。各省から優秀な人材を集めて・・・なんて云ってますが、優秀な人材が仕事が出来るとは限らない。むしろ現実は逆で、優秀な人間ほど仕事は下に押しつっけ、さっさと逃げ出すことばかり考えている。だから何の役にも立たない。結局出来るのは、今回と同じ無駄と責任回避の再生産だけである。
 どうすればよいかと言うことだが、ポイントは官邸と受注企業体の関係を明らかにしておくことである。大きくは発注・監理を行なう官邸チームと設計施工を行なう実施チームに分かれるが、官邸チームには始めから会計検査院を配置して睨みを利かせておく。実施チームはあくまで設計側を優位において、業務打ち合わせでは設計とのみ行なうとかのガードを固めておかなければ、下手するとゼネコンのやりたい放題、手抜き工事のオンパレードになりかねない。それを防ぐには、会検だけでなく神戸市もメンバーに加えておくべきだ。
(15/07/22)

 新国立騒ぎで出てくるのが設計者の釈明。ザハも安藤もデザインに無理はあるが、日本の建築技術は世界一だから大丈夫、と思ったと自分勝手な言い訳。確かに日本の技術は世界一かも知れないが、その替わり値段も世界一なのだ。
 技術が高ければ、値段も高い、これは当たり前。洋の東西に共通するセオリー。ザハも安藤もこんなシンプルな法則に気が付かなかったのだ。多分高度な技術力を持つ国は、難しい仕事でも安くやってくれると思っていたのだろう。森喜朗に至っては、この工事を只でやれなどと暴言を吐いている。鮫の頭にはつける薬はない。
 しかしザハも安藤も現実世界を自分本位の夢物語で見ている点では、森の鮫頭と変わりはない。
(15/07/20)

 せっかくキールアーチ構築法とか、タイビーム不要の証明計算書を公開しようと思っていたのに、白紙撤回になったので全て無駄になりました。ここまで考えてきた費用(と云っても寝ながらとか、酒を飲みながらだが)をJSCに請求しようか!
(15/07/18)

 昨日昼の某民放ワイドショー。殆ど新国立糾弾集会みたいになっちゃった。奇妙に思ったのが、木曜にはレギュラーの大八木が欠席。これも安藤と同じ敵前逃亡か?10日前の有識者会議の後は、菅もアベも「これは国際公約だ、覆せば日本の国際信用に拘わる、従って原案で行く」となんと国際政治問題まで繰り出して大見得を切っていたのに、世論調査で81%が原案反対という数字が出ると、とたんに腰砕け。設計案の見直しを言及。あっち(アメリカ)から叩かれりゃこっちへふらふら(集団的自衛権)、こっちか叩かれりゃ(世論調査)あっちへふらふら(新国立)。安保法案審議で「自ら省みてなおくんば(千万人といえど我行かん)」と切った大見得はどこへ行ったのかね。
 しかし、アベが設計見直しに踏み切れば、支持団体もおだやかではない.原案推進派にはアベの取り巻きが結構いる。それらの一部は例の有識者会議のメンバーと重なる。彼等にとって、設計見直しは顔に泥を塗られたようなものだ。さてこの怨念が今後どういう形で吹き出るでしょうか?興味深々。引導を渡したのは、どうやらスポーツより支持率を優先する自民党内某サークル。だったらあの有識者会議は何だったのだ?
 コストに問題が出てきた1年前にこういう決定をしておけば、こんなドタバタはしなくて済んだのだ。甘いというかドンクサイとしか言いようが無い。近頃の50代60代は使い物にならない。
(15/07/17)


これが問題のキールアーチ(本日朝日新聞デイジタル)。一目見てなにを馬鹿なことをやっとるんだと思った。それは地下に埋め込まれるタイビーム。なんでこんなものが必要なのか意味がさっぱり判らない。筆者に言わせればヘタクソの一言だ。勿論アーチ両端には大きい水平力が発生するが、通常それはコンクリートブロックで受け、足らなければグランドアンカー等で補強するのが常道。アーチ橋などみんなそうやっている(本四架橋を見よ)。従ってタイビームは不要。それどころか、こんな長いビームは温度や地震動などの僅かな応力変化で座屈や破断を生じかねないから、百害あって一利なし。直ちに消去すべきである。
 これだけで200〜300億は浮く。他に眼に見えない基礎や仮設にどんな隠し玉があるか判らない。これを穿り出していけば1000億ぐらいは浮いてくるのではないか?こんなものを作れば森喜朗の言うような、日本の記念碑的作品どころか、将来への大恥かき作品、物笑いの種だ。
 それと建設費2520億というのはゼネコン2社の見積もり。他に応札する企業が無かったというが、本当かあ?官製談合の疑いがある。この事業、始めから会計検査院を入れておいたほうがよいだろう。(15/07/15)

 ここへきて奇妙な展開。安藤忠雄が某マスコに国際コンペでは、工期5年や総工費1300億円というのは与条件として出していた、なんでこんな巨額になったのか判らないと表明。それどころか、有識者会議への出席は誰かから妨害されたという説もある。もし彼が真実を喋れば、ヤバイ連中がおり、彼の生命が危険にさらされるということか。
 と言うことは国際コンペをやった民主党時代では1300億で済んだのが。自民党時代になって2500億に膨れ上がったということだ。張本人は誰だ?ずばり白亜紀の恐竜こと森喜朗である。差額の1200億はどこに消えたのか?或は消えようしているのか?
 ずばりカジマ・大成を通じての自民党裏利権。今回の入札、表は大成・竹中だが、裏で仕切っているのはカジマ、と言うのは業界人間なら直ぐに判る。だから安藤は真実を語れない。1200億からの利権に比べれば、一建築家の生命などゴミみたいなものだ。アベ政権になってゼネコンに見積もりを取ったところ2520億もの巨額になった。ゼネコンの見積もりなど実勢の2倍は吹っかける。実際筆者が今裁判鑑定をしている奈良県生駒市擁壁破損事故でも、対策工のゼネコン見積もりは1億強。ところが地元業者は7000万で引き受けた。筆者の設計ではこれから更に2000万は安く出来る。如何に今のゼネコン見積もりが、実勢とかけ離れ、自分本位になっているかを知るべきである。と言うことは1、新国立」は1300億で出来るのだ。それどころか、神戸市に任せれば1000億で済むだろう。
(15/07/12)

アメリカが今後3年間で兵員4万人削減計画を発表。これが現在のアベ安保法案の本音です。要するに米軍を縮小する代わりを日本の自衛隊が負担せよということだ。これは現オバマ政権の意向というより、共和党が多数を握っている米議会の意向と考えたほうが判りやすい。
 アベの5月米議会演説を要請したのは、議会特に共和党。従って演説内容は日本国民の「意向ではなく、米議会の要望に沿うものでなければならない。だから米議会は対米従属主義を打ち出したアベ演説に大満足。そしてそのお膳立てをしたのが外務省。来年(2016)はアメリカ大統領選挙の年です。選挙に勝つためには何でもやるのがアメリカ人。そこでアメリカ人はアベに脅迫状を突きつけた。戦後三回目の対米全面降伏の瞬間だった。
 ここから見えるのは今のアベ政権の目線は国民ではなく、外国(アメリカ)からの評価を向いていると言うことだ。そしてそれを一番気にしているのが霞ヶ関官僚と、一部文化人とか有識者と称すると取り巻き連中。
 この構図は現在の新国立競技場問題とそっくりなのである。先日のJSC有識者会議で最も原案維持を強硬に主張した、音楽家協会の都倉は有名なアベの取り巻き。昨日衆院予算委員会で、アベは今から設計を見直しておれば時間的に間に合わないと、文部官僚の言い分そのまま鸚鵡返し答弁。それだけでなく、あのコンペは民主党時代にやったものだと責任転嫁発言。この背景には政権支持率の深刻な低下があるのではないか。
 これでアベ晋三が、如何に度量の小さい・・・吉田松陰のような・・・長州の小物だということがよく判る。例の勉強会報道規制発言で支持率は大幅に低下した。そして今の新国立問題だ。これだけで支持率は5%くらいは低下している。ここで蛮勇を奮って設計見直しに踏み切れば、いくらかは支持率回復に繋がったものを、それを自ら潰してしまったのだから、救いようが無い。かつて自分の力を誇って劉邦を取り逃がした楚の項羽の驕りを見るようだ。
 なお、設計見直しと言うと、直ぐに文部官僚は始めから国際コンペをやり直さなくてはならないなどと、おおよそ非現実的な妄想を、アベや下村などアホ政治家に吹き込む。設計見直しと言うのは原案をベースにして規模や構造の変更を検討するもので、原案を無視するものではない。現実には大したことはないのである。こんなことは公共事業ではザラに行なわれている。例えば本四明石海峡大橋では当初道路・鉄道併用橋だったが併用ではコストが懸かりすぎるので道路単独橋に変更。それでコストがン100億だか1000億ぐらい減った。筆者も何年か前に、近畿の某大規模公共事業工費縮減設計業務にタッチしたことがある。
 何故こんな簡単なことが出来ないのか?それはバブル崩壊以降、官僚や政治家の質的劣化が著しくなっているからだ。その証拠がアベ晋三のような成蹊裏口入学、神戸製鋼コネ入社のアホでも総理大臣になれるという事件である。
(15/07/11)

 文部大臣の下村が、新国立競技場最終案選定過程を説明するよう安藤忠雄に要請。しかしこの問題は東京五輪招致決定1年後の昨年には顕かになっている。何故そのときにそういわなかったのか?はっきり云って、今頃そんなことを云っても遅い。要するにテンポがずれているのだ。このように今のアベ内閣では、問題が起こってからそれがトップに伝わるのに時間が懸かり過ぎる。又、その過程で情報が官僚に都合がよいように改竄されている傾向が強い。例のIS後藤さん事件でもそうだが、後藤さんがISの捕虜になったのが判ったのは昨年10月。それが官邸に伝わったのは今年の2月。その間半年近くを無駄に過ごしてきた。
 今度の新国立問題でもそうだが、文部省は設計を見直ししていては工期に間に合わないというが、昨年に設計見直しに着手しておれば間にあっていたのだ。その間の必要な時間を無駄食いしてきたのは誰か、と言うことが問題なのだ。その時間の無駄遣いを暗に画策してきたのが安藤ではないか、という疑いが残るのである。
 なお、筆者は建築は基礎と構造しか判らないが・・・しかし少々絵心はあるので、作品のよしあしグライはわかる・・・、安藤の設計はいやに奇をてらっただけの山師建築ではないかという疑問は昔から持っていた。何でもそうだが、ものを作ろうと思えば、まず基本に忠実に、見た目は素直に、だ。
 なお今の時点で安藤が何を云おうと、世間はそのままには受け取ってはくれない。いい年してるんだから、それぐらいのことは判っているだろう。
(15/07/10)

 新国立は白紙に戻ったが、この後どんな案がでてくるか判らない。今回の騒動、コストがどうの、工期がどうのという話が表にあったが、背景には今の建築世界の派閥争いがあったのではなかろうか、という気はする。
 これは建築とは何か、という根源的問題に拘わるが、筆者は建築屋じゃ無し、どうでも良い。建築屋にも知り合いは随分いたが、みんな構造屋だ。建築にも色々縄張りがあって、それぞれが対立する。代表的なものは意匠デザイン系vs構造系の対立である。
 世界の建築界ではある時期から意匠デザイン系が注目を集め、主流を作るようになったのではないか?それが何時かは筆者には判らないが、90年代辺りからヒネリというデザインが現れた。筆者に言わせれば、こんなもの百害あって一利なし、ナンセンスの典型だ。ところが世界の建築評論家はこれをもてはやし、古くからの構造性デザインを無視するようになった。
 その尖兵がザハ・ラシッドであり、日本では安藤忠雄だった。しかしザハのデザインは曲線を多用するだけで、新しいモノはなんにもない。あんなもの土木では高速道路やダムで幾らでも使っている。
 ザハ始め、構造を無視したデザインはその内必ず祟りを受ける。ある日突然バラバラに崩れ落ちるとか。
(15/07/19)

 案の定JSC有識者会議は政府案丸呑みのシャンシャン大会。始めから賛成派ばっかり集めていたんだろう。三文役人のよくやる手だ。そもそも有識者とはなにか?有識者かどうかの基準などさっぱり判らない。集まってきた有識者はと見ると、訳のわからない音楽家とかサッカー協会のイベント屋など、インテリルンペンか業界の便利屋みたいのばっかり。建築の専門家が一人もいない。シシロウトばっかりテキヤの集会みたいなものだ。しかし国民の8割が現設計を見直すべきと考えている。この結果は内閣支持率や選挙を通じて跳ね返ってくる。
 今の新国立計画は採算無視で、トップが発した言葉を、神のご託宣の如く承る当に神殿のようなものだ。ところで古来民意を無視し、神のお告げに従って巨大建造物を作った国は、必ずその後短期間で滅亡している。例えば万里の長城を作った秦、大運河を作った隋、アクロポリスのパンテノン神殿を作ったアテネ、アレキサンドリアの大灯台を作ったエジプトなどである。巨大都市ゲルマニアを構想したヒトラーは、構想がまとまった数週間後に自殺している。
 新国立競技場でアベ政権もその内自民党も滅亡するだろう。
(15/07/08)

 JSCが例の新国立競技場の件で有識者会議を開き、設計案の説明をしようとしたところ、コンペ審査委員長でザハ案を押した安藤忠雄が突然欠席。敵前逃亡か!昨日の時事通信調査では、81%が設計案を見直すべきと回答。こんなデータが出ておれば、とてもじゃないが、あつかましく会議に出てこれない。敵前逃亡のそしりも止むを得ない。
 さて世論調査に負けて設計案の見直しに踏み切れば、当然ながら文部大臣の下村のクビは危ない。更に下村に原案踏襲を要求した文部官僚の首はなお危ない。ひいては更なる内閣支持率低下に繋がる。これは来年参院選もさることながら、今秋の自民総裁選にも微妙な影を落とす。これはイカン。なんとかせねば!しかしどうやって良いかわからない。
 もしやるなら新国立の主管を文科省から国交省に移し、設計を一からやり直したほうが良い。国際訴訟などどうでも良い。ザハ側がどう云おうと、馬鹿な案は使えないと言ってやればそれで済む。居直りも国際社会では重要なアイテムだ。そのかわり安藤は日本建築界から永久追放だ。それで相手も手を打つだろう。日本の建築界はデザイン重視路線から構築重視の現実路線に立ち戻るべきだ。
 なおラグビーW杯を、横浜国立競技場でやるという説がある。なんと首都圏には国立競技場が二つもあるのだ。こんなことをしておいて、地方創成なんて笑わせる。
(15/07/07)

 IOC委員長までが日本の新国立ゴタゴタ騒ぎに見かねて「当初のデザインに拘らなくても構わない」と助け舟。それにも拘わらず抵抗を続けるのが文部省の役人。何故か!それは文部省が国際コンペで一等を出したザハ案をしりぞければ、自分達の見る眼がなかったと世間からそしられ、メンツが潰れるからである。そんな三流官僚の陰謀にマンマと乗っかる下村は、アホの代表、こんなパーはさっさと首を切るのが天下国家のためだ。昔から宮中や大奥に仕える女は、旦那が稼いできた金をみんな使ってしまうのが仕事だった。文部官僚など大奥奥女中を通り越して、吉原か千住の安女郎みたいなもの。
(15/07/01)

 ワタクシが云ったとおり文部省(敢えて科学は抜きます・・・・あんな非科学的役所に科学の名を与えるべきではない)は、新国立競技場を原案通りで突っ走るつもり。ココロは現実的・科学的判断より、自分達のメンツ守り、責任逃れ。関係政治家にとって事業費が膨れれば膨れるほど、利権は増えるメリットがある。
 ポイントは二重のキール鉄骨だが、実施段階では、ひょっとしてこれがなくなってしまうかもしれない。私ならそうします。一応形だけは原案どおりのフリをして、けっきょくは骨抜き。二重キール鉄骨も開閉式屋根も止めて骨抜き。結局は何がなんだか判らないことになる。無論提案者からクレームが来るかもしれないが、そのときは「いずれやります」と答えておけばよい。
 原案を破棄してもっと安い案にする手もある。このとき提案者から訴えられるのが怖いらしい。訴えられて負けても10億ほど払ってやればよい。それで900億浮けば、その方が安上がりだ。しかし、役人は訴えられて自分のキャリアに傷がつくのを恐れる。だから原案に突っ走るのだ。そのコストを負担するのは、まず第一に東京都民であり、次に全国納税者だ。官僚暴走主義、ここに極まれりだ。なおこんな騒動を作った張本人としてマスコミとかアホのスポーツ評論家・・・例えば玉木とか・・・の責任は大きい。
(15/06/24)

 文部科学省が新国立競技場の設計見直しを表明した。但し現行案に替わる案の提出を1週間に限るという無茶な要求。ン千億に登る巨大プロジェクトの設計変更をたった1週間でやれ、など無茶を通り越してキチガイ沙汰だ。出てきた案は無論細部の詰めが出来ない山勘案になる。
 文科省はそんなことはどうでも良く、既定案で突っ走るつもりではないか?今回の修正表明はそのためのアリバイ作り。へぼ官僚がよく使う手だ。
 背景に森喜朗の鮫頭が介在している可能性がある。こんなアナクロ利権屋をドンに担いでいるようでは、日本スポーツ界の将来はない。
(15/06/22)

 新東京国立競技場問題はとうとう国vs東京都の泥沼バトルに発展。枡添が国による一方的工費負担要求は憲法95条違反だ、と言うと、こんどは文部科学大臣(とてもじゃないが科学が判っている顔ではない)の下村が憲法違反にならない新法を作る、といいだす。チョット待ってくれ、下村の言い分はマージャンで相手に振り込んだら、これは振込みにならないルールにしようというもので、これではとてもじゃないがマージャンは成立しない。
 諸悪の根源は国立競技場改築事業主体である文部科学省が、コンペなるものの意味を理解出来ず、公共事業である改築工事と東京オリンピックやラグビーWCのような営利事業をゴッチャにしてしまったからである。この結果事業費がとてつもなく膨らんでしまった。これは元々洪水調整だけの公共事業ならせいぜい200〜300億ぐらいで済むダムが、あれこれ注文が付いて多目的化して、気が付いた時には1000億とか2000億に膨らんでしまって二進も三進も行かなくなるパターンとそっくりである。要するに過去の失敗を誰も何も学んでいないのである。
 コンペというのは設計者の単なる腕比べ。歌謡コンテストのようなものだ。本人ですらこれが本採用されるなど思ってもいない。そういう作品を出展するのである。
 こんなのアアそうですかと見ておくだけで構わない。実際コンペ一位作品と本採用が異なる例は、東京都庁舎や大阪市役所など幾らでもある。それをコンペ一位だからやらなくてはならないと思うことこそ、もの知らずの田舎者。逆にコンペ応募条件に、工費工期の制限をつけておけば、もっと現実的な案が出てきたかもしれない。
 それをやらなかったのは事業主体である文部科学省の失態。又この程度の基礎知識を助言せず、安易に非現実案を推薦した、審査委員長安藤忠雄の責任も大きい。それに付け込む森喜朗や大八木などは、所謂公共事業を食い物にしてきた自民党守旧派そのもの。森の頭が鮫の頭とすれば、大八木などさだめし恐竜の頭。よくてチンパンジーか。殆どヤクザの所業。まあ、あの二人の顔を見ればヤクザも尻尾巻いて逃げるだろう。今筆者が危惧するのは、下村・森・大八木という1馬鹿2脳なしの所為で、東京オリンピック税なるものが出てくることである。
(15/06/13)

 新東京国立競技場については建設費が1500億だとか1650億だとか、いや実質2700億だとか根拠になる数字そのものが一定しない。ここで面白い話があった。国立競技場の新設と2000億とも3000億とも云われる建設費、それと一部東京都負担(これが本件最大の暗部)については前々代知事の石原シンタローと森喜朗の間に、ウンウンという口約束が「公然の秘密」としてあったというのだ。「公然の秘密」と言うのは、関係者だけは知っているが、一般ピープルには知らされない事実である。
 その文書記録はなにもない。ところが文部科学省はこれを根拠に東京都に地元負担を迫っているのだ。この話がもつれると、最悪東京オリンピック税なるものが出てくる可能性がある。
 シンタローのようなゴキブリ野郎と森のようなシーラカンスが野合してン千億からのプロジェクトを決めてしまったのだ。
 ラグビーの大八木は新東京国立競技場建設が日本のスポーツ文化を向上させるというが、その実態はスポーツには縁もゆかりも無い一部の政治家が裏で談合しているのだ。これが「公然の秘密」である。つまり大八木の言う日本のスポーツ文化とは、即ち政治家の利権文化なのである。日本のラグビーはそこまで堕落したのか?だから何時まで経っても国際大会で勝てない。次のラグビーWCで全敗すれば、世界に大恥をさらすことになる。
 なおこの問題がマスコミで話題になり出すと、当事者の一人石原シンタローはタイミングよく体調不良で入院。自分がヤバクなったときに、政治家やタレントがよく使う手である。
(15/06/08)

 FIFAのブラッターが辞任に追い込まれましたが、それにつけても問題は日本サッカー協会の鈍感ぶりである。アメリカFBIは4年前から内偵を続けていた、と云われる。それが今回のFIFA 疑惑摘発に繋がるのだが、それにも拘わらず日本サッカー協会は何にも考えず、今回のFIFA総会でブラッター支持に傾いた。理由はブラッターはなにかと日本びいきだったから(副会長)。ということは日本からも金が動いたことになるので、FBIの捜査は日本まで及ぶ可能性があることになる。
 筆者が言いたいのはサッカーがどうと言うことではなく、日本人の海外情報摂取能力なのである。和歌山のイルカ騒動だけでなく、日本人は海外での世論の動きに鈍感すぎる。今回のFIFA 騒動でも、FBIとか欧州連合の動きを見れば、世間はドッチの方向に動くか判りそうなものだ。それにも拘わらブラッタ−支持を打ち出した、日本サッカー協会の態度・判断は理解しがたい。ブラッター疑惑は10年越しなのだ。問題は日本協会の情報収集。分析能力なのである。
(15/06/03)

 FIFA幹部の汚職疑惑にアメリカFBIの手が入る。ここで思い起こされるのは、何年前か忘れたが、サッカー日韓共同開催。このときも韓国からFIFA に相当額の金銭が動いたという説がある。それより不思議なのはあの時日本は共同開催にあっさり同意したこと。そのときのスポーツ議員ボスは森喜朗だった。大八木やラグビーフットボール協会はいい加減目を覚まし、森との距離を保ったほうが良い。
(15/05/28)

 本日昼の某民放ニュースショーによれば、新国立競技場の建設費負担を巡って国と東京都が揉めています。ことの発端は国がいきなり都に対し580億円の財政負担を求めて、しかもこれは以前から都も了解済みと云ってきたこと。これに対し枡添はそんな話聞いたことが無いと憤慨。国立施設なんだから国の全額負担が当然と要求。何故こんなことになったのでしょうか?
 新国立競技場を公共事業とすれば、用地買収・周辺整備は地元負担。本体の基礎・構造部分は国、外装等のデコレーション部分は受益者負担となる。国は周辺整備費380億、本体建設費200億を都に要求しているらしい。ところがこの内訳がさっぱり判らない。周辺整備は地元負担が原則としても、その規模・内容は自治体と協議の上で決めるのが常識。それどころか全体工事費すらつかめていない。一般公共工事負担率30%から見る・・・全体工事費は2000億とも3000億とも云われる・・・と、都の負担は将来更に増える可能性が大きい。
 筆者自身の感想としては、元々のコンペで一等になった、イラク人女の設計がでたらめだったのである。そもそもあんな曲線を大胆に使った建造物が2020年までにできあがるか?設計だけで数年懸かる。要するに非現実的空想なのである。これを採用した安藤忠雄のセンスも問題だが、実際現実主義者からの批判が大きく、結局大幅設計変更に追い込まれた。しかしよく考えてみよう。現設計が幾ら非現実的としても到底2000億や3000億にはならない。本体だけならせいぜい数100億、周辺整備を含めても1000億だ。その裏に見え隠れするのが政治家利権の存在。 ではどういういうやり方で建て替えるか?悩んでいるところに突如現れたのが東京オリンピック。これに乗っかれとばかりに現れたのが森喜朗はじめの怪しい政治家たち。
 さてこの問題についてレギュラースピーカーの意見は概ね国に批判的。しかしスポーツ界出身者はそうではないようだ。レギュラーコメンテーターの一人、ラグビーの大八木ははっきり云っている。新国立の建設は2021年ラグビーワールドカップのためだ。オリンピックはそのための通過点だ。彼曰く「皆さんの云うことは新国立の建設費用の問題だけだ、本質的な問題はスポーツ文化を定着させることで、建設費用はそのためのコストだ」.。
 この認識は明らかに間違っている。国立競技場建て替え問題は東京五輪でもラグビーWCでもない。元々は東北太平洋地震で被害が発生したことが発端である。これまで耐震補強工事をサボっていたのだろう。そこで建て替え問題が発生した。補強か建て替えかと比較すると、出来て40年経っている建物なら、立替の方が安く付くというのは常識。それと新国立」競技場が何故スポーツ文化の定着に結びつくのか?これに予算を注ぎ込むと、その他の施設整備に金が廻らなくなり、返ってスポーツ文化が衰退する原因になりかねない。
 更に彼の発言の中にしばしば森先生という言葉が登場する。森先生とは何者か?これは日本ラグビーフットボール協会会長で東京五輪招致委員長でもある、自民党森喜朗のことだ。かつて田中真紀子に、さめの頭とののしられた人物である。図らずも本日TBS昼の番組で、東京五輪やラグビーWCに森ら自民党スポーツ族の利権が絡んでいることが露見してしまった。何故彼がこんなことをテレビで喋ってしまったのか?単に伏見工業だから頭が悪いだけからか?裏があるように思われる。常識的に見ての総建設費1000億に対し、国が見積もっているのが、その2〜3倍。この差額が自民党スポーツ族の裏利権に化けるのです。
 大八木ははっきり云って、森喜朗らスポーツ議員族に絡め取られ、洗脳された広告塔だ。実は大八木と森が裏で結びついていて、利権を山分けしようと相談しているのではあるまいか?
(15/05/2)

 18年韓国平昌冬季五輪の開催について、IOCが施設整備の遅れを理由に日本との分散開催を示唆したところ、韓国は開催返上も辞さないと猛反発。返上したらどうなるんでしょうねえ。何処も引き受け手が無ければ中止だ。IOCとしては大失点である。又韓国は二度と国際イベント招致資格を失うだろう。
 それにしても、以前20年夏季五輪に、広島と長崎が共同開催を提案したところ、IOCは一都市開催という原則を振りかざして、この提案を葬り去った。このケースは分散といっても一国内である。ところが今回のIOC案は二カ国にまたがる。これこそ前代未聞で、五輪精神に反するものである。
 何故か?IOC内に韓国エージェントがいて、自分のミスを日本に押し付けようとする陰謀ではあるまいか。問題は目先の欲に絡んで、この提案に乗ってくる政治家や財界人が出てくるとも限らないことだ。
(14/12/17)

 昨日BSフジ、テーマは羽田の離発着容量増大案。羽田は今でも手一杯なのに、東京五輪がやってくると確実にパンクする。そこでどうすればよいか、と云う話し。メインゲストは交通経済学専門の東大教授。彼が示した図は、着陸コースは東京の北西新宿方面から2系列で羽田に直進、離陸コースは羽田から北東及び南西に分岐するものである。筆者は一瞬、着陸コースはロシアによる東京爆撃計画か、と思ってしまった。
 これに対し、ゲストコメンテーター(批判派)は、離発着量増大に伴う大田区の環境騒音リスクに言及、丁寧な説明が必要とクレーム。これに対し件の東大教授はそれは当然と尤もらしく答えるが、肝心の環境騒音規制値すら知らない・・・この様にアバウトばかりで細部には無頓着というのは、役人に多い。筆者はそれ以外に、着陸ルート下地域(ほぼ東京中央部である)の地価下落とか、それに伴う訴訟リスクなどを直ぐに考えたが、この東大教授始め番組出演者は、誰も思いつかなかったらしい。
 こういうリスクは交通経済学では、最初に採り上げなければならない問題だ。と言うことはこの計画はただの思いつきのいい加減なものだということだ。
 羽田のキャパシテイーが限界に達しているなら、中部や関空の有効利用を考えるべきだし、そのために政治が何をすべきかを提示すべきだろう。羽田がどうなろうと関西には関係無いから、直ぐにチャンネルを切り替えた。
 問題が東京五輪対応なら、関空に対しては奈良・京都見物、中部には富士山観光と東京五輪をパックにしたツアーを促進し、羽田利用数を減らすとか、地域経済振興を諮る位のことを考えられないものか?
 東大教授と云っても、最近増えているのが、官庁にいてその後東大に再就職する期限付き任用制教授。こういうのは主に政府官庁の委託研究をやる。この手の研究は、短期決戦・成果主義研究だからどうしても視野が狭くなり、考え方が官庁的、官僚目線になり勝ちだ。上で挙げた東大教授もこの手の手合いだろう。
 こういうのがアベノミクスのブレーンにいるとしたら、日本の悲劇(いや喜劇か?)だ。
(14/08/14)

 東京都議会での自民議員によるセクハラ発言で、桝添も一緒に笑っていたという報道がある。これは当然リアルタイムで海外にも報道される。ワタクシが前に云ったとおり、桝添という人物は、時ところをわきまえぬアホなのである。今の時代、セクハラ発言は政治家にとって致命傷である。おまけに東京都は7年後にオリンピックを控えている。さてこのセクハラ発言がIOCで採り上げられたら、東京オリンピック中止というケースはあり得るのである。
 要するに、桝添や都議会・・・特に自民党・・・には危機感・緊張感が足りないのである。だからアホ呼ばわりされても仕方がない。
(14/06/20)

 ネットに桝添の記者会見記録が出ていたので読んでみたが、前々から思っていたとおり、ありゃ最低のアホ人間だね。東京都民は何故あんなアホを知事に選んだのか?それは東京都民が、元々が甘やかされて育ってきたのに加え、永年の地方民流入で愚民化が進んだからだろう。
 何処が最低かと言うと、東京オリンピックに関連し、開会中に大地震が起こったらどうするか?という設問に関し、これは全国民の問題だ、とテーマをすり替え責任逃れを図る。これこそ東大ー霞ヶ関官僚の得意技。東京直下地震は東京だけの問題である。阪神淡路大震災の時、東京はこれを国民的課題など云っていない。政府もあれは兵庫県のローカル災害だと、知らぬ顔を決めていたのだ。その証拠が、震災発生後これを災害認定するのに二日も懸かっている。つまり、直下型地震はローカル災害だということだ。
 東京直下地震の30年内発生確率は80%を越えている。つまり何時地震が起こっても不思議ではないのだ。その所為か、東京都はせっせっせと耐震インフラ整備に余念がない。その一方で、東京都は臨海開発始め、再開発にも積極的である。つまり一方で地震の危険性を強調し、その逆で再開発を促進する。そんな危険都市にオリンピックを誘致する事こそ、自体が矛盾の塊である。更にそれをアベ政権が推進すると云うことは、単に票集めだけが目的。
 そもそも東京オリンピックは石原シンタローというボケ老人の強欲から始まったもの。最初は一旦都民から否定されていたのだ。それを12年衆院選で風が変わり、政府が前面に出てきたから具体化しただけなのだ。何故石原シンタローとう欲ボケ老人の思いこみに全国民が付き合わねばならないのか?そこを誤魔化しているから、桝添は最低アホと云われるのである。
 前のイノセと言い、今の桝添と言い、既に決まった事はそのまま継続するというのは、当に霞ヶ関官僚発想。昔山に登りだした時に先輩から、第一に教えられたのは、撤退する勇気を持て、と言うことだった。その勇気はリーダーとして最も重要な資質である。
(14/06/14)

 本日昼にテレビのワイドショーを見ていたら、例によって各国メダル賞金ランキング。その中でゲストの元女子フィギュア選手が、「お金よりも自由に練習出来るリンクが欲しい」。これ伊藤みどり以来の強い要望。それが未だに出来ていないのだ。こんなことで「美しい国」と云えるのかね?
 その中で、仙台のリンクから、荒川静香に続いて羽生弓弦の二人の金メダリストが出ている。又ジャンルは違うが、仙台は田中将大というヒーローを産んだ。田中だって、仙台でなく阪神・巨人に行っておれば、どうなっていたかわからない。
 仙台には若い力を育てる力があるのだろうか?昔2年半ほど、仙台にすんでいたことはあるが、とてもそんな雰囲気を感じたことはなかった。もしあるとすれば、藩祖正宗公以来、武より文化・芸術・学問を尊ぶ伝統とか、大阪のように即結果を求めない雰囲気とかが挙げられるが、それより昔から日本三大不美人産地の筆頭にあげられるように、街に美男美女がいないことが、選手が競技に専念出来る環境を作っているのではあるまいか?と思うのである。
(14/02/21)

 日本のエース浅田真央がソチ五輪で思わぬ大失点。マスコミは「五輪の重圧」などと、責任を五輪に転嫁するが、真の責任は本人にあり、本人自身が一番よく判っているのだ。
 第二次大戦後、アメリカのある提督が、日本軍を評してこういっている。「高級士官は無能だった。彼等は常に同じ戦法で攻めてきた。だから我々はどうやって対処すれば判っていた。一般兵士は精神的に弱かった。最も優れていたのは下士官だった」。浅田はどのカテゴリーに属するのか?いざというときの日本人の精神的もろさが、まともに出てしまった。と言うことは、日本スケート協会は、彼女を兵隊扱いしかしてこなかった、ということだ。これは他の競技についても云える。
 高級士官(協会役員)がやたら多い競技は、いざというときに力を出せない。兵隊だけ競技はある程度までいけるが、その先が伸びない。どうすればよいか?選手を兵隊ではなく、士官・将校として扱うことである。
(14/02/20)

 ロシアボルゴグラードでイスラム過激派による自爆テロ発生。ボルゴグラードは旧スターリングラードで、旧ソ連によるボルガ地方支配の象徴的都市。ここでこんなテロが発生すると云うことは、それだけ強烈な政治メッセージがある、ということ。
 過激派は全力でソチ五輪を阻止すると云っている。選手達は気が気ではないだろう。もし過激派が選手を人質に獲って立てこもったとすると、ロシア内務省は選手を犠牲にしても、過激派を制圧するだろう。選手にとって危険なのは、過激派より、プーチンである。
 こういうときこそ、国家指導者は現地に赴き、選手達を励まさなくてはならない。ところが、アベは怖気を振るって、やれ「北方領土の日」*だとかマイナーな理由で五輪出席を拒否。こういうところが長州人の臆病さ・意気地無さの現れ。いざとなったら責任を他に押しつけて逃げ出すのだ。
*ソチ五輪開会式に「北方領土の日」を理由に出席拒否すると云うことは、ロシアに喧嘩を売ったも同然。つまり日露首脳会談など当面はあり得ない
こうなればアメリカも面倒は見きれない。「失望」では済まされない。EUも対日批判シフトだから、68年を経て、再び戦勝五カ国による対日包囲網が形成される。
 これを打開するには、サンフランシスコ条約以上の全面降伏受諾が必要になる。まさかシンタローもここまでは読めなかっただろう。
(13/12/30)

 このところロシアが、やけに物わかりが良くなっている。この間、アンチプーチンのロックバンドに恩赦を与えたかと思うと、今度は拘留中の石油王ホドルコフスキーを釈放した。いきなりプーチンが鳩派路線に転換したのか?まさか。ポイントはソチ五輪である。プーチンの相次ぐ人権派弾圧に対し、アメリカはオバマのソチ五輪開会式出席見合わせを表明した。これにつれてフランスやEUも同様の措置をとる、と表明。折角の五輪開会式に、欧米各国首脳が来ないでは、プーチンとしても恰好がつかない。モスクワ五輪の二の舞は踏みたくないのである。この結果が、一連の恩赦措置。但し五輪が終われば、また元に戻るかも知れないのである。そうなれば、今度はロシアが五輪から追放される番になるかもしれない。
 さて、ここで大きな問題がもう一つある。ソチの4年後の冬季五輪は韓国開催。会場は、名前は覚えていないが、北朝鮮国境近く。一昨日、北朝鮮は韓国に対し、予告なき攻撃を予告した。こんなことが5年後まで続けば、選手も観客も怖がってやってこない。韓国経済は大打撃だ。北朝鮮はこれを狙って、韓国から大幅援助を引き出す作戦か?
(13/12/21)

 東京オリンピック経済効果(つまりおこぼれ)の目玉商品が、国立競技場の建て替え。国際コンペに出したところ、一等になったのが、なんと総額3000億に登ることが判って大騒動。問題の始まりは事業主体(これが何者かよく判らないのである)が、出した応募条件に風呂敷を広げすぎたことにある。そもそも国立競技場で、公共事業なのだから、発注者は国になる。コンペ公募の前に、国が公募条件を綿密に審査すべきなのである。それをサボってきたから、こんな騒ぎになったのだ。
 この種のトラブルで多いのが、必要条件・・・例えば収容人数とか・・・は細かく要求するが、制約条件・・・用地や環境・法規制等・・・は曖昧にする。まして総費用などアバウトで、応募者だってよく判らないケースが多い。まして法規制など、海外の建築屋が判るはずがない。だから蓋を開けてから揉めるのである。その理由は募集側にその分野での専門家がいないことである。シロートが勝手にアイデアを作って、勝手に外に流すことが最近多すぎる。これは福島第一原発の処理が、いまだにもたついていることと共通する。この原因は福島事故以来・・・というよりコイズミ改革以来・・・世間に流行った、専門家不信、専門家性悪説にある。確かに専門家は性悪である。そうでなければ専門家にはなれない。シロートが夢を追いかけるなら、専門家は足下の現実を見つめる。キリストとルシファーの関係のようなものだ。キリストが信者に夢を与えたのだ。それが3000億の免罪符になってしまった。今更ルシファーにお願いできますかねえ?お願いしてもよいが、その時は魂を差し出さなくてはならない。
(13/11/10)

 おこぼれ精神は日本だけかと思っていたら、海の向こうでもチャッカリ。中国・韓国はIOC総会から一日遅れで漸く祝電。「政治とスポーツは別だ」と白々しい言い訳。両方とも、どうすべきか、侃々諤々の議論があったことは容易に想像できます。一つは歴史認識を盾に、東京オリンピックボイコットを叫ぶ民族派。主に左派だね。反対にこんな事でボイコットなんてやったら、国家の品位を落とす、というのが国際派。オリンピックをボイコットすれば、日本の経済効果、つまり我が国にとっての商機を、みすみす見逃す事になる。この際恥を忍んで、おこぼれを頂戴しようと言うのが、無思想経済合理派。結局経済合理派の主張が通って、一日遅れの祝電になったのだ。”正しい歴史認識”も”民族の誇り”も、経済的打算マネーの前には勝てなかったという例である。
(13/09/12)

 東京オリンピックで大阪じゃ早速、波及効果期待発言が相次ぐ。波及効果と言えばカッコ良いが、要するにおこぼれ頂戴のアマエタ精神。こんなことで大阪再生が出来ると思っておるのか!こんな東京スリヨリ分け前頂戴路線を造ったのが、あの諸悪の根元堺屋太一である。彼の罪は、人からプライドを抜き去って、目先の金儲けだけに奔らしたことである。即ち人間の乞食化である。
 ところがこれ、大阪だけじゃない。日本中みんな波及効果期待。つまり日本国中一億総乞食化が進む。これが東京オリンピックなのである。
(13/09/10)


 東京オリンピックが決まって、さて隣国の様子はどうかと思ってネットを開いてみると、出るは出るは、中韓両国の東京開催反対ブログ。特に酷いのは韓国で、なかには「中韓で東京ボイコット」なんてのもあるし、いまだに各国メデイアに反対メールを送っているのもいる。
 何故韓国でこんなに反日感情が高まったのか?一般にはノムヒョン以来の内政の失敗を、日本につけ回ししようとして、日本に断られたからだ、と云われる。それもあるだろうが、韓国人は本気で日本に再び征服されるのではないか、と思っているフシ*もある。何故そう思うのか?そして何故病的なまでに反日感情が高まるのか?筆者はそれは占いとキムチの食べ過ぎではないか、と思っている。朴クネの出身地である慶尚道は今もなお、民間朴占が強い地域。朴という姓自体、占い師の家系かもしれない。キムチのような唐辛子過多の食べ物を食っておれば、アドレナリン過多になっても不思議ではない。
*これは実は中国共産党内部にも共通する。根深い日本コンプレックスである。朝鮮戦争当時、毛沢東は本気で”日本軍”がやってくると思っていたらしい。
(13/09/09)


 20年東京オリンピック招致で、関係者は大騒ぎだが、ワタクシのような年齢になると、将来オリンピック税が出てくるのじゃないかと、つい疑ってしまうのである。消費税増税分の2%がオリンピックへだ。シンタローとイノセの法螺に騙されてだ。
 それと必要経費は他府県にマル投げしないでしょうねえ。とんでもない、国家的事業だから北海道から沖縄まで、皆さんにご負担願います。そして一番負担するのが、明治維新の時と同じ中部・近畿。頭が悪く勉強不足の橋した君には、全く判らないでしょう。
 皆さん、そんなこと心配しないみたいですねえ。幸せで結構。
(13/09/08)

20年五輪決定前に、国際記者会見で俄に沸き起こった汚染水質問。マドリードやイスタンブールには殆ど質問が出ず、東京ばかりに集中するのは、別に放射能が怖いのじゃでなく、東京にやらせたくないという低レベルの差別意識。
 西欧人は表面ではきれい事を云うが、実態はコンプレックスの固まりの偽善者。その醜悪振りを赤裸々に表したのが、ヒトラーとナチス。西欧人は永久に、その呪縛から逃れられないだろう。

(13/09/07)

 筆者は20年東京オリンピックなど興味はないが、ネット情報じゃマドリード優位。これまで東京がトップだったが、いきなりの汚染水報道で逆風。イスタンブールの少数派公園伐採騒ぎと言い、背景にフリーメーソンのような、なにやらユダヤ一神教の陰謀が感じられる。
 それはともかく、外国人にとっては、東京と福島との距離や違いは全く理解出来ず、皆同じに見えるらしい。そういえば筆者も昔仙台に転勤したとき、実際に住んでみると、短期間の旅行や地図だけで思っていたより、遙かに東北は広いと実感した。そして1年後には一口で東北と言っても、その中には様々な暮らしや言葉があり、多様性に富んでいることが判ったのである。キリスト教で画一化された欧米人や、中央集権に慣らされた東京人には、地域の多様性が理解出来ないのである。明治維新に次ぐ画一化の総仕上げが道州制。ワタクシが道州制に反対する理由がこれです

(13/09/06)