若狭湾の活断層


 白木の「もんじゅ」活断層調査が始まりましたが、テレビや新聞を見ていると、一つの露頭(トレンチ)に大勢が集まり、当に「群盲象をなでる」状態。ラッシュの環状線並みだ。こんなやり方で、まともな調査が出来るのでしょうか?私ならお断りですね。こんな調査を計画・指示した人間のセンスを疑いたい。自分で地質調査をやったことがないのじゃないか?
 本来地質調査と言うものは、1フィールドは一人に任せるべきである。その一人の選び方が問題なだけである。
(13/07/19
)

右の図は、このほど電力各社が国に報告した原発耐震性再評価の内、若狭湾で新たに活断層と認定したものの分布です(4/01、毎日新聞朝刊の切り抜き)。ワタクシが云いたいのは、これらの断層を活断層と認定するのに、何故こんなに時間が懸かったのか?ということです。海底活断層であるC及びF0-Aは調査に時間が懸かるため、ある程度やむを得ない面はあるが、それでも時間が懸かりすぎている。だから、本当は判っていたのに隠していたんじゃないかと疑われるのである。陸上に一部現れている「浦底ー内池見断層」に至っては地形図を一目見れば誰でも判る。「白木ー丹生断層」は今から30年ほど前、何かの拍子でこの辺りの地形図を見ていた時に、「これは活断層じゃ」と判定した。ところが、その頃の「日本の活断層」では両方とも見事に消されていたのである。それ以来、この断層についてはいささかひっかかっていた。それがやっと日の目を見たか。ワタクシの活断層判定能力に間違いはなかったのだ。
 そもそも、原発やダムなどのビッグプロジェクトの周りの活断層は消されているケースが多い。他に近畿地方では、滋賀県の大戸川ダムに近接する「大戸川断層」*がある。こういうことが起こるのは「日本の活断層」のスポンサーが電力会社や旧建設省だったことの名残である。某大教授が事実上引退したからその呪縛が融けたか?それとも中越沖地震の影響で、国も電力会社もついにあきらめたか?のどちらかだろう。
 ワタクシは今「天瀬再開発」に若干関係している。これにあれこれ云う人はいるが、「天瀬ダム」に関係して問題になるのは「黄檗断層」だけと考えて良い。他にも断層は沢山あるが、これに比べればゴミみたいなもの。
「大戸川断層」;滋賀県大戸川本流に沿う断層であるが、ダムサイトでは断層破砕帯が数条に別れ、どれが主断層かよく判らない。筆者は、かつて大戸川の北岸地域を調査したことがあり、ここに顕著な断層があることを確認し「大戸川北岸断層」と呼んだ。この断層は一部で河川争奪を起こしており、活断層であることは顕かである、

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