アラビア半島南西端の山脈・・・・ブロック1
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ブロック1は、アラビアの砂漠と紅海に挟まれた山岳地帯です。地形は東から1)アラビアの砂漠、2)中央の山岳地、 3)紅海と山岳地に挟まれた海岸平野に分かれます。2)中央の山岳地の中に広い平原が発達しています。これにより、山岳地は東西二つの山脈に分かれます。東の山脈と中央平原との間には、直線的な崖が発達しています。この崖は何者でしょう?又、東の山脈の南東端に妙な円形の地形が見られます。これも何者でしょう? |
(a) 東西の山脈に挟まれた、中央平原のアップです。この中に小さいコブ状の地形が見られます。これは火山の跡です。つまり、この平原はかつての火山脈だったのです。 |
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現在アラビア半島どころかイェーメンでも火山活動は見られません。では、この火山群は何処で出来たのでしょうか? アラビア半島は2000万年前の中新世から、アフリカ大陸から分離を始めたと考えられています。左上の図は現在のアフリカ大陸と、イエーメンとの関係。アフリカ大陸側で黒線で囲った部分が所謂「アファー三角帯」です。 アラビア半島をずらしてアファー三角帯に重ねると、ピッタリ一致します。 中央平原で見られた火山列の位置は、今のアフリカ大陸端の海岸線に沿ったものだということが解ります。 ではここが何処かというとアファー三角帯の中の、ダナキルアルプスにほぼ相当します。 2000万年の昔、まだアラビア半島がアフリカ大陸の一部だった頃、この付近には活発な火山活動があった。アラビア半島が次第に引き離されると、元の火山は活動を停止した。しかし、アフリカ大陸に残された部分では、なおも活動が継続し、今のアファー三角帯に見られる火山帯が形成された。 |
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(b) 中央平原と東北の山脈との境界には、WNW-ESE方向に直線の崖が走っています。 これを切って、NNW-SSE方向、NE-SW、ENE-WSW方向の断列系が走っていることが判ります。割れ目の密度はかなり高く、大きな地殻変動(つまり地震活動)があったことを伺わせます。 平原と山脈との境界は、殆ど「中央構造線」ではないかと思わせます。 図の左上隅に、なにやら判らない環状構造が見えます。 |
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(c) 上で示した環状構造の拡大斜め映像です。円形に山脈がならんでいます。山脈を切る構造がありますが、これは(b)で示した山脈の中の断列系です。つまり、この円形山脈は、断列系が出来る前にはあったことになります。一体これは何でしょう?太古の巨大隕石の衝突後でしょうか?それとも太古の火山活動の跡でしょうか? なお、イエーメン南部には、この種の地形が他にも幾つもあります。 |
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