平成30年大阪北部地震の真実(高槻市)

技術士(応用理学) 横井和夫


 相変わらず、今回の大阪北部地震を、次の大地震あるいは南海トラフ地震の前触れという説が巷にあふれている。筆者が思うに、これらの地震前触れ説は殆ど占いかマジナイのレベル。どのようにも解釈できるという点で、ノストラダムスと変わらない。みんな揃ってノストラダムスをやっているのだ。
 今回の地震と南海トラフ地震が結びつく科学的根拠は何もない。南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートの先端は、未だ紀伊半島の奥あたり。これが紀伊半島中部や先端あたりだと、その可能性は高くなる。とても大阪高槻辺りでは無理だ。
 それより、先月26日に新潟県西部で起こったM6.2の地震の方が気になる。地震規模は大阪北部の倍ぐらいはあるが、誰も注目しない。場所から云って、フォッサマグナ地震の前触れである可能性は高い。フォッサマグナの活動が活発化すると、富士山爆発の可能性だってある。それより、リニア新幹線始め、国土主要動脈が寸断される。上町断層どころの話ではない。またこの活動は一回では済まず、少なくとも数千年にわたって継続する。数万年後か数10万年後には、日本列島は東西に分裂しているかもしれない。
(18/06/27) 

 平成30年大阪北部地震は、マスコミには「巨大地震「という言葉がおどっているが、規模はM6.1に過ぎず、地震としては平凡なものである。不幸にして犠牲になったり、負傷された人もいるが、京都・大阪に挟まれた社会資本の集中地域にも拘わらず、被害は少なかった。これは平成5年阪神淡路大震災以後、都市の耐震化が進んだためと思われる。
 ところが妙なことを云うのがいる。テレビに出てきて「今後、有馬高槻構造線(ATL)と、上町断層や生駒山地西縁活断層帯が連動して、より大きな地震が発生する可能性がある」と宣う地震専門家がいる。今後、有馬高槻構造線沿いに、より大きな地震が発生するかについては誰も反論・否定はできない。しかし「今後」というのが何時なのか、直近・・・日・週単位・・・か、あるいは数か月後か、あるいは数年又は数10年先のことなのか?それをはっきり云わない。だから、ただのアリバイ作りではないかと、疑われてしまう。
 また、その専門家が示した図では,、ATLと上町断層・生駒断層がくっついている。ところが筆者はこれまでこんな図は見たことがない。念のため、産総研や地理院の活断層マップをみても、そんな図はない。筆者自身の経験でも、これら3断層が地表レベルでくっついている証拠はない。つまり、この専門家の云うことはフェイクなのである。
 大きな災害特に地震では、このような根拠不確かな情報が、テレビやネットうを通じて一般家庭に入り込む。それはテレビは、より派手な情報を好むことと、内部に情報を批判出来る能力のある人材がいないからである。かくて怪しいお話が拡散していくのである。
(18/06/24)

今、ネットサイトには茨木市「緑の森公園」で、謎のクラックが50mに渉って発生したという情報が流れています。すわ活断層かと云いたいところですかそうではありません。

1、まず「緑の森公園」は竜王山に近く、「有馬高槻構造線」とはかなり離れています。映像を見ると、クラックが発生した箇所は盛土地盤と考えられます。
2、又クラックを境に、片側がやや沈下している。
3、地表地震断層では、地表面に特徴的なクラックが発生するが、そのようなものはみられない。
4、第一、M6.1程度の地震では、地表地震断層を作るほどのエネルギーはない。
 おそらくこのクラックを境に盛土の厚さがことなっており、地震動によって、盛土の厚い部分が圧縮されて沈下した、一種の動圧密と考えられます。あまり気にしないように。但し、この盛土の端が斜面になっておれば、クラックから雨水が浸透すると、地すべりに発展しかねない。特に今週後半の降雨は要注意。
 この盛土が何時出来たか分からないが、大阪府は盛土の作り方をよく分かっていないように思われる。盛土というのは、只土を運んで盛ればよいというものではない。
1)まず軟弱地盤の撤去・改良、地下排水管の設置などの基礎処理をやり、盛土の規模に応じて、法先や堤内に砕石堰堤などを設置して盛土を補強する。
2)更に竪管や排水管を設置して、盛土内の水抜きを測る。最後に盛土自身を管理基準値に従って、締め固める。
 このように、結構複雑な構造を持ち、煩雑な工程を辿るのである。それでも事故が起こるときは起こる。その時の対策も怠らないように。大阪府は、かつてN.Kのような盛土の素人を宅地審議会のボス委員にしていたから、技術的に後れをとったのだろう。
(18/06/19

 高槻市内」には、地震等緊急時に備えた取水施設が数か所あります。しかしそのどれも、今回の地震で使用された形跡は在りません。それどろか何年も点検整備はほったらかしていたのは明らか。市もこんな施設があるのを知らないのではあるまいか?こんなことで、いくら地方創成と叫んでも、無駄金をばらまくだけだ。
(18/06/20)

   JR高槻駅前、松坂屋脇の取水施設。中央の黄色いポールに挟まれた鉄蓋がそれ。10年程前にここで、地震時対策用の井戸が掘られた。
 それ以来使っていないのは明らか。
  城址公園入口にある非常用貯水槽のコンクリート製の蓋。空けた様子はない。 
   非常用貯水槽の案内板
   貯水槽の入り口は二か所ありますが、どちらも使った形跡はない。
  道路を挟んで反対側にある取水施設。ここでは10年程前に井戸を掘っていた。それを水道管を通して、反対側の貯水槽に送ることになっているのだろうが、どうなっているのか?
   帰りがけに市役所前を通ったら、ガス管復旧の試掘をやっていました。写真を見る通り、ガス管裏込め土は、大阪層群起源と見られる粒径のそろった砂。この手の砂は締固めが出来ず、少し剪断力が働くと、簡単に粒子が移動する。
 そもそも高槻市中心部は軟弱地盤で地震時変位が大きい。そこにこのような締固めが出来ない土を使うものだから、ガス管が共振してしまう。その結果、この地域の復旧が遅れたのである。
 筆者の地域が復旧したのは06/21の夕方。丸四日経ってからだ。ガス管の裏込めにも注意を払っておいた方が良い。
(18/06/22)

 今朝地震があった。起きて見るとやけに空がうるさい。新聞社か何処かのヘリだろうと思っていたら、高槻で水道管が破裂したらしい。カミサンに聞くと、我が家から1㎞ほど南に下った府道らしい。そこで昼から見に行きました。すると周囲は警察が規制を掛けていて、全面通行止め。回り道をしてやっと現場が見えるところまで来ると、大勢のマスコミが集まっている。一応現地とその周辺を見たところ、大体5分くらいで原因が解り、帰りがけには対策案の三つくらいが出てきました。ワアワア騒ぐほどの大した事故ではない。詳しくは後程。
1、帰りに買い物をしようとスーパーに寄ったところ、午前中は地震で休業したためが、大変な行列。おまけにみんな普段より買い物の量が多い。これは午前中テレビで、専門家と称するモノ知らずが、熊本地震を引き合いに出して、今後同じような規模の地震が起こるかもしれないなどと脅すものだから、みんな買いだめに奔ったのだろう。
 そもそも日本の地震学者とか地球物理屋は、地震のことを知らなさ過ぎる。熊本地震と今回の地震を並べるなどナンセンスも甚だしい。もっと地震を勉強するように。
2、市立小学校プールのブロック塀が倒れて、女児が下敷きになって死亡した。昭和52年宮城県沖地震で、同様の事故が多く発生したため、建築基準法が変わって、ブロック塀でも基礎を作り、縦鉄筋を通すようになった。本件ブロック塀はそのどれも行っていなかったようだ。つまり手抜き工事である。高槻市がこれを見逃していたとすれば、行政不作為による過失致死となる。警察の捜査が必要である。
3、大阪府の松井が自衛隊に災害派遣を要請。一体何処に災害が発生したのかね?EVが止まったり、道路が陥没したりしたのは、警察や消防で事足りる。あんなちっぽけな地震でオタオタするなど、所詮八尾のヤンキー上りは口先だけでまるっきり度胸がない。長州のアベも、口先だけでモリ・カケのように都合の悪いことは逃げまくる。これも口先だけで、からっきしだらしがない。似た者同士、気が合うだろう。
(18/06/18)

    本日朝の地震(7:59)で止まった我が家の時計。少し進んでいます。震源断層はおそらく「有馬高槻構造線」で、進源位置は我が家から北へ1~2㎞離れたところ。M5.9ということだから、大きくもなくちいさくもない中途半端地震。大阪らしい。昼から検分に行ってきます。
(18/06/18)