アラビア半島の南の端・・・・・ブロック6

 このブロックはアファー三角帯を通じて、直接ソマリアやエチオピア高地と接触していた地域です。
 内陸の山岳地帯、それと紅海・アラビア海に挟まれる海岸平野地帯に分かれます。海岸平野には沢山の大規模扇状地の発達が見られます。
a)











 ブロック5で見られた主断裂系の南方延長です。これに斜交する構造が、写真の左上と右下に見られます。どちらも断層と考えて差し支えないと思いますが、これがいつ頃出来たかが問題でしょう。断裂のシャープさから見ると、かなり新しい時代、おそらく第四期以降。つまり、何時地震・・・それも相当大きい・・・が起こっても不思議ではないというレベルです。
 つまり、地殻変動が非常に活発なブロックと云えるでしょう。
b)











 アラビア海に注ぐ扇状地。上流では扇頂に沿って、中〜下流では周辺に広く緑地帯が広がっています。
 扇状地の下には地下水が豊富に賦存されていると考えて不思議ではありません。
c)









b)の西、アラビア海の海岸平野の北に隣接するブロック。暗色部と淡灰色部が複雑に入り組んでいます。前者はおそらく付加帯の岩石、後者は石灰岩台地と想像されます。
 画面中央に、NE-SW方向に平行する帯状の構造が非常に顕著です。帯の中の、暗色部の中に淡灰色の部分が見えます。これは何でしょう?
d)










c)のアップです。左下にNNW-SSE方向に谷が入り、その廻りに急な崖があります。この崖を見ると、淡灰色部がほぼ垂直に入っていることが判ります。従って、これは暗色の基盤岩に貫入したフェルシックなダイクと想像されます。
 なお、この崖に直交する谷があります。崖を境に微妙に流路がずれています。これだけ見ると、この崖は左オフセットの活断層になります。
e)







 b)の帯状構造の南に見える淡灰色部。見て判るとおり、これは石灰岩台地は顕か。これと北の帯状構造との境界は、シャープでNE落ちの高角度の断層と考えられます。
 石灰岩台地の中にも、共役構造が見られます。この点からも、この地域の地殻変動が活発だったことが伺われます。
 なお、このような割れ目の発達状況から見て、石灰岩中に洞窟が発生したことが容易に想像出来ます。このような洞窟が、かつての「アリババと40人の盗賊」の舞台になったり、現代ではアルカイダの秘密潜伏基地になったかもしれません。

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