イラクの失敗
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                                         混乱の始まり
・・・・何故こうなったかは、ブッシュを始めコイズミもブレアもアベも前原も、中東紛争の歴史を全く勉強していないからである。勉強していないから、横からそれらしい話しを聞かされるとその気になって、ますます深みにはまりこむ。認知症レベルの老人が詐欺師の甘言に乗って、財産を皆はたいてしまうのと同じパターンなのだ。
 まず、現在の対テロ戦争の発端が9.11テロということは、誰でも判る。では9.11テロの原因になったことは何か、と云うとパレステナ問題である。この問題の始まりは古く複雑で、第一次大戦まで行ってしまうのだが、それは別にしても1980年代のレーガン戦略にその遠因がある。それまでの世界は米ソ冷戦という奇妙な対立均衡状態にあった。この状態を一番上手く利用したのが、誰あろう、我が日本国なのである。ところがこのカリフォルニア出身の頭のおかしい元三流西部劇役者が大統領になって、この均衡を潰してしまった。東欧ソ連崩壊である。社会主義体制は崩壊したが、その変わり台頭してきたのが、欧州各国の右傾化と個別民族主義である。その標的になったのが、東欧旧ソ連地区のユダヤ人。同じ頃、東アフリカでもスーダン、ソマリアにイスラム原理主義政権が誕生し、アフリカ系ユダヤ人に対する迫害が始まった。
 これに対し、イスラエル政府は、紛争地域のユダヤ人、ユダヤ教徒に対しパレステナ帰還運動を始めた。その結果、イスラエルの人口が急速に増加した。問題は急増した新イスラエル人を何処に住まわせるか、である。これに対し、イスラエル政府はこれまでパレステナ人地区との緩衝地帯だった非武装地区への入植を始めた。当然パレステナ人側からの反発を買い、自爆テロを含む報復が始まる(いわゆるインテファーダ。第6次中東戦争とも呼ばれる)。
 これに対しイスラエルはパレステナ人地区への軍事侵攻で答える。いわゆる報復の連鎖である。これはクリントン政権が仲介に立って、一旦和平が実現する(オスロ合意)。ところが、イスラエルのネタニエフ首相がユダヤ教極右のテロに倒れ、あとを襲ったシャロンが強硬派だったから、和平合意は元の木阿弥。おまけに01年アメリカ大統領になったG.W.ブッシュはパレステナ問題に無関心。おまけに「イスラエル人にも生きる権利がある」とか、「シャロンは平和の人」などと、無神経なことを放言するものだから、パレステナ人やアラブ人(特にイスラム原理主義者)の反発を買ってしまった。これが9.11の原因なのである。その原因はこれまで民主党に奪われっぱなしだった大統領を取り返すために、ユダヤ票が欲しかっただけである。
 それから先はボタンの掛け違いの連続。つまり現在の対テロ戦争は、ブッシュが自ら撒いた種なのである。ブッシュはイスラエルというちっぽけな国に拘り、ユダヤ人と宗教右派の票が欲しいばっかりに、パレステナという狭い地域に限定しておけば解決出来る問題を、イスラム対欧米という解決不可能な国際問題に拡大してしまった。これがそもそもの間違いである。更に問題は、今の世界に、ブッシュに対し以上のことを直言出来る人材がいないことである。

 アメリカ陸軍参謀大学(日本の自衛隊高等幕僚課程)のようなもの?)で、ある人物が、日本の原爆投下やドイツドレスデン無差別爆撃を例にとって、イスラム教徒にも無差別攻撃を仕掛けるべきだ、と講義して大問題。この人物、第二次大戦について全く勉強していない。大戦末期、日本もドイツも全く経戦能力を持っていなかった。原爆もドレスデン爆撃も余計な仕事で、戦争終結を早めるには全く効果は無かった、というのが現代の常識。
 では、こんな馬鹿げたこと云った本人は一体どんな人物でしょう?おそらくユダヤ人、それも原理主義的ユダヤ教徒。イスラエルのプロパガンダのために、わざわざこんな話しをしたのだろう。こういう偏った人物に講義させたという点に、米軍当局のセンスも疑われる。大統領選を控えて、保守系議員による押し込みもあり得る。日本でも戦前に軍部学校に皇道派学者が押し掛け講義をやって、将校・生徒を国粋主義に洗脳したことがある。その結果があの敗戦だ。
(12/05/18)

シリア反体制派の拠点ホムスが陥落。アサドは勝利宣言。これを聞いて、私はスペイン市民戦争を想い出しました。あの時も英米仏は何もせず傍観するのみ。ヒトラーのやりたい放題にさせた。しかし、市民義勇兵は参加した。今回はそれもない。スペインの敗北はその後のナチの勃興を促した。さて、今回は?幾ら何でもアサド独裁が何時までも続くわけはない。中国・ロシアの支援も当てにはならない。世の中行くところに行くのである。これが「全応力理論」なのだが、判っていない人が多すぎる。
(12/03/01)

 中国がシリア反政府組織を招いて何やら相談しているらしい。こんな付け焼き刃はやらない方がまし。当たり前だが、狙いは見え見え。相手に足下を見透かされるだけ。何しろ相手は名うてのアラブ商人だ。
(12/02/10)

 連日ニュース国際欄を賑やかせているのがシリア情勢。その中でも中ロ二カ国の鈍感振りが際だつ。彼等は未だ、リビアから何も学び取らず、相変わらず敵の敵は味方、という冷戦思考に浸っているようだ。
 リビア騒動では、反カダフィ派支援に消極的だった中ロや、カダフィに入れ込みすぎた韓国は、その後リビア石油市場から追い出されてしまった。シリアではアサドが国民を5000人以上も殺している。こんな政権が何時までも無事で居られるわけがない。いずれ新政権が産まれるが、それは反アサド派で占められるのに決まっている。彼等はアサド批判国連決議に反対したり、サボった国を決して忘れない。おまけに、この決議を提出したのは、なにも欧米だけではない。アフリカ連盟が深く関与している。シリアにも石油は出るし、アフリカ諸国は、中国が喉から手が出るほど欲しい地下資源産出国が多い。アサド失脚後、中・ロはアフリカ市場からも追い出されるおそれがある。中国の天下も風前の灯火。それも中国指導部が自ら招いたのである。胡・温は、目先の利害に囚われて判断をミスったな。
(12/02/09)

カダフィが殺されました。みんな独裁者の最後と讃えていますが、一体誰が彼を独裁者に仕立てたのでしょうか?独裁者になるためには、それにふさわしいカリスマ性が必要です。それだけでは独裁者にもなれず、40年間も地位を維持することは出来ない。そのためには、それなりの経済力と軍事力が必要です。に経済力を与えたのは、欧米石油資本軍事力を与えたのは、イタリア・フランス・エジプト・旧ソ連(ロシア)という、リビアと利権を共有する各国です。カダフィとその周辺はこれを裏切りと感じるでしょう。いずれ、復讐が始まるはずです。
 と、ロシアが予言している。まさか、ロシアが旧カダフィ派を支援して、ゲリラ戦を始めようというのではないでしょうねえ。
(11/10/21)


 中世以来、ユダヤ人はキリスト教徒に寄附して長らえてきました。但し、長らえたのは寄附が出来る資産家だけ。出来ないものはゲットーに閉じこめられ、最後はアウシュビッツに送られた。これこそ、ユダヤ的格差社会の象徴。
 NYから始まった反格差デモは全世界に飛び火しています。ソロスやパフェットなど資産家は、彼等に理解を示していますが、これこそユダヤ的二股膏薬。世間がどっちに転んでも自分だけは生き延びようと云う算段。
 自分こそ現代の格差社会を作った立て役者だ。ところが、ナイーブな貧乏人ほど、こういう美談に騙されやすい。従って、この騒ぎもいずれ有耶無耶。世間は再び格差社会に戻るだろう。
(11/10/16)

 イエーメンでアルカイダNO2が殺されて、独裁者ののサレハが辞任の可能性をほのめかす。いよいよアルカイダ対民主化勢力の直接対決か?これに対し中国は「話し合いの解決」を望む。エライ平和主義的提案だね。自分の周りには強面で臨むのに、中東・アフリカには低姿勢。 何故か?中国が擁護する政権は、リビアのカダフィやイエーメンのサレハの様な独裁強権政治。アメリカ人権外交の敵だ。中国と共通している。その隙をついて、これまで相当投資や賄賂攻勢を仕掛けていたのだろう。そして、これらの強権政権は、みんなアルカイダのようなイスラム原理主義勢力を押さえつけてきた。中国だって、西域地方でのイスラム原理主義の活動は気に懸かる。有り難い同盟者なのだ。それが民主化で潰れてしまえば、これまでの努力は何だったのだ?かといって、自ら軍事介入するわけにも行かず、「話し合いの解決」てな中途半端声明しか出せないのだ。中国も段々尻に火がついてきたか?そして皆さんは、アフリカ・中東世界での、ジャスミン革命イコール民主化要求運動の背景に、アメリカの意志が無かったと考える程ナイーブではないと思います。オバマの意志か?昨年ノーベル平和賞の意地か?
(11/10/12)


 リビアに対し英仏が急接近。目的はカダフィ後の石油利権狙いという説がもっぱら。そんなことだと思ったよ。もうこれは昔から繰り返された腐敗の方程式旧政権を倒し、新政権を創る。そこに誰かが食い込んで利権を増やす。ところが、こんなことは直ぐにバレル。そして、新政権は分裂し混乱の再生産。フィリピンでもインドネシアでも繰り返されたパターン。問題はそこに第三国が介入することである。当事国内の混乱なら、その中でも収束が可能だが第三国が介入するとそうはいかない。今回は英仏が介入していくようだ。これはカダフィ派の反帝国主義主張を容認する原因になる。やり方を間違えれば、リビアは英仏に於けるイラク戦争になりかねない。サルコジもイギリス首相(名前を忘れてしまった)もアホだから、自分が何をしようとしているのが判らないのだろう。
(11/09/16)

 本日は9.11事件10周年記念日。石原ノブテルはこの事件を歴史的必然などと、使い古されたマルクス主義用語を使って早速ブーング。中東の反イスラエルテロを、歴史的必然と見るのは明らかに間違い。実はレーガン・ブッシュという二人の愚かな共和党員がユダヤ人票を狙って犯した過ち、それをリードしたネオコンやキリスト教原理主義者の圧力、そしてランド研究所やハドソン研究所のような、共和党系民間シンクタンクの誤誘導の複合要因です。
 但し、将来イスラエル国家がパレスチナから追い出されるのは、「歴史的必然」と呼んでも良いかもしれない。
(11/09/11)


 リビアトリポリ陥落で、反カダフィ派は中国・ロシアに対し今後の石油参入を排除すると声明。中国はカダフィに入れ込みすぎた。同じ事はスーダンにも云える。韓国もチョットトロイ。今景気の良い政権というのは、実は極めて不安定なのだ。こんなこと、国際政治のイロハのイと思っていたのだが、実は誰も解っていなかったのだ。胡も温もだ。今解っている人間を認定するのは難しい。しかしその逆は何とかなる。今一番世の中を解っていないのは、ロシアのメドだろう。
(11/08/23)

 リビアトリポリ陥落間近で、中国が(渋々)反体制派政権を容認。韓国はどうだったかねえ?従来、リビアに入れ込んでいた国々は、ヨーロッパではイタリア始め地中海諸国とロシア。アジアでは中国と韓国。特に中国は、リビアに3万人以上の要員を送り込み、関係は半端ではない。韓国だって、石油利権を巡って相当カダフィに賄賂を送っているはずだ。カダフィ没落で、これらの投資が一挙の焦げ付くおそれが出てきた。
 さてどうするか?ワタクシが思うに、新政権に対し、カダフィ時代と同じ賄賂攻勢を掛け、利権維持に努めるのではあるまいか?
(11/08/22)

 今中国が資源目当てに、米軍撤退後のアフガニスタン経済進出を目論んでいると考えられている。アフガニスタンが地下資源の宝庫であることは、筆者は既に三年前に指摘しています。そして、中国もまた、ソ連・アメリカの轍を踏むか?
(11/07/30)

 ノルウェー大量殺人事件のブレイビク容疑者が、「日本は世界で唯一の単一民族主義国家」だと褒めそやす。これには伏線がある。ヒトラーが「我が闘争」の中で触れた東洋国家は日本だけ。彼は日本をアジア唯一の非ユダヤ国家主義・民族主義国家と評した。しかし、日本人をドイツ人と同列視したわけではない。彼は日本民族を文化創造者であるアーリア民族の次ぎのランクの文化維持者と位置付けた。無論、ユダヤ人やアフリカ人は最下位の文化破壊者である。
 しかし、その日本も「ユダヤ人は自分達の至福1000年王国の中に、日本の様な国家主義国家が残っているのを憚り、それ故自分自身の独裁が始められる前にきっちり日本が絶滅されるよう願っているのである」「従って彼等はかつてドイツに対して行ったと同様に、日本に対し諸民族を扇動し・・・民主主義の宣伝と『日本の軍国主義・天皇制打倒!』の鬨の声の下に、絶滅戦を準備することもあり得るのである」。ブレイビクの云う国際主義・他民族国家をヒトラーの国際ユダヤ主義、現代のグローバリズム・自由主義経済に置き換えれば、現在の日本が置かれた立場は、当にヒトラーの予言通りである。
(11/07/26) 

 突然ノルウェーで起こった爆弾テロ事件。犯人は極右で、アルカイダと無関係と云われている。狙われたのは、与党労働党とその支持団体。皆さんはヨーロッパ人特に北欧人に対する認識を改めるべきです。北欧人精神の根底にあるのは、白人優越人種差別主義であり、それはナチズムに結びつく。ヨーロッパで最も積極的にナチズムを受け入れたのは、オランダ・デンマーク・ノルウエー・スウェーデンら北欧諸国である。戦後これら各国はナチによる侵略を受けた被害者と主張しているが、実態はとんでもない。事実北欧諸国から次のようなノルマン系義勇武装親衛隊(所謂Waffen SS)が組織されている。
・SS第5装甲師団(ヴィーキング)
・SS第11装甲擲弾兵師団(ノルトラント)
・SS第23装甲擲弾兵師団(ネーデルラント)
・SS第28装甲擲弾兵師団(ワロニエ)
・SS第34擲弾兵師団(ラント・シュトルム・ネーデルラント)
 等も又ナチの共同者だったのだ。アンネフランクは誰によってナチに売られたか?ドイツ人ではなく近くにいたオランダ人によってだ。
 血はは争えぬものだ。事実、ヒトラー自身ナチズムの本質を血の純潔を守る事だ主張している。ナチは死んだがナチズムは生きている。
(11/07/23)

オバマが来年夏までにアフガンから3.3万人の撤退を発表。これを聞いてブッシュはどう思ったでしょうか?ビン・ラデインを殺すまでに11年懸かっている。しかも当面の敵タリバンは未だ健在。ブッシュがでっち上げたカルザイ政権は腐敗でどうにもならない。あの頃、来日したカルザイを指して「カッコ良い」とか「服装のセンスを日本の政治家も見習わなくては」などとピント外れの馬鹿を云ったオンナ評論家がいた(名前は忘れたが)。だからオンナは馬鹿と云われるのだ。反省せよ。結局、アフガン戦争は終局が曖昧なままに終わってしまった。結局はブッシュの敗北にカウントされるだろう。何故負けたか?それは政治とビジネスを混同したからである。中でもコンドリーサ・ライスの単細胞とアホさ加減には恐れ入った。あんな馬鹿オンナ見たことがない。管が進める再生エネルギー促進法もこれの典型。従って、これも敗北するだろう。
(11/06/23)

 アフガニスタン政府がタリバンと協議開始という報道がある。ワタクシはこれこそがビン・ラデイン殺害事件の本質と考えています(「イラクの失敗」05/02)。あの事件はアメリカーパキスタンーアフガニスタン(カルザイ政権+タリバン)による壮大なヤラセなのです。
(11/06/19
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 ラデイン殺害後、オバマが語ったビン・ラデインをかくまった、何らかのネットワークとはなんでしょう?当たり前ですが、パキスタン軍情報部・治安機関のことです。オバマはそれを露骨に云えないから、間接表現で終わらせたのです。
(11/05/09)


 
常識で考えれば、何故ラデインが今まで10年近く逃げ仰せたのか、それが不思議。ワタクシ・・・だけでなく多くの一般人・・・は、ラデインは国境近くの洞窟とか、或いは街のバザールの奥深く潜んでいたと思っていた。何故なら、アメリカが持つ偵察衛星でも見つからなかったからである。処が見つかったのは、首都の近くの都市郊外。おまけに高級住宅街の一画で、しかも周りには軍事施設が一杯ある箇所の広大な屋敷だった。このことをパキスタン軍部や政府が知らなかった、なんてことある筈がないでしょう。ラデインは両者の了承もしくは保護の下に、ここに住んでいたのです。そう考えるのが、世間の常識。
 しかし、ラデインはアフガン戦争が始まった時から、この屋敷にいたのでしょうか?この屋敷が建設されたのは、報道によれば、今から4年前と云われる。4年前と言えばブッシュドクトリンで、米軍のイラク撤兵とアフガン増派が始まった年。この頃から米軍のパキスタンへの越境攻撃が始まった。おそらく、それまでは国境近くの辺境地帯に潜んでいたと思われる。ところで、この辺境地帯というのは、部族とパキスタン軍部(情報部と治安組織)が実質的に支配する特殊地帯。アフガン戦争開始以来、ラデインはこの地域にパキスタン軍の庇護の下に隠れ潜んでいたのだろう。その後のブッシュによるアフガン増派以来、米軍の越境攻撃が盛んになり、この地域も安全ではなくなり、パキスタン軍の手引きで首都近くの別荘に避難してきた。
 ところがなにかの理由で、パキスタン軍部にとって、ラデインを何時までもかくまっている必要が無くなった。その結果、アメリカによるラデイン殺害を容認するに至った。その証拠は、40分に及ぶ銃撃戦と、その後の遺体持ち出しに至る間、パキスタン軍も警察も何も手出しもせず、アメリカ側のやりたい放題に任せたことです。40分は長い。現地の軍や警察が気がつかない筈がない。こんなこと、軍・政府の了解なしではあり得ない。その理由は何でしょう?まず考えられるのは、パキスタンにとって、これ以上ラデインをかくまっているメリットが無くなった、ということです。パキスタンは核実験以来、西側、特にアメリカの経済・軍事援助を断ち切られてきた。それが終わったのは、アフガン戦争でパキスタン領内の自由交通権をアメリカに与えてから。これによって、パキスタンは再びアメリカの援助を受けられるようになった。これの隠し球として利用出来たのがビン・ラデイン。ラデインを生かして置く限り、アフガン戦争は終わらない。戦争が終わらない限り、パキスタン軍はアメリカから協力金を得られる。まあ、日本でも公共事業などでよく見られる自民党議員及びヤクザの論理だね。しかしアメリカだって何時までも黙って金を払い続ける訳にはいかない(特に今のアメリカは財政状況が厳しい)。そこでCIAがラデインの居場所を突き止めたことをネタに、パキスタン軍と政府を脅した。CIAがラデインが居るのを突き止めたのが2年前と云われる。その間2年何をしていたのでしょうか?ラデイン処分とパキスタン援助に関する交渉でしょう。それがまとまったので今回のの行動。無論お互い見返りはある。このところ中国と関係を深め、軍備特に海軍の拡張に余念のないインドへの牽制。ここでパキスタン海軍を増強して、インド洋自由通行権を確保する。古典的海上帝国主義の延長だが、パキスタンにとっても重要課題。オバマにとっても、次の大統領選は頂いたようなものだから、どっちにとっても損はしない。
(11/05/03)

アメリカがとうとうヴィン・ラデインを殺害。ゲバラ処刑以来のCIAの大戦果。この結果がどうなるか、色々見方が別れています。一つは(1)シンボルを無くしたことによるアルカイダ組織の弱体化。これの行方はイスラム過激主義の分裂と国際テロの収束。一方(2)報復テロが活発化し、却って世界の治安は不安定化する。実際には、まず(2)が先行し、次いで(1)に移行するでしょう。ラデインの跡目をだれが継ぐのかよく判らない。おそらく後継者争いによる内ゲバが発生し、その過程で自爆テロが多発するでしょう。要するに殉教者を如何に多く作ったかで手柄を争う訳だ。しかし、そんな何時までも続けていけるわけがない。一般メンバーから反発が起こり結果として分裂。後は一つ一つ潰して行けばよい。
 なお、今回の事件の裏にパキスタン軍情報部が、協力していないわけがない(戦闘時にパキスタン軍ヘリが墜落したという報道がある)。そうだとすると、タリバン穏健派の協力があった可能性もある。何故なら、パキスタン軍情報部とタリバンとは、表裏一体の関係。タリバンもアルカイダもスンニ派原理主義だが、タリバンはアフガン民族主義を基盤とする。一方、アルカイダは外人部隊の集まり。そもそも肌がが合わなかったのだろう。実はタリバンもアルカイダにうんざりしたのではあるまいか。もしそうだとすると、アメリカとタリバンが裏で手を握ったことになる。この結果、カルザイ政権の立場は微妙になる。一方ここ1〜2年、カルザイはアメリカ批判を強めている。つまり、タリバンへの保険を掛けているわけだ。しかし、アメリカはとっくにカルザイ政権を見放しているから、カルザイのクビと引き替えにアフガン撤兵の実を取ったのではあるまいか?カルザイよりは次の大統領選のほうが大事だ、ウン。何となく、この事件の裏には、アメリカーパキスタンーアフガニスタン(カルザイ政権+タリバン)による壮大なヤラセ疑惑が感じられるのである。
 ラデイン殺害で一番びくついているのが、キムジョンイルやカダフィ、チャベスのような反米独裁者。アメリカ人はその気になれば、徹底的にやるという恐怖。日本人もそこまで出来れば良いのだが、この東洋の君主国は、何事も中途半端。自己満足で終わり。
(11/05/02)

皆さんはランド研究所というアメリカのシンクタンクをご存じでしょうか?これは、アメリカが他国に武力干渉するときに必ず現れる保守系シンクタンク。そもそもは、アイン・ランドというチョットおかしい超反共女流作家が主催したサークルが、保守系財界の支援を受けて出来たもの。古くはベトナム戦争当時、ドミノ理論を発表してアメリカを泥沼に導いた。最近では自由と民主主義拡大理論を用いて、アメリカを泥沼のイラク戦争に誤誘導した。ブッシュの「不安定の弧」という理論もおそらくランド研製。これを見るとおり、この研究所の理論は常に失敗している。さて、今回のリビア騒動に対するアメリカの軍事介入。背景にランド研が無ければ、オバマは成功するでしょう。そして、ランド研は干渉していないと思われます。何故なら、ランド研のパートナーは常に共和党、民主党はライバルだから。
(11/03/23)

 世界中が東北太平洋沖地震で大騒ぎしている間に、カダフィは着々と失地回復。何故か?まず先般の国連安保理で、中ロがリビア制裁に反対したこと肝心のアメリカも慎重姿勢を示したことから、カダフィは相手は与し易しと見て、反転攻勢に出たのだろう。相手の様子を見て駆け引きするのは、当にヤクザの手口。欧米もアフリカのチンピラに舐められたものだ。
次に考えられるのは、世間に潜ってカダフィを支援する勢力があること。サウジ、スーダン、シリア、ベネズエラ辺りは怪しい。これら各国は資金だけでなく、義勇兵も送り込んでいる可能性がある。
(11/03/14)

 リビア情勢が一進一退。意外に長引くかも。ここでやるなら兵糧攻めだな。海はNATO軍で封鎖(理由は何とでも付けられるし、そもそもカダフィ側はろくな海軍を持っていない)。陸上を封鎖して食糧・燃料の流入を防ぐ。無論カダフィ側は有力な戦車と空軍を利用して突破を計るだろうが、その時は一旦退却し後方で待機。敵はその内燃料が無くなるので引き返す。そしてその後に穴を又埋める。これを何度か繰り返せば、相手は根負けして白旗を掲げる。
 豊臣秀吉なら、この段階で敵に内通者を作り、内部からの切り崩しを計るだろう。
(11/03/10)

 リーダー無き革命。現在進行中の中東騒動がそれです。果たしてこれが上手くいくのか?失敗例を挙げておきましょう。それは19世紀始め、インドで起こったスパーフィーの叛乱(日本ではセポイの乱と言った方が一般的)。北インドに駐屯するベンガル連隊で起こった些細なトラブルが大騒ぎとなって、インド傭兵(スパーフィー)の反英大叛乱に発展。あっという間に首都デリーが陥落した。処が、明確なリーダーも指導テーゼも無かったので、早速始まったのが内輪もめ。その内、皇帝側の裏切りや仲間の離反もあって、弱体化。イギリス軍の反撃にあって敢えなく挫折。結局皇帝は追放され、インドはイギリスの植民地になってしまった。
 この騒動を脇から見ていたのが、当時ロンドンタイムス特派員だったカール・マルクス。彼は後に、この失敗を前衛(共産党)の指導が無かったためと結論。共産党宣言に発展する。
 さて、今回の中東大革命。マルクスの予言通りとなるか、それとも新しいパラダイムを切り開くきっかけとなるか?
(11/03/01)

カダフィのウクライナ人愛人がリビアを脱出。カダフィ最愛と云うが、このウクライナ女が、カダフィより金目当てだったのは顕か。中国人だけでなく、ロシア人ウクライナ人など、旧共産圏民は信用してはならないという一例。
 資本主義を否定した彼等旧共産圏民が、資本主義民以上に資本主義的行動に奔るのは何故か?
 あのロシアのアンナチャップマンだって、今はプーチンにちやほやされていい気になっているが、プーチンとメドが仲違いを始め、怪しくなるとどうなるか判らない。
(11/02/28)

 今回の中東騒動で驚かされるのは欧米・中ロ各国の情報能力の劣化。チュニジアから始まった騒動がどうなるか、はっきり見通した国は一つもない。アメリカにしてもエジプト問題が漸く収束に向かいつつある頃にやっと態度表明。中ロに至っては未だ事態把握が出来ていない。
 何故各国情報機関がダメになったかというと、ソ連東欧崩壊で情報活動の主眼が、政治情報から経済情報に移ったからである。その最もお粗末典型が韓国。先日、韓国情報部員がインドネシア経済訪問団宿舎に忍び込んで、次期訓練機予算情報を盗もうとしたら、ホテルの警備員とガッチンコして、警察に突き出された。アホとしか云いようがない。
 経済情報員の欠点は、市民の内部に潜り込んで本音を探ろうとはせず、経済統計とかその国の経済エリートの意見など、表面情報ばかりを集めてリポートにして事足れり、とする慣習である。この結果、最近先進国情報機関は失敗ばかりを積み重ねている。その典型はエシェロンという盗聴装置。今回の中東争乱で、これが只の役立たずの木偶の棒の税金泥棒であることが明らかになりました。
 どうでも良い話しですが、例のカダフィガールズには、アラブ系・アフリカ系以外に金髪のヨーロッパ系もいる。なかなか良いオンナ揃いだ。ジョンイルと良い勝負。独裁者はメンクイが揃っているのか?さて、彼女達は何処からきたのか?ベルルスコーニの紹介でイタリアから、なんてのが一番ある話し。事ここに及んで、このイタリア娘達の運命や如何に?
(11/02/26)

 革命→反動→第二次革命。これは世界史でよく見られるパターンです。例えば1917ロシア革命。三月革命で社民党主導政権が出来たが、旧体制下の資本家・官僚が復活してきたために、その秋ボリシェビキによる10月革命となった。それに似た状況が今中東で出ています。チュニジアでもエジプトでも、独裁者は追放できたが、暫定政権には相変わらず旧体制下での実力者が居座っている。従って、この後再び揺り戻しがあって、第二次革命になるでしょう(今年の夏くらいか?)。しかし、それでもアルカイダのような過激派の影響が強くなるとは思っていません。何故なら、今のところイスラム原理主義の臭いがしないからです。
(11/02/25

 次第に狭まるカダフィ包囲網。これに一番どきどきしているのが、金ジョンイル。明日は我が身だ。同じような気分が湾岸のアラブの王様達。彼等は断頭台の露と消えたルイ16世の気分だろう。そもそもUAEの王様達は元を糺せば、ペルシャ湾を根城にしていた海賊の子孫。海賊は捕まれば縛り首が常道。先祖の悪業の報いが今、自分に降りかかってきたようなものだ。一時的な石油高騰で我が世の春を謳ったが、哀れなもので、明日は海の藻屑か、砂漠でジャッカルの餌か。
 もっと厳しいのが中国。今の繁栄はここ1〜2年で終わり、中東情勢の影響如何では、2〜3年後には中国共産党政権は崩壊し、劉暁波大統領が誕生しているかもしれません。そうなったら、彼のノーベル賞受賞式をサボった連中はどんな顔をするでしょうか?はたまた、日本でも今の中国政権に媚びを売った連中も同様。なお、筆者はチュニジアで騒ぎが起こった二日後に、エジプト・リビア・サウジへの飛び火を予測しています。それに倣えば、中国・北朝鮮への飛び火は十分あること。それどころか、ベラルーシ、ロシア、タジキスタン他旧ソ連圏独裁国家への飛び火も十分あり得ます。ロシア再分裂か?!あんな国、潰れるのは時間の問題。その時、北方領土はどうなるか?柿は熟して落ちてくるのを待てばよい。
(11/02/24)

 リビアが大騒動で面白くなってきました。これは数学で云えば、カオス理論が国際政治に、どのような影響を及ぼすかどうかの実験でもあります。例の鳩山普天間方便も、実はこれを実験したかったのではあるまいか?処が意に反してカオスの風は吹かなかった?何故か?民族の差があるのかもしれない。
 それはそうとして、今一番どっきりは中国。この民主化風が、中国にどういう影響を与えるか未だ判らない。最近、経団連幹部と管が会談したが、そこで経団連は相変わらずの中国一遍道論。経団連というより、ノーテン団蓮と云ったほうがよいだろう。それをホイホイと聞く管も管だ。
 中国バブルは後15年続くと言った民主党議員がいたが、15年も続くバブルは歴史上存在しない。中国好景気はせいぜい後5年。今の中東民主化騒ぎが伝染すると(その可能性は十分ある)、下手すると今年中にもおかしくなるかもしれない。そのあげくは、中国は再び分裂し、内戦になる事態もあり得る。今早く手を打たねばならないのは、中国からの逃げだし、チャイナレス社会の構築だ。なお、この騒ぎ、いずれロシアにも飛び火するでしょう。
 リビアではとうとう韓国人労働者住宅が襲われた(韓国は今の時代でも援助物件に自国労働者を使っているのだ。大韓航空機事件当時と変わらない)。今回の騒ぎは経済問題に加えて民族問題がある。その内、韓国人だけじゃなく、中国人やベトナム人・インド人も襲われるだろう。
(11/02/21)

中東情勢がまだまだゴタゴタ。バーレーンは国王が浮き足だって、野党と手打ちしようと画策中だが、リビアはなかなか。カダフィは今回は強硬手段でデモを抑えきるかもしれないが、奴も最早69才。後長くはない。彼が死んだとき、その後はどうなるかは判らない。カダフィは息子を後継者にしたいらしいが、そう上手くいくか?。北朝鮮の世襲が続くのは、あの国が農業国家で儒教社会だから。実力がものを云うアラブ遊牧世界で、それが通用するとは限らない。今回は乗り切れたとしても、あと2〜3年後に又やってくる。
 忘れてはならないのは、人間には寿命があること。そしてどんな独裁者も人間であること。
(11/02/20)


 
金ジョンイルが訪朝中の中国公安担当相と会談。何を話し合っていたのでしょうか?チュニジア・エジプトで起こった政権転覆、更にイラン他中東で起こっている反政府運動への対応策でしょう。さて結論は?エジプトの場合、首都を脱出したムバラクは、早くも健康状態悪化と伝えられる(少し早すぎる。毒物をやられたか?死人に口なしで誰かに消された可能性もある)。早晩、親族・側近の主なものは逮捕され、資産も凍結されるだろう。ムバラク資産を管理していたのが誰かよく判らないが、ゴールドマンサックスとか英米系投資ファンドなどは当然マークされる。ムバラク資産は700億ドルとも云われる。半端な数字ではない。これには様々な国の様々な機関が関与して、一つの巨大腐敗コネクションを構成していたと考えられる。これが凍結されるとムバラクショックだ?この影響がイラン・中央アジアを経由して、中国・北朝鮮に伝染するのが一番怖い。イスラエルやロシアだって例外ではない。あのダイアナ妃死亡の時、同乗していたのはエジプト人自称実業家。彼は一体何者だ?全く顕かではない。彼もムバラクコネクションの一員だったかもしれない。果たして、この事件は21世紀最大のスキャンダルに発展するでしょうか?
(11/02/15)

 
エジプト報道映像を見ていると、街の警戒に当たっているエジプト軍戦車は旧式のアメリカ製M60。去る第四次中東戦争シナイ戦線で、エジプト軍のソ連製戦車(確かT57)はイスラエル軍戦車(イギリス製だったかもしれない)にコテンパンにやられてしまった。その理由は中部ヨーロッパの平原を想定して作られたソ連製戦車が、起伏の激しい砂丘が連続する砂漠戦に適応していなかったからである。それにも拘わらず、ソ連はこの役立たず戦車の代金をエジプトに請求した。それでサダトが怒ってソ連と手を切り、アメリカに乗り換えたのが実態という説がある。ソ連の前科はまだあって、朝鮮戦争の時、北朝鮮援助武器代金を中国に請求して、それで毛沢東が怒って、その後の中ソ対立の原因になったという説がある。このようにロシア人というのは金に汚いのだ。そしてロシア製工業製品は安くて頑丈なだけが取り柄で、性能と安全性は無視。ロシア製原子炉など信用出来ますか?未だに新幹線が作れない国なのだ。
 なお、中東戦争の後、中東諸国が俄に注目したのが日本の74式中戦車。サウジからは実際に引き合いがあったらしい。しかし、防衛庁かアメリカか何処から邪魔が入って、この商談はパーになった。
(11/02/12)

オバマは辞めろ辞めろと言うが、一向に辞める気配はないのがエジプトのムバラク。そりゃ当たり前で、昔からアラブ世界では権力者が権力を捨てると、彼を待っているのは”死”のみ。彼はサダムの処刑をみている。サダムはある時期、中東最大のアメリカ協力者だった。それをアメリカは・・・ブッシュが支持率欲しくて・・・いともさっぱりと切り捨てた。誰だってサダムの二の舞にはなりたくない。常に最も悪い先例を作るのは、アメリカなのである。
 今彼を受け入れられるのはイスラエルぐらいしかないだろう。思い切って、イスラエルに亡命するか?
(11/02/05)

 今度はヨルダンで国王が内閣を更迭して民主化促進を指示。そういう一時しのぎの姑息手段を何時までやっても意味はない。サウジを始め中東・湾岸王政諸国は、西欧=日本型立憲君主制に移行すべきである。早い方がよい。サウジのように国王一族に政治・経済・軍事全ての権限が集中するのは、国家の安定にとってむしろ有害である。
 さて、この結果はアラブ諸国から中央アジアの独裁強権国家に波及する可能性が高い。例えばキルギスとか、ウズベキスタンなど中国の近隣諸国だ。そして中国が重点的に経済援助を行っているのも、このタイプの国が多い。中国はこれらの国に中国型統治システムを売り込んできた。今回の騒ぎはそのシステムの終わりの始まりかもしれない。今頃、北京ではカンカンがくがくかもしれないが、元々パクリだけで独自の発想が出来なかった二級民族だ。どうにもならないだろう。
(11/02/02)

 エジプト争乱でイスラム原理主義の台頭を懸念する声があるが、筆者はそうはならないのではないか、と考えている。但し今の処。理由はチュニジアもそうだが、反政府運動の主張は主に物価経済問題、失業問題、民主化問題、政府の腐敗追及でパレスチナ問題は上がっていない。そして、同じアラブでもエジプトを始めとする北アフリカ諸国は・・・昔からヨーロッパに近いせいか・・・政治的成熟度が高い。今更イスラム原理主義でもないだろう。エジプトでは軍部が民衆側に付いた(チュニジアも)のは重要。軍部の権威を維持さえ出来れば、おそらくこの騒ぎはイラン型革命ではなく、ソ連・東欧型民主化で収束する可能性がある。その為には如何にアメリカが我慢出来るかが問題。イランの場合はアメリカのチョンボ。軍を見捨てたばっかりに原理主義者に乗っ取られた。うっかりイスラエルの口車に乗れば、イラン型になってしまう恐れがある。そして、ソ連・東欧型を一番恐れているのが中国。
(11/02/01)

  チュニジアでクーデターが起こって、一番どっきりしたのは中国じゃないかと、本欄で書いたらどうやら本当らしい(中国ではチュニジアーエジプト関連報道は規制中)。チュニジア騒ぎがエジプトに飛び火し、さて次は何処か、というのが多分CIAの興味の的。20世紀始めの西欧型民主主義に対抗したのがソ連・中国型一党独裁制社会主義。今の中国は自身の経済的成功をバックに新興国に対し、「統治主義」という政治モデルを売り込んでいる。長期独裁政権にとって、中国型が望ましいのは云うまでもない。中国型統治主義と、かつてのアジア型開発独裁とはニュアンスが異なる。後者は少なくともアメリカの支持を得、且つ弱いながらも野党は存在していた。中国型は基本は反米・反西欧、野党の存在は認めない強権主義が基本。今度のチュニジア・エジプト騒動で中国型モデルが崩壊する可能性がある。さて、中国市場重視だったS&Pはどう格付けをするのでしょうか?
 そしてベネズエラのチャベスよ、どうするか?いずれキューバに亡命か!
(11/01/30)

エジプト反政府デモで死者発生。一方はデモ隊の投石で治安部隊員が死亡と云うし、一方は治安部隊のゴム弾で死亡と言う。そもそも投石やゴム弾で人が死ぬ訳がない。双方とも、もっと強力な武器を使ったに違いない。
(11/01/26)

チュニジアで前大統領が事実上追放されたが、事態がこれで収まるかどうか判りません。そもそも23年間も独裁を続けておれば、その周囲に膨大な利権組織が生まれている。彼等が黙っているはずがない。必ず反撃してくる。その隙を狙って前大統領復活というケースもないではない。新政権が何処まで旧利権組織を抑えきれるかが問題だ。新政権を欧米が支持したとき、中国・ロシアが旧大統領派支持に廻る可能性だってなきにしもあらず。独裁と利権!これは永遠のテーマだな。北朝鮮も中国も皆同じ。日本だって戦後半世紀以上続いた自民党独裁が膨大な利権組織を産み、その結果自民党 の敗北になった。そして利権組織は必ず復活する。最近の自民支持率アップを見るとその徴候か?
(11/01/17)


 チュニジアで実質クーデター事件。前大統領は23年間に渉って独裁を続けていたが、遂にアウト。ところでこれに似た政権がエジプトやリビアやアルジェリア。特にエジプトは親米独裁路線を採ってきたからチュニジアとよく似ている。チュニジア事件が周辺に飛び火する可能性がある。
 ではこれら親米独裁政権が倒れたらどうなるか?当たり前だがイスラム原理主義の台頭。最終的にはサウジまで行く可能性だってある。さて、こうなると、中東への原発輸出は正しい方策だったかどうかも、もう一度考え直さなければならないだろう。韓国がどうなろうと日本には関係ない。
 そして一番どっきりしたのが中国かも判りません。
(11/01/15)

先日、「アメリカがアフガンから撤退したら今度は中国がやってくる」と書いたら早速、アメリカは14年以降もアフガン駐留を続けると発表。別にホワイトハウスがこのHPを見ているとは思いませんが(いや、エシェロンを通して監視されているかも判りません)、やっとアメリカも中国の危険性に気がついたか?しかし、ゲーツは未だ気がついていないみたいだ。
(11/01/13)

アフガンで拉致されたフリージャーナリストが解放され、そのインタビューが先日(10/09/12)のニュースフロンテイア。彼は、拉致犯人が日本語が分からないことを利用して、日本大使館側に「犯人はタリバンではない。拉致犯人はカルザイ側の武装勢力。身代金を払わないように、一回払うと癖になって同じことを繰り返す」と証言。ところがその後出てきた鈴木宗男は「これは日本政府からのアフガンへの50億ドル」支援が効いたんですよね。」と自分の手柄話。要するに、拉致犯人はカルザイ側で、それに金を渡したのを自ら認めたものと同じ。さすがに「疑惑の総合商社鈴木宗男らしい」。日本は今後もカルザイ政権の腐敗に手を貸したことになる。今後、非カルザイ政権が成立すれば、日本とアフガンの関係はややこしくなる。その原因を作ったのは、鈴木宗男である。こんな人間は2年どころか、10年か15年ぐらい刑務所に放り込んだ方が良い。なお、アフガニスタンは様々な鉱物資源の宝庫である。
(10/09/14)

コーランを焼くと云ったり、止めたと云ったり、またまた延期だと云ったり。行ったりきたりのアメリカ人牧師。本当に焼きたければ、自分や仲間と一緒に勝手にやればよい。それをわざわざメデイアに露出したのは、売名目的のパフォーマンスだろう。原理主義プロテスタントというのは、しばしば、はた迷惑な宗派なのだ。
 福音派というのは、よく知らないが、ルーツは確かオランダ人ではなかったか?キリスト教徒の中でもかなり、孤立したセクトだった。宗教戦争の後、アメリカに渡り、19世紀に教勢を延ばし、特にブッシュ政権下で大拡張した。
(10/09/10)


 米軍のイラク撤退を期に、イラク戦争開始に関わった関係者が、それぞれ自分の当時の思いを述べています。しかし、ワタクシの思うところ、みんな嘘です。イラク戦争の本質はJ.W.ブッシュによるサダムへの復讐です。湾岸戦争以来、オヤジのブッシュはサダムに散々恥をかかされた。その所為で再選を果たせなかった。一度話しを付けなくちゃならんと、しかしなかなかチャンスがない。そこへ突然起こったのが9.11テロ。これはチャンスだ。それらしい理屈をくっつけろ、とNSAとかCIAに圧力を懸ける。そこで彼等が飛びついたのが大量破壊兵器。ブッシュもしめしめ。よし行こう!と言うわけだ。当にテキサス人らしいやり方。そういえば、シェーンを始め西部劇の主なテーマは「復讐」なのだ。
(10/09/02)


 ホワイトハウス最長老記者のトーマス氏が「ユダヤ人はパレスチナから出て行け」と怒鳴って、クビになりました。ワタクシはトーマス氏の意見に賛成です。何故なら、今パレスチナにいるユダヤ人の殆どは、ユダヤ人の仮面を被ったフランク人だからです。金髪で肌が白いユダヤ人などあり得ません。シオニズムなど、近現代が作ったヨタ話です。フランク人はいずれ、パレスチナから追放されるでしょう。
(10/06/08)

 イスラエルによるガザ支援船襲撃。あの国は常に何かに脅えているのだ。何故か?三界に家無し民族だからである。アダムの長男カインは神に逆らって、農業、度量衡、貨幣、利子を発明し巨富を得た。それ以来ユダヤ人は神に見放された。今も市場原理主義、グローバリズムの名の下に、神を小馬鹿にしている。
 なお、この件でトルコが強硬に出る可能性がある。十字軍時代、最終的にパレスチナのキリスト教徒を追い出したのは、トルコ人傭兵に率いられたエジプト軍。その間アラブは手をこまねいて仲違いばかり。中にはキリスト教徒と手を組むものまで現れた。今とおなじだよ。
(10/06/01)

女ヒトラーペイリン
 元アラスカ州知事のペイリンが本日ABCとのインタビューで、イスラエルのエルサレム入植支持を明言。その理由は「今後イスラエルの人口は増える。居住区を確保する権利はある」。それがパレスチナ人の土地でもですか?という問いに「だれの土地であろうと、ユダヤ人居住地は必要だ」と返答。これはかつて、ヒトラーがズデーデンやポーランドの割譲、ロシア・ウクライナ支配を正当化したときの論理と同じ。いよいよ、ヒトラーの呪いがユダヤ人に乗り移ってきたようですな。
(09/11/18)


 アルカイダがウイグル問題について、反中国聖戦の発動を宣言。更に世界中のイスラム過激派に対し、同聖戦への援助と参加を勧告。という報道が主に韓国系メデイアを通じて流されているが、日本では一向に報道されない。鳩山新政権が中国寄り姿勢を示していること、中国や欧米メデイアが無視していることにおもねって無視しているのでしょうか?もしそうなら、日本のマスコミは報道機関を名乗る資格はない。それは今に始まったことではなく、日本のマスコミは明治以来、力の強いものにペコペコが本業だから仕方がないが。
 筆者は昨年8月のカシュガル暴動時に、背景にアルカイダが影響していると観ていたので、今更別に驚く事ではないが、ラデインが明確に声明したことは、実質上の対中宣戦布告。さて、日米欧はどう対応するか?昨年時点では、中国の人権問題を見据えて、欧米は一致して中国批判、ウイグル支持を表明していた。しかし、日本福田内閣は相変わらずの曖昧ヘナヘナ。次の麻生はかなり明確に欧米(ウイグル)寄り姿勢を示した。民主党はどうだったか?実はよく判らないのである。相変わらずの外交オンチ。
 さて、アルカイダがウイグル介入を表明したことによって、事態は急展開し、対応の仕方によっては第二のアフガン戦争に匹敵する大混乱を招くだろう。
1)昨年8月暴動時点では、西側は中国人権問題だけをターゲットにしておけば良かった。
2)しかし、アルカイダ介入が本格化すると、中国はウイグル問題を民族独立弾圧から対テロ戦にすり替え、自己の行動を正当化するだろう。
3)更にアルカイダやイスラム過激派の浸透が活発化すると、西側はウイグル独立派支援の大義名分を失うことになる。
4)一方、昨年来の経済危機で、日米欧経済は中国の旺盛な内需と消費に、頼らざるを得ない状況にある。ウイグル支持に傾けば、欧米が間接的にアルカイダのテロを支援することになり、中国から逆経済制裁を受けることになる。
5)結局、中国と人権とアルカイダの間に挟まって米欧は身動きがとれなくなり、最期は、西側諸国はウイグルを見捨てるだろう。その結果、ウイグル独立派は更に過激路線への傾斜を強めることになる。
6)その結果、アフガニスタンからトルクメニスタン、中国ウイグル自治区に至る広範囲が第二のアフガニスタン状態となり、アメリカはこの地域から何も得ずに撤兵する。そして、この地域は以後、チンギスハーンによって征服されるまで、そしてモンゴルが滅亡しチムールによって統合されるまでの、無政府状態に戻るだろう。
(09/10/10)

オバマは議会02/25議会演説で、イラクからの早期撤退を表明。事実上イラク戦争の失敗を認めた形だろう。何故、失敗と言えるかと云うと、(1)後に残されたイラク政権が必ずしも親米一遍道とは云えない、(2)イラク国民も必ずしも米軍駐留を望んでいない、(3)武装勢力によるテロが根絶されたわけではない。ここで、(1)(2)はかつての日本とは全く異なる。ブッシュはイラク戦争を始めるに当たって、かつての日本占領イメージをだぶらせ、イラクが日本の様になると考えた。ところが現実は全く正反対。イラク人は日本人のよう対米追従主義ではなく、自主独立の道を選択した。これだけでも失敗と言ってよい。
 では何故失敗したかというと、戦争が予想より長引きすぎたためである。自分の意志と反対に長引いたから、国民に対し長引いた理由を説明しなくてはならない。そこでいろいろと理屈をくっつける。ところが現実は、あとからくっつけた理屈とは違う方向に走る。そこで又別の理屈を考え出す。これの繰り返しで、結局は戦争どころか、政権への支持も失う結果になったのである。だから何故長引いた理由は何かを考えなくてはならない。
 戦争が予想外に長引いた理由としては次の二つが考えられる。
    (1)戦費を税金ではなく借金で賄おうと考えたこと。
    (2)戦争を民営化したこと。
(1)について
 通常、戦費とは、まずは税金を当て、足らない部分を借金(国債)で、と考えるものである。ところがブッシュはそれをまるまる借金で賄おうとした。そのため、為替相場を意図的にドル安傾向に持っていき、短期金利を上げて日本やアジアからの資金流入を促進した。お陰で日本の輸出産業は大いに潤ったのである。又、借金は返さなくてはならないが、それをイラク原油の販売益で賄うとした。そのためか、イラク戦争が始まると原油価格はたちまち倍以上に跳ね上がり、一昨年にはバーレル70ドル、昨年春からは100ドルを越え6月末には140ドルというキチガイ相場になってしまった。ではそれで戦費は賄えたかというとそうではない。アメリカの財政赤字は増え続け、おそらく1兆ドルは越えているのではないか思われる(ブッシュ政権は数字を誤魔化しているので、本当の赤字はどれぐらいか判らなくなっている)。アメリカの財政赤字増大に伴って増大した原油利益は、アメリカに戻ってくるのではなく、ペルシャ湾岸国及び、そのおこぼれに預かった英欧米の金融・不動産バブルに化けてしまった。この結果がアメリカ国民の途方もない浪費に繋がったのである。税金が増えず、おまけに経済が拡大すれば、国民は戦争の事などすっかり忘れてしまう。それどころか、戦争継続を歓迎するだろう。
(2)について
  ベトナム戦争後半、ジョンソン政権は徴兵を実施した。戦争の初期は確かにテレビを通じたお茶の間戦争劇だった。しかし徴兵実施と同時に、アメリカ一般市民にとって極めて身近なものになった。これがアメリカ青年層にベトナム反戦運動のうねりを作り、次のニクソン政権での戦争のベトナム化という方針転向を促した。
 イラク戦争では、ブッシュ政権は一貫して、戦争と市民生活との距離を保とうとしてきた。その方法として用いたのが、情報統制と戦争の民営化である。近現代で今回のイラク戦争ほど、民間企業が戦争に深く関わった例はない。即ち、米軍の後方・側面を支援する軍事会社や、ハイテク戦争を主導する各種メーカーの存在である。これら軍事会社のスタッフが武装勢力のテロに倒れても、それは米軍の戦死傷者にはカウントされない。又、米軍兵士は全て志願兵であるが、そのかなりの部分が市民権待機者で占められている。一説では兵士全体の1/3を占めていたとも云われる。市民権待機者とは、アメリカ永住権は持っているが、市民権は持っていない者のことである。かれらには兵役に付くと優先的に市民権が与えられる。この結果、市民権待機者の志願が増加する。彼らは通常のアメリカ人以上に、アメリカ人たるとする。例のバグダード陥落後、フセインの銅像の上に登って星条旗を振った兵士も、ビルマ系市民権待機者だったのである。
 兵士も又、一般市民とは遠い処にいた人が大部分だったのである。従って、その死傷も一般市民にとっては自分には縁の遠い、新聞やテレビでの話しに過ぎなかった。

 通常、市民が戦争に対し疑問を持ち出すのは、いつまで経っても戦争は終わらず税金ばっかりが上がる、政府は勝った勝ったと云っているが、近所で男が段々と少なくなり、誰それが戦死したという噂ばっかりが聞こえてくる、というような状態が続いたときである。上で述べたように、ブッシュ政権はこの二つの要件を誤魔化してきたため、国民は戦争に疑問を持たなくなってしまった。その結果ダラダラと、5年も戦争を続けてしまったのである。
(09/02/28)

 通常、市民が戦争に対し疑問を持ち出すのは、いつまで経っても戦争は終わらず税金ばっかりが上がる、政府は勝った勝ったと云っているが、近所で男が段々と少なくなり、誰それが戦死したという噂ばっかりが聞こえてくる、というような状態が続いたときである。上で述べたように、ブッシュ政権はこの二つの要件を誤魔化してきたため、国民は戦争に疑問を持たなくなってしまった。その結果ダラダラと、5年も戦争を続けてしまったのである。
(09/02/28)

 オバマはイラク紛争をイラクに委ねると言明(02/25米議会演説)。かつてベトナム戦争が泥沼状態になったとき、同じように戦争のベトナム化が行われた。結局は南ベトナム政府とアメリカのベトナム撤退となった。今回とは少しニュアンスは違うが、これでイラクが安定化するかどうかは別問題。もし将来イラクがイスラム過激派に乗っ取られたとき、イスラエルの関係でアメリカが冷静でいられるでしょうか?
(09/02/25)

 あるサイトを見ていると世の中には仕事をゲーム感覚でやろうとする会社があるらしい。ではどういう感覚かというと、単に仕事のやり方によってポイントが積み上がるだけの単純なもので、ゲームというより、お友達同士のお遊びかスーパーのポイントカードに近い。ゲームというと思い出すのは「ゲームの理論」。これを作ったのはフォン・ノイマンというユダヤ人学者。計算数学の天才でノーベル賞受賞者。量子力学の解法である統計力学の創始者の一人でもある。量子力学に何故統計が必要かというと、ハイゼンベルグの定理により、量子の挙動はニュートン型の決定論では記述出来ず、確率的にしか記述出来ないからである。これには膨大な計算が必要になるが、ここに計算数学の天才が力を発揮出来る場が生じた。更にこれを必要としたのが、原爆の開発である。彼はマンハッタン計画にも関係したが、本業は弾道計算器の開発。彼はこれを0と1の組み合わせ(真空管のON、OFF)で解決した。この結果がENIACという世界最初のコンピューターである。現在のコンピューターをノイマン型と云うのは、これが理由である。
 さて、ノイマンはその後「ゲームの理論」に転身した。「ゲームの理論」といってもテレビゲームの世界ではない。その目的はアメリカの戦略意志決定の理論構築。戦略を練る場合まず必要なことは、相手がこちらの行動に対しどう反応するかの予測である。19世紀型帝国主義戦争は比較簡単で、第一次大戦のように複数国が参加する場合でも、、参加者は概ね同じ価値観・行動原理を持っている。しかも参加者はそれぞれ条約によって関係付けられている。つまりみんな共通のルールで戦うわけだ。従って、それぞれを縛る条約の内容を吟味すれば、相手がどう動くは予測出来た。しかし、第二次大戦後の世界はイデオロギー対立という、かつて経験したことのない状況下での戦略である。ゲーム参加者の数が遙かに多くなると同時に、ルールは参加者毎に異なってくる。例えば民族解放戦争の場合、独立派にとっては、先進帝国主義国家が作ったルールなどクソ食らえと言うわけだ。この場合、戦略はそれまでのような決定論的方法は使えなくなる。相手の反応は確率的にしか予測出来ない。この確率を如何に予測するかに統計力学の手法が応用されたのである。これが「ゲームの理論」の本質である。
 この理論を最も強力に推進しアメリカ政府に売り込んだのが、ランド研究所という保守系シンクタンクである。ランド研究所についての詳細は避けるが、何となくカルト集団の傾向も見受けられる。ランド研はまず1960年代に、ドミノ理論という悪名高い理論をあみ出し、これを当時のアメリカ(ジョンソンーニクソン)政府に売り込んだ。ジョンソンはこれにはまってしまったが、ニクソンはそうでも無かった。結局は73年のベトナム全面撤退に追い込まれてしまった。
 ベトナム戦争の失敗でランド研は、暫くなりを潜めていたが、イラク戦争で再び姿を現した。その間、おそらくネオコンと接触し、ブッシューチェイニー外交路線の筋書きを書いたと思われる。即ち、9・11事件の後のブッシュドクトリン、即ち「単独行動主義」、「自由と民主主義の拡大」、「不安定の弧」といった一連のネオコンテーゼはランド研の創作によるものと考えられる。そして、その戦略のベースになったのが「ゲームの理論」なのである。
 そして結果はどうなったか?再び失敗したのである。07年、泥沼に陥ったイラク情勢を立て直すために、ブッシュはイラクへの兵力増派に踏み切った。この背景にもランド研の介在が疑われるが、はっきり言えば、これはこれまでの戦略理論の破綻を認め、力づくで問題を解決しようとしたに過ぎない。例えば、上越新幹線中山トンネルは着工以来10年経っても、坑内の湧水、崩壊で全く開通の目処が立たなくなった。これに対し最期はトンネル上部の地表から強引に薬液注入をやって開通にこぎ着けた。環境汚染など関係なし、工期に間に合えばそれでよし、という発想である。何となくこれによく似ている。
 では、ベトナム・イラク戦争の失敗の原因は「ゲームの理論」の破綻なのか、それともゲームモデルの構築にあったのか?その辺りはよく判らないが、少なくとも後者に何らかの欠陥があったようには思える。モデルの構築には経験の積み重ねが重要だが、アメリカはレーガン政権以後、経験よりは理論重視に陥った。その結果が市場経済主義の導入であり、更に選択と集中のかけ声の下に古い経験と知恵を捨て去った。その結果、コンドリーサ・ライスという大学院程度の知識しかない人間に国家の命運を託してしまったのである。イラクの失敗は何も史上初めて起こったことではない。アメリカ自身30年前に経験したことを再学習したに過ぎない。果たして、アメリカはこの学習を経験として取り込めているだろうか?未だ判らない。
(09/02/12)


 大日本雄弁会講談社発行の「クーリエジャパン」という雑誌があって、それを本屋で立ち読みしていたら、ライス前米国国務長官へのインタビュー記事が載っていた。斜め読みしたが、それ以上詳しく読む気もしなかったですねえ。印象は、まるで指導教官向けに書いた女子大学院生的答案、内容空疎な言い訳の羅列。反省も無ければ今後の展望もない。6年経ってライスのイラク・アフガン戦略は失敗したのは顕か。このほどやっとイラクで地方選挙が行われた。これをライス等は成功々と自画自賛するが、これに要した時間・コスト・犠牲者の数、それに政策・戦略の混乱を見ると、とても成功と言えたものではない。大統領選に合わせて強引にこじつけただけである。既に過去の人間だからどうでも良いが、もう少し我が身を振り返ってみてはどうかね。
 ワタクシがライスを大学院生並みと評する理由をもう一つ。それはクーリエの記事に、経済的な観点が全く欠如していることである。それだけではなく、ブッシュ政権時代(安保補佐官と国務長官)に彼女から、経済的視点からのコメントを聞いたことがない。それどころかブッシュの放漫財政を放任していたのである。彼女の担当は外交と安全保障だが、内閣の一員である以上、国家財政に無関心であって良いはずがない。ブッシュ政権閣僚のこの無責任たこつぼ振りが、現在のアメリカ経済崩壊を呼んだのである。なお、彼女が唯一経済的発言を行った例としては、イラク戦争が始まったときに日本政府に「戦争に協力すればイラク復興ビジネスに参入出来る。悪い話しではない」と語ったことがあげられるが、これは経済というより、品の悪い地上げ屋まがいの勧誘である。
(09/02/02)

 イスラエルはエジプトとガザを結ぶ密輸トンネルを空爆しているようですが、これは殆ど効果は無いでしょう。例えば、イスラエルがトンネルルートを正確に把握し、そこへピンポイントの地中貫通弾を打ち込んだところで、破壊される部分はせいぜい直径10数m程度。こんなもの、迂回トンネルを掘れば直ぐに元通りになる。
 そもそも中東パレスチナという地域は地下水位は低く、地山は中生代の砂岩や石灰岩などで自立性は高く、しかもスコップやツルハシで十分掘れる程度の堅さだ。だからトンネルを掘るのに障害になるものは何にもない。おまけに西南〜中央アジアにかけての地域は、有史以前から水路トンネル(カナル)が掘られ、トンネル技術に関しては、極めて進んでいるのである。現在日本のトンネル標準工法であるNATMももとはと言えば、その起源は中東地域にあったのである。
(09/01/28)

これはガザ上空の衛星写真です。赤線の内側がいわゆるガザ地区。その外側はイスラエルです。イスラエル側に点々と見える緑はユダヤ人入植者用のファームです。レーガン政策で東欧・ソ連が崩壊すると、ヨーロッパ・ロシア地域に発生したのが個別民族主義、即ち人種差別主義。その最初のターゲットになったのがユダヤ人。同時期に北アフリカでもイスラム原理主義運動が始まり、アフリカ系ユダヤ人に対する迫害がはじまる。これに対し、イスラエル政府ははパレスチナ帰還運動を始める。そして新イスラエル人をガザやヨルダン川西岸地域の周辺に入植させた。そこを追い出されたのが、居住権を持っていたパレスチナ人。これがその後の新しいパレスチナ紛争を産んだのです。今回のガザ紛争も、元を糺せばレーガンに行き着くのです。
 
では緑の斑点、つまりファームを維持するには何が必要でしょうか?それは水です。この水を現在のイスラエル政府はヨルダン川と地下水に頼っています。しかし、こんなに沢山のファームを一時に作って、全体の水収支バランスは大丈夫でしょうか?それ以上にイスラエルの経済バランスは大丈夫でしょうか?いいえ、とんでもない。先進国の中で、イスラエルほど経済バランスの悪い国はありません。農業は国庫補助頼み。国家財政も慢性赤字財政。海外からの送金と、アメリカの無制限軍事・経済援助で、やっと帳尻合わせをしているだけ。今回の世界同時不況で海外からの送金も当てにならなくなった。唯一の外貨獲得資源であるダイヤモンド加工やITだってどうなるか判らない。ドル安でシケル(イスラエルの通貨でドルにリンク)など紙屑みたいなもの。というわけで今回のガザ侵攻は、イスラエルにとって乾坤一擲の大バクチ。イスラエルの一方的停戦など、ズバリ金がなくなったのだよ。それに世界中が目くらましに合ったようですな。(09/01/19)

 原油高が止まりません。この原因については皆さんいろんなことを云っています。やれ中国・インドのような新興国の石油需要だとか、サブプライムローン問題で行き場を無くした投機資金が原油市場になだれ込んだとか。それぞれはみんな当たっています。しかし誰も触れない原因があります。それは今のブッシュ政権がこの問題に無関心か、逆に原油高を容認しているフシがあることです。イラク戦争が始まったとき、ブッシュは戦費はイラクの石油生産を回復しその利益でまかなう、皆さんにご迷惑はおかけしません、と云った。ところが戦争は当初の目論見を外れ5年経っても終結の目処はつかない。戦費は膨れ上がる一方。ところがイラクの石油生産能力は過激派の妨害もあって遅々として進まない。石油生産が増えないのに利益を上げようとすれば、当たり前だが単価を上げるしかない。イラク産原油価格だけを上げるわけにいかないから、この際世界中の原油価格を上げてしまえ、というわけだ。昔なら戦費はアメリカの負担だけで済んだ筈だが、何のことはない、世界中の人々がガソリンや石油、食料価格という形でイラク戦費を支払わされているのである。従って、ブッシュが大統領でいる限り、原油価格も食料価格も下がらない。ブッシュこそ21世紀最大のキリストの敵、吸血鬼と云ってよいだろう。ブッシュは熱心なキリスト教徒ではないか?だって。あのドラキュラ・ブラド・チェペシュも熱心なカトリックだった。
(08/06/02)

 新春、ろくでもない正月番組など見たくもないのでリモコンを回していると、NHKBSでカイロ、ニューヨーク、東京の三元中継でイラク問題徹底デイペートというのをやっていたので、一部だけ何気なく見てみた。登場者はカイロは、カイロに逃げ出してきたイラク人学生、ニューヨークはアメリカ人学生それぞれ6人、東京はNHK解説員。カイロ側は当然だが全員がイラク戦争並びにアメリカの占領統治に対し批判・否定的。一方ニューヨーク側は、昨年アメリカ中間選挙でイラク撤兵を主張する民主党が勝利し、しかもニューヨークは民主党の金城湯池。だからここでもイラク戦争批判意見が出るかと思いきや、意見はバラバラ。三人がイラク戦争積極肯定・ブッシュ政策支持、一人が消極的支持、批判派は二人、しかも積極的批判派は一人に過ぎなかった。さて、面白いのが、これらの意見の人種構成である。消極的支持及び批判派の全員がプロパーのアメリカ人と思われる白人。一方積極肯定派は一人がユダヤ系、一人が中国(名前から見ると香港?)系、もう一人が亡命イラン人。つまり、アメリカの政策を積極支持しているのは、全員が人生の途中からアメリカ人になった人達なのである。「辺境に忠誠心が宿る」と云う言葉がある。普段、辺境にあって差別されている者ほど、危機に際し君主から忠誠を求められると、より忠誠心を発揮する、という意味である。ロシア革命の際、普段辺境で過酷な境遇にあったコザックはロシア帝国のために最後まで戦った。滅び行く徳川幕府に最後まで忠誠心を発揮した新撰組は、三多摩の農民に過ぎなかった。上に挙げた新アメリカ人は、未だ十分アメリカ人とは認められていないだろう。従って、よりアメリカ人らしく振る舞う必要がある。又、何世代も前からのアメリカ人ならアメリカを批判的に見ることも出来るが、新アメリカ人の場合本人自身もアメリカを全肯定してアメリカにやってきているわけだから、今更アメリカを否定すれば自分自身を否定することになる。従って、一般アメリカ人以上にアメリカを肯定することになるのだろう。と言うことは、このトーク番組におけるアメリカ人学生の意見は、全アメリカ人学生の平均的意見を反映している物では無いということだ。要するにNHK側の人選ミスということになる。
 なお、アメリカ側イラク戦争積極肯定派の問題点は次の諸点である。
 (1)中東特にオスマントルコとイラクの歴史・文化に対する無知。
 (2)イスラムの歴史に対する無知。特にスンニ派シーア派の歴史と関係に関する無知。
 (3)9.11テロの背景とイラク(特にフセイン政権)、アルカイダ、タリバンの関係に関する無知及び認識不足。
 (4)イラク戦争開戦に関する欺瞞に対するナイーブさ。
 (5)アメリカ文化に対する盲目的信仰。これの押しつけが如何に他国・他民族を侮辱しているかに関する認識不足。
 要するに馬鹿だということだ。
(08/01/06)

トルコ/アメリカ関係が急速に悪化。原因は米下院外交委員会が、第一次大戦中のアルメニア人殺害事件を、トルコ軍による虐殺として、トルコ非難決議をしようとしたことに始まる。アルメニア人というのは、ユダヤ人と並ぶ商売上手で、アメリカにもアルメニア商人が多数住んでいる。彼らが米共和党に金品を送って議員を籠絡し(判りやすい言葉で言えば買収)、事を進めたのである。この構図は、イラク戦争の前に、クルド商人が共和党を買収して、開戦を唆したケースとそっくりである。この結果、アメリカの支持を良いことに、トルコ国内でのクルド人武装勢力の反トルコ活動が活発化している。なお、今から65年ほど前に、蒋介石のスポンサーである浙江財閥が米議員を買収して、アメリカの対日世論を一気に反日に持っていき、日米開戦のきっかけを作ったことがある。筆者は私見ながら、相手が買収しているのなら、こちらも負けずに買収作戦で対抗すればよかったのにと考えるのだが、単細胞単直線思考しか出来ない日本人には、それが無理だったのだろう。
 さて、この問題について過日駐トルコ米大使と、共和党議員との討論があった。駐トルコ大使はイラク戦争への悪影響を懸念して、米議会での非難決議に反対する。一方、これに対する共和党議員は、日本の従軍慰安婦問題非難決議採択が日本で全く問題にならなかったことを引き合いに出して、今度のアルメニア人問題も自ずから解決するだろうと、楽観的な見通しを示した。この単純さが、アメリカ人の最大の欠点なのである(そしてその代表がブッシュ)。そもそも従軍慰安婦問題は、日本から始まったものである(火を付けたのは、既に死んでいる元朝日新聞女性記者)。そして、この問題は日本国内でも否定的に受け止められている。一方アルメニア問題は、まずフランスで始まり、それがアメリカに飛び火した。日本とは条件が違うのである。当然、トルコ国内から猛反発を喰らう。そして、昨日トルコ軍部がイラクへの越境攻撃を議会に申請したと云われる。アルメニア問題はとんでもない方向に行こうとしている。
 これというのも、ブッシュ始めアメリカ人自身が深い歴史認識を持ち得ていないからである。
(07/10/16)

本日、日本記者クラブ主催公開討論会で、麻生が安保理謝意決議に関する「国連への働きかけは、参院選直後からワタクシ主導で行った」と発言。なんだかこれまでと話しが違ってきた。一体全体どれが本当なのでしょうか?さて、何故このような工作を行ったか、と言うと、17年前の湾岸戦争の時に、「日本は莫大な戦費負担をした。しかるに、戦後のクウエート政府は、戦争参加各国に謝意を表したものの、日本に対しは一言も触れなかった」。どうもこれが外務省のトラウマになっているらしいのである。麻生はその代弁をしているだけ。何故そんなに感謝して欲しいのだろう。誰かに何かをして貰えば、それに対し感謝の意を表するのは常識である。それをしなかったのは、クウエート政府が非常識であっただけ。要するに金持ちアラブ人は、そのような人でなしなのだ。そんなのは相手にしなければよい。そんな人でなしの獣の謝意が、何故欲しいのかね。金持ちに取り入って、自分も上手い汁を吸いたいだけなのか?湾岸戦争中、クウエートの王族や高級官僚は、カイロのデイスコに入り浸って遊び撒くっていたらしい。サウデイなら酒は飲めないが、カイロは構わないからね。アルカイダは、こういう腐敗堕落したアラブ王族こそ、テロのターゲットにすべきなのだ。

 「小人閑居して不善をなす」。国連安保理感謝決議は、日本外務省の独走と思っていたが、なんとアベがブッシュに直談判して実現したらしい(外務省筋)。おそらく外務省とアベの二人三脚で、考え出したのだろう。つまり、ブッシュを巻き込んだヤラセなのだ。そうすると、安保理決議の権威も疑わしいものになり、自民党が大はしゃぎするほどのものではない、ことになる。さて、このニュース、外務省は(首相やブッシュも動かせるという)自分の力を誇示するためにリークしたのだろうが、逆効果だと思うがね。何故なら、ブッシュが動かなければ感謝決議も無かったわけで、そうなら他の安保理各国は、日本の給油活動を感謝していなかったことになる。そう言えば、アメリカ中東軍司令官の談話も、それほど焦っている様子でもなかった。
(07/09/21)

 昨日国連安保理で、日本のアラビア海における給油活動について感謝決議。何のことはない、陰で外務省がウロウロ根回ししたおかげ。国内では、福田や与党は、「給油活動は国民の理解を得られている」なんて呑気なことを云っているが、早速民主党の反発を買い、国会でもどうなるかどうか判らない。この対国連根回しは、外務省全体の意志で行われたものでしょうか?ワタクシは外務省内の一部の独断暴走と見ています。無論、陰にアベやその周辺の了解があったことは、疑う余地はありませんが。外務省といっても、一枚岩の団結があるわけではなく、中に幾つもの派閥がある。
 そもそも、日本が本格的な外交官僚を養成し出したのは明治維新以降、教師はイギリス。日本はイギリスの云うことさえ聞いていればよかった。これで日露戦争をクリアーしたところまでは良かった。ところが、第一次大戦後、イギリスは突然日英同盟を廃棄し、更にその後ロンドン軍縮条約で日本の敵側に廻った。たちまち外務省内は混乱し、守旧派である英米派と反英米派に分裂する。反英米派が注目したのは、当時上昇気流に乗っていたファシズム国家、就中ナチスドイツ。日中戦争が泥沼化するにつれ、国内世論は反英米に偏る。結果として英米派は駆逐され、外務省はドイツ派に乗っ取られた。ドイツ派の代表が松岡洋右であり、大島浩である。彼らは陸海軍のドイツ派と手を組んで、三国同盟に突き進み、対英米開戦を主導した。そして敗戦。ドイツ派は追放され、英米派・・・といっても実態はアメリカ派・・・が実権を握った。そして、日米安保条約により、日本の外交政策は対米追随主義となり、この傾向はコイズミ・アベ政権により、更に強化された。外務省内は親米派一色に塗りつぶされた、と言いたいところだが、そうは問屋が卸さない。かつての反英米派のDNAは未だ残っていた。その内一つは日中国交回復で息を吹き返し、親中派(いわゆるチャイナスクール)を作り、又一つは親露派を作った(例の佐藤優などはこれのメンバーだろう)。今回の事件は、彼らに対抗する岡崎ー柳井ラインに繋がる、親米強硬派が引き起こしたもの。なお、田中真紀子が辞めたのは、外務省の派閥争いに巻き込まれたためと考えられる。田中の立場は無論親中である。当時やっと外務省の実権を取り戻した親米派は、真紀子の出現で自分達の力が弱められるのを恐れ、真紀子追い出しのために、様々な瑣事をマスコミや官邸にリークし、世論を自己有利の方向に誘導していったのである。それを知らないマスコミは真紀子バッシングに奔り、陰険冷酷なコイズミはこれ幸いと真紀子斬り。
まあ、日本の外務省の考えること、やることはこの程度だから、いずれ馬脚を現すでしょう。
(07/09/20)

アフガニスタンの韓国拉致被害者全員解放が決定。建前としては、韓国軍の年内撤退とか、キリスト教の布教禁止などと云われているが、裏で金が動いているのは間違いない。要するに、韓国はアメリカの云うことは聞かないぞ、という意思表示。これはこれまでの対北朝鮮政策でも顕かだったのだが、誰もそれに気が付かなかったのだろうか?
(07/08/29)

 小沢、シーファー駐日大使に対テロ特別措置法延長反対を明言。これに対しアメリカや自民党、民主党の一部からも反発の声が挙がっている。幾ら小沢でも、野党なんだから、アメリカだって無視しても良さそうなのに、わざわざ駐日大使が民主党本部まで出向いたというのが重要なのである。一番慌てているのが自民党。自民はみんながみんな馬鹿じゃないから、小沢の狙いを判るものは判っている。一番判っていない馬鹿が前原のような民主保守派だろう。さて以上は国内問題だが、小沢の対テロ特別措置法延長反対の真意は、国連決議がどうあろうと、現在の対テロ戦争は既に主旨・目的から逸脱しており、方法としても全く破綻している。今後このような戦争を続けたところで効果はなく、いたずらに犠牲を増やすだけである。ここはひとまず原点に帰り、戦略そのものを練り直すべきある、というところか。但し、これでは日米同盟の根幹を崩すことになるから、与党としては到底認められない。
 まずアフガニスタンでは、最初に米軍が侵攻しタリバンを追い出した後、国連決議に基づいてNATO軍が展開した。カブールにはカルザイを首班とする傀儡政権も誕生した。それから5年半、今どうなっているかというと、主犯のラデンはいまだに行方を眩ましたまま。知らない間にタリバンは勢力を盛り返し、全土の1/3を制圧するまでになった。これまでタリバンが弱かったアフガン北部まで、タリバンの攻勢が強まっている。それどころか、これまでアルカイダとは無関係だったタリバンが、実質的にアルカイダに指導されている疑いさえ出てきているのである。これは、これまでのアメリカとNATOの干渉が全く無意味どころか、返ってタリバンやアルカイダの復活・勢力伸張に寄与したに過ぎない、という結論しか出てこない。
 イラクではどうか?4年経っても事態は一向に改善しない。マリキ政権は閣僚の半数近くがボイコット又はサボタージュで穴を埋められず、半身不随状態。大統領は強欲で利己主義者のタラバニだから、誰からも信用されていない。昨年の中間選挙敗北に驚いたブッシュ政権は、08年4月までの撤兵を表明せざるを得なくなった。その為07年5月から米軍を増派し、イラクの治安を回復して、8月からは漸次撤兵を始めるはずだったのである。その為に06年年末に急いでフセインを処刑したが、治安が良くなるどころか、テロはますます規模を拡大している。冷静に見れば、アフガニスタンもイラクも出口の見えない袋小路状態で、対テロ戦争も今や、かつてブッシュやコイズミが毛嫌いした、「効果のない公共事業化」しているのである。
 何故こうなったかは、ブッシュを始めコイズミもブレアもアベも前原も、中東紛争の歴史を全く勉強していないからである。勉強していないから、横からそれらしい話しを聞かされるとその気になって、ますます深みにはまりこむ。認知症レベルの老人が詐欺師の甘言に乗って、財産を皆はたいてしまうのと同じパターンなのだ。まず、現在の対テロ戦争の発端が9.11テロということは、誰でも判る。では9.11テロの原因になったことは何か、と云うとパレステナ問題である。この問題の始まりは古く複雑で、第一次大戦まで行ってしまうのだが、それは別にしても1980年代のレーガン戦略にその遠因がある。それまでの世界は米ソ冷戦という奇妙な対立均衡状態にあった。この状態を一番上手く利用したのが、誰あろう、我が日本国なのである。ところがこのカリフォルニア出身の頭のおかしい元三流西部劇役者が大統領になって、この均衡を潰してしまった。東欧ソ連崩壊である。社会主義体制は崩壊したが、その変わり台頭してきたのが、欧州各国の右傾化と個別民族主義である。その標的になったのが、東欧旧ソ連地区のユダヤ人。同じ頃、東アフリカでもスーダン、ソマリアにイスラム原理主義政権が誕生し、アフリカ系ユダヤ人に対する迫害が始まった。これに対し、イスラエル政府は、紛争地域のユダヤ人、ユダヤ教徒に対しパレステナ帰還運動を始めた。その結果、イスラエルの人口が急速に増加した。問題は急増した新イスラエル人を何処に住まわせるか、である。これに対し、イスラエル政府はこれまでパレステナ人地区との緩衝地帯だった非武装地区への入植を始めた。当然パレステナ人側からの反発を買い、自爆テロを含む報復が始まる(いわゆるインテファーダ。第6次中東戦争とも呼ばれる)。これに対しイスラエルはパレステナ人地区への軍事侵攻で答える。いわゆる報復の連鎖である。これはクリントン政権が仲介に立って、一旦和平が実現する(オスロ合意)。ところが、イスラエルのネタニエフ首相がユダヤ教極右のテロに倒れ、あとを襲ったシャロンが強硬派だったから、和平合意は元の木阿弥。おまけに01年アメリカ大統領になったG.W.ブッシュはパレステナ問題に無関心。おまけに「イスラエル人にも生きる権利がある」とか、「シャロンは平和の人」などと、無神経なことを放言するものだから、パレステナ人やアラブ人(特にイスラム原理主義者)の反発を買ってしまった。これが9.11の原因なのである。それから先はボタンの掛け違いの連続。つまり現在の対テロ戦争は、ブッシュが自ら撒いた種なのである。ブッシュはイスラエルというちっぽけな国に拘り、ユダヤ人と宗教右派の票が欲しいばっかりに、パレステナという狭い地域に限定しておけば解決出来る問題を、イスラム対欧米という解決不可能な国際問題に拡大してしまった。これがそもそもの間違いである。更に問題は、今の世界に、ブッシュに対し以上のことを直言出来る人材がいないことである。
(07/08/18)


 今度はアフガニスタンで23人の韓国人団体がタリバンの捕虜になる。この団体は某キリスト教団体に所属しているらしいが、どういう団体なのでしょう?それは別にして、タリバンはこれまで、外国人の人質を取ったり、脅迫するようなことはしなかった。この手は、むしろイラクでスンニ派武装勢力によって使われてきた。スンニ派を陰で動かしていたのがアルカイダだから、いよいよアルカイダがタリバンの前面に出てきた証拠。
(07/07/26)

 云った通り、「ラル・マスジッド」モスク制圧後、パキスタンで自爆テロが相次いでいます。この背後にタリバンとアルカイダがいるのは顕かです。いよいよパキスタンのアフガン化とイラク化が始まりました。これまで、パキスタン政府とタリバンが、手打ちするチャンスは何度かあったと思うのだが、その都度潰してきたのがブッシュ。そもそもこれまで、タリバンは自爆テロなんかやらなかった。むしろ今、タリバンを操っているのがアルカイダと思って良いでしょう。いや、アルカイダが前面に出てきたとも云える。タリバンのアルカイダ化、パキスタンのイラク化だ。
(07/07/21)

またまた、不吉な予言をしなくてはならないようです。それは、今後、パキスタンでも自爆テロが発生するだろう、ということです。パキスタン政府はイスラム過激派神学生が支配する、首都イスラマバードのモスクへの武力制圧に乗り出した。本日毎日新聞外信では、イスラマバード市民は概ね好意的に受け止め、イスラム過激派への反感が強いことを報道している。さて、これはパキスタン全土について云えることだろうか?ムシャラフはアメリカの要請を受けて、アフガニスタンとの国境を封鎖し、パキスタン国内でのタリバンの弾圧に乗り出した。その見返りとして得られたのが、アメリカからの経済支援。問題はこの支援が、全土全国民に等しく分け与えられたかどうかである。日本では、北朝鮮支援が全国民に行き渡らず、政権周辺に留まってしまって、キムジョンイル体制の維持にしか貢献していないのではないか、という批判がある。北朝鮮で起こっていることが、パキスタンで起こっていないはずがない。何故なら、どちらも非民主的な強権独裁政権だからである。西側の経済支援はムシャラフとその周辺、地域的には首都周辺に留まり、地方、特に従来反ムシャラフ勢力の強かった北部山岳地帯は、支援の枠外に置かれる。結果として、都市と地方の経済格差はますます広がる。都市には経済支援の恩恵に浴した新富裕層が産まれる。彼らは当たり前だが、アメリカとその下請けである現政権を支持する。一方地方には新たに貧困層が発生し、更に貧困化が進む。その隙間に入り込んで来たのが、タリバンとアルカイダ。タリバンは元もと、パキスタン北部のイスラム神学校から産まれたものだから、故郷に帰ってきたようなものだ。
 現在アフガニスタンでも、国連支援に湧く首都カブールと、それから疎外された地方との格差が顕在化し、地方に根拠を置くタリバンが復活し、カブールでも自爆テロが発生するようになった。カルザイなんか、最早お飾りで実権はない。アフガンのイラク化が進んでいるのだ。従って、今後予想されるのは、パキスタンのアフガン化であり、更にはイラクからパキスタンまでのイラク化である。その背後にあるのがアルカイダ。その結果、パキスタンでも自爆テロが頻発し、ムシャラフ政権は、イラクのマリキやアフガニスタンのカルザイと同様、ブッシュがいなければ、一日も持たないような状態になるだろう。
 そもそもアメリカは北アフリカから北東アジアまでを「不安定な弧」と称して、この地域の民主化を推進しようとしてきた。何が不安定だったか?それはこれら地域社会が、元もと不安定だったのではなく、政権がアメリカを支持するかどうか、が不安定だっただけの話しである。アメリカがこの地域に持ち込んだものは、アメリカ型民主主義だけではなく、アメリカ型消費社会と市場原理主義経済である。それが返って地域内経済格差を産み、不安定でなかった地域を不安定化してしまった、というのが実態だろう。ブッシュとライスとチェイニーのおかげで、アルカイダはイラクとアフガニスタンを手に入れ、次はパキスタンを手に入れるだろう。その次は、エジプトかサウデか?
(07/07/09)

 サミットと平行して、バーレーンで中東経済フォーラムが開催された。これについて日本のマスコミが殆ど報道しないのが不思議。フォーラムコメンテーターは主に中東イスラム諸国指導者(イラク、サウデだけでなく、イランやカルザイまで出席)であるが、リスナーにはインド・中国など非イスラム諸国からも参加があった。ところが日本からは誰も出席していない。ついこの間、日本の首相が中東諸国を訪問したにも拘わらずだ。おそらくサミットで手が一杯で、中東までも手が回らなかった、と言い訳するだろう。しかし、一事が万事この調子だから、日本は中東諸国の信頼を失い、重要な時に足下を見られるのである。
 なお、このフォーラムで注目されるのは、パレスチナ問題へのアラブ諸国の対応の変化である。サウデやヨルダンまでもオスロ合意への復帰を要求している。日本もアメリカ追随一編道では船に乗り遅れる。
(07/06/10)

 先日、アメリカABCのタラバニ大統領(クルド人)に対するインタビューを聞いていると、この大統領の下ではイラクは駄目だなという感がした。インタビュアーはしきりに、「イラクではイラク人犠牲者・アメリカ兵の死亡が増え、治安は悪化する一方、難民は膨大な数に上っている、アメリカ国内ではこれ以上の派兵に対する批判が強まっている」、とイラクの責任を追及する。しかし、タラバニは「いや、治安は以前に比べ良好で、数100万の人が安全に暮らしている。収入は以前に比べ200倍に増えた。今米軍が撤退するとかえってこの状況が悪化する。従って、米軍は撤退すべきではない」と言い張る。今イラクでこんな良い地域があるのか、というとそれがある。タラバニが出たクルド人地区である。つまり、今のところ今回の戦争で一番得をしたのがクルド人なのだ。首都バクダッドの制圧が今後のイラクの勢力地図を大きく左右するから、戦争の中心はバクダッド周辺となる。スンニ派武装組織の戦闘は、そこに展開する米軍・イラク政府軍・シーア派が相手になる。もし米軍が撤退すれば、スンニ派の攻撃はクルド人地域へも向けられることになる、そうなれば、タラバニだって呑気なことを云ってはいられない。だから、彼が米軍撤退に絶対反対することは当然なのだ。彼は今度の戦争で相当ためこんだのだろう。そうでなければ、こんなに米軍撤退に反対する訳がない。それともタラバニが貯め込んだ分の一部が、ブッシュ政権の周辺に還流していたりして。
(07/06/05)

今年、特に二月以降、イラクでのテロが増え、大規模化しています。これを一般にはスンニ派対シーア派の宗派間対立と捉えられていますが、果たしてそれだけでしょうか?私は急ぎすぎたフセインの処刑に対するスンニ派、特にフセイン支持派の報復が始まったと考えています。そもそもフセイン裁判はシーア派主導の一方的なもので、ヨーロッパ各国からは裁判の正当性について疑問が出されています。おまけに裁判が済むと直ぐ判決、判決が出ると直ぐに処刑実施。つまり、裁判から処刑までが、一連の政治スケデールに沿って動いていたことが判ります。さてこのスケデールは誰が決めたのでしょうか?ブッシュではないでしょう。いくら彼が馬鹿と言っても、こんな見え透いたことをやればテロが増える位のことは判る。おそらくマリキ・タラバニそれとサドルあたりの談合で決まったのではないでしょうか?手前勝手のマリキ、強突張りのタラバニが仕切っているようじゃこの国は何時までも持たない。アメリカだって何時までもこんなのに付き合っている訳にはいかない。2年後には間違いなく撤退(事実上の敗北)だ。米軍撤退と同時に崩壊だ。その後、この国に入ってくるのは何処か?ロシアか?中国か?
(07/04/24)


 チェイニーを狙った自爆テロが、カブール近郊の米軍基地で発生。米側はこれは予測内と主張しているが、未然に防げなかったことは、今のアフガン政府の権威が首都近郊でもぐらついている証拠。何故こうなったかというと、アメリカの驕りと、それに伴う誤算の結果です。
1、アフガン作戦の初期の成功に舞い上がり、タリバンは排除されたと錯覚してしまった。ところがタリバンはパキスタン領内に逃げ込んだだけ。
2、次いで、傀儡であるカイザルを支援するために部族勢力の武装解除に踏み切ったが、当たり前だが、これに素直に応じるのもいれば形だけで武器を隠匿するのもいる。その結果、部族勢力の均衡にアンバランスが生じ、カイザル政権の基盤を返って不安定にしてしまった。
3、そこがタリバンの付け目で、政権と部族勢力との間に出来た隙間に、アルカイダと一緒に潜り込む。
 その結果、今やタリバンはアフガン中で我が物顔に大暴れ(アメリカABCニュース)。このまま行けば、アフガンは再び大混乱。カルザイはその内、殺されるかアメリカに逃亡しかない。タリバンと手を組んで置けば(少なくともタリバンは9.11テロには無関係)、アルカイダは支持を失って孤立する。元もと反イランのタリバンはイランに対するプレッシャーにもなる。尤も、タリバンがウンというかどうか判らないが。
(07/03/01)

 アメリカは今年の夏、遅くとも秋にはイラク撤兵を開始すると思われます。と言うよりむしろそうせざるを得ないでしょう。1年半後には次期大統領選挙です。もし、イラク情勢が今の状態なら、民主党はイラク即時撤兵を求めて共和党を攻め立てるでしょう。その時点での米軍死者数は、およそ4600〜4800人程度と予測されます。これではとても勝ち目がない。だからブッシュが今やっておかなければならないのは、共和党の次期大統領候補が誰であれ、彼が勝てる環境を作ることです。それは、少なくともイラク戦争を終わらせ、出来れば勝利の装いのもとに撤兵を実現することです。その為の準備期間として少なくとも1年以上は必要です。それを実現するために必要な措置が米軍増派です。だからブッシュは幾ら議会が反対しても、支持率が低下しても増派をするでしょう。では、増派すれば、ブッシュの思惑は実現するでしょうか?大きな賭けです。しかし、強引な手法で、一時的にも治安が回復すれば、それを口実に撤兵すればよい。撤兵後、イラクは再び混乱するでしょう。その時はブッシュは引退しているし、責任を後継者に押しつけておけばそれで済む。後継者が民主党なら尚更だ。
 
 今、イラン攻撃が取りざたされています。何となく、太平洋戦争末期のインパール作戦を思い出します。日本軍は中国大陸の海岸線を封鎖し、中国軍を大陸奥地に追いつめ、都市と交通線の大部分を占領しました。それでも中国軍ゲリラの活動は止まず、200万もの日本軍は大陸に釘付けのまま。中国軍を支援しているのは英国。インドからビルマを通り、中国奥地を結ぶ、いわゆる援将ルートを使って大量の軍事物資を送り込む。これでは埒が開かんと、折から太平洋戦線の膠着状態打開・・・国民の目をそらす・・・の必要性もあって、昭和19年大本営はいわゆるインパール作戦を発動。これがとんでもない杜撰な計画で、大失敗。日本は太平洋だけではなく、東南アジアでもボロボロになったのです。
 今考えられているイラン作戦も、元はといえば@イラク膠着状態の打開(国民の目をイランに向けさせる)、Aイランによるシーア派武装組織への支援ルートを遮断する、の2点が発想の原点。インパール作戦とそっくりです。まさか、アメリカ国防総省の秀才達が、インパール作戦の戦訓を学んでいないとは思いませんが、大丈夫でしょうか?
(07/01/31)

ブッシュの対イラク兵力増派案に対し、アメリカ議会・マスコミでは悪評芬々。それでも更に今度はアフガニスタン派兵を計画。アメリカが幾ら何をやろうが関係は無いので構わないが、将来的には日本にもマイナス方向で影響が出てくる可能性がある。
 今の米国の置かれた状況は、かつて日中戦争での日本の状況と非常に似ている。従って、アメリカの将来は、かつての日本と同じようになるだろう。日本との類似点は次のとおりである。
1)相手が特定出来ない。
 日中戦争で、日本が闘った相手は単一中国軍ではない。大きくは、国民党軍、八路軍(共産党)それと独立系反日武装勢力である。それぞれが協同して(第二次国共合作)、バラバラに日本軍を叩くものだから、日本軍は常に兵力分散・逐次投入の愚を犯さなくてはならない。増派に継ぐ増派である。一方、イラクでも、スンニ派、シーア派がそれぞれ武装勢力を抱え、これにアルカイダのような国際反米組織が加わる。米軍もどれが本当の敵か判らなくなっている。
 戦争は始めたら終わらさなくてはならない。近代の戦争では、それは交渉で確認される。交渉する時には、はっきりした交渉相手が無ければならないし、出来れば信頼出来る仲介者がいた方がよい。ベトナム戦争の時は、北ベトナム政府というはっきりした交渉相手と、中国という仲介者がいたから、アメリカは途中で手をひけた。ところが相手が二つも三つもいれば、どれを交渉相手にして良いか判らないし、その内の一つと交渉しても、他の連中が足を引っ張る。だから何時までも戦争を引きずって行かなければならなくなるのである。
2)味方が頼りない
 そこで、交渉しやすい相手を自分でつくることになる。日中戦争では南京政府、イラク戦争ではマリキを頭にしたイラク暫定政権はそれである。ところがこれらが肝心の国民の信頼が無くて、全く頼りにならない。それどころか、マリキはタイミングが合わないのに、勝手にフセインとその子分を処刑して、混乱の火に油を注ぐ始末。これでは何時まで経っても埒があかない。国内世論からの批判は高まるばかり。
3)そこでよそに目を付ける
 中国大陸でどうにもならなくなった日本は、事態打開(という名の国民世論のすり替え)のため南方に戦線を広げ、遂に英米に宣戦し最終的に国を滅ぼした。ブッシュもイラクで立ち往生している現状を打開するため、アフガニスタンに戦線を広げようとしている。次はイランだろう。

 さて、日本はアメリカを敵にしたため、国を滅ぼした。アメリカはどうなるでしょう。いくらなんでも、タリバンやイランがアメリカを占領してしまうとは思えない。考えられることは、二年後ブッシュは負け犬として政権を追われ、後継政権は何ら成果を上げ得ないまま、中東から兵力を引き上げることです。アメリカの威信は地に落ち、中東特にイラクはその後10年に渉って混乱するでしょう。では、我が日本はどうなるでしょうか?現在の持続的経済成長はイラク戦争のおかげです。これには日本だけでなく、世界の様々な国が関係している。そのバランスが二年後には一挙に崩れるということです。何時までも輸出偏重市場経済原理主義だけではやっていけなくなるだろう、ということです。
(07/01/18)


 フセインが遂に処刑されました?何故クスチョンマークを付けたかというと、この手の話しに必ず付き物なのが、「処刑されたのは替え玉で、実は本物は生きている」という噂が発生することです。おそらく数年後、早ければ来年早々にも、この手の噂があちこちで流れ出すでしょう。それを避けるために、イラク政府は処刑直前のフセインの映像を、わざわざ流したのでしょう。しかし、人間の心理はしばしば科学技術を越えてしまう。フセインの存在を考えると、この手の噂が出来ないわけがない。但し、ブッシュが死んでも、このような噂は流れないでしょう。
 ワタクシ自身は、フセインの独裁肥大化の最大の協力者はアメリカだったと思っています。フセインが属したバース党は、そもそも反共反ソ政教分離が建前の世俗的民族主義政党で、米ソ冷戦時代の中東では、アメリカの最大の協力者だった。フセイン時代のイラクは、アメリカの手代としてイランに喧嘩を売り、その間アメリカ製兵器を大量購入して、アメリカ兵器産業の経営安定にも貢献した。90年湾岸戦争のきっかけになったクウェート侵攻は、アメリカの承認のもとに行われたのは間違いない。その証拠に、侵攻1週間前に、イラクがクウエート国境に軍を集結しているという報道があったにも拘わらず、ホワイトハウスは何にも動いていない。これじゃフセインは、アメリカがOKを出していると勘違いしても矢無を得ない。ワタクシもそう思っていました。おまけに駐イラク大使だったエイプリルは侵攻直後、本国に帰還してその後行方不明。エイプリルよ何処に行ったのだ?この件をアメリカでは民主党だけではなく、マスコミも一切追求していない。フセインのクウエート侵攻は、チリのピノチェトクーデターと並んで、戦後アメリカ外交最大のスキャンダルになっておかしくないのだ。
(06/12/31)

 フセインは30日中にも処刑される?かくて稀代の独裁者は殉教の英雄としてよみがえり、更なる災いをイラクの地にもたらすであろう。日本でも麻原彰晃の死刑が確定され、実施されれば、将来麻原が殉教者として復活するおそれがないとは言えない。
(06/12/30)

 イラク政府は年内にもフセインを処刑する構え。アメリカの圧力らしい。ブッシュはどうしても、さっさとフセインを始末してしまいたいようだ。フセインに生きていられると困ったことでもあるのか。大統領がクルド人で、首相がシーア派、副大統領がスンニ派とシーア派だから、政府自身が分裂してしまっている。間違いないのは、年明けからスンニ派によるシーア派へのテロが激化し、事実上の内戦に突入すること。そして米軍死傷者の数が増え、ブッシュの支持率が更に低下すること。
(06/12/29)


 イラク問題に対するベーカー/ハミルトン(B/H)委員会報告書は、アメリカ国内ではブッシュを除けば、概ね好意的に受け止められているようである。ところが、肝心のイラク大統領がこれに猛反発。反発のポイントは次の下り
(1)治安の回復にはイラク人(政府)が責任を持つべきだ。
(2)イラク政府が責任を果たさなければ、アメリカはイラク支援を停止すべきだ。
 この点は、筆者もB/H報告書のポイントを聞いていて疑問に思った。これでは今回のイラク戦争開戦責任、その後の治安悪化はイラク人(政府)にあるといわんばかりである。どうもアメリカ人は、ブッシュだけでなく議会を含めて、みんな今回の戦争の実態を理解していないようだ。「イラク人(政府)が責任を持つべき」という下りには、今回の戦争はイラク人が望み、米軍介入もイラク人の要請に依るものだ、といったニュアンスが感じられる。普通の人間なら、今回の戦争はアメリカが勝手にイラクに侵攻したのではないか?と思うのだが、アメリカ人はそうは思っていないようなのだ。実は伏線がある。フセイン時代、イラクからは反フセイン派のイラク人、クルド人が大量にアメリカに亡命して、それが一つの勢力を作っていた。特にクルド人は商売の民であり、共和党に多額の献金をしていた可能性は高い。他にも結構いい加減なのが多いのだ。例えば、チャビリの様なヨルダンから指名手配を受けているペテン師とか。これらは、フセインに掻っ払われた利権を取り戻したくて、アメリカにイラク侵攻をお願いしたのである。アメリカのイラク侵攻を主導した勢力には、ネオコンだけではなく、これら亡命反フセイン勢力も含まれている。その根拠は、何度も引用する、開戦半年前のアメリカABCによる対ライスインタビューである。これが米議会も含めて、アメリカ人がイラク戦争に対して持つ感情の現れであろう。つまり、「我々アメリカ人こそが、独裁者によって虐げられた哀れな人民を救済すべき義務を負っている。又、世界中もそれを望んでいる。」という錯覚だ。B/H報告書には、未だその点のトラウマが残っているようである。従って、米軍イラク撤兵はまだまだ先の話しになるでしょう。ただ、撤兵が遅れれば遅れるほど、アメリカの双子の赤字は膨れる一方。それを一体何時まで許容するのだろうか?その点がさっぱり理解出来ない。日本も何時まで付き合うのでしょうか?
(06/12/11)

 今度はボルトンが国連大使を辞任。海の向こうのネオコンは今やガタガタになった。ブッシュ政権発足時からつい最近までの、飛ぶ鳥射落とすあの勢いは何処に行ったのでしょう(以前「何処へ行った〇〇〇」という唄がありました)?ホワイトハウス、政府、議会、産業界から宗教右派を通じてアメリカ人の精神世界まで支配し、盤石の強さを誇り、数10年はアメリカと世界をリードするだろうと思われたあの勢力も、ピーク期間はたったの6年。日本の平家より短い。それでも彼らは自分が間違ったと気がつけば、辞めて行くだけましである。かつて、ネオコン勢力を誇大視し、アメリカ追従政策の旗振りをした、日本の政治家、評論家、マスコミの中では、未だ誰も過ちを認めたものはいない。それどころか、奴らはジャパンNSCに潜り込んで、更に日本を間違った方向に導こうとしている。そしてその親玉がアベシンゾーなのである。
(06/12/05)

 ラムズフェルドに続いて、ライスも政策の過ちを認める。チェイニーは多分絶対に認めないと思う。それは別として、果たして我が日本国の政府、外務省、防衛庁、自民党、公明党の判断はどうだったのでしょう?
(06/12/03)

 連日のイラク爆弾テロ。事態はブッシュや各国の思惑を越え、最早内戦モード。国内各派は既に内戦を準備している。ここにアフマデイネジャドがシリア、イラク、イラン枢軸を提案。イラクのマリキがシーア派だと言うことを考えると、これは呈の良いシーア派連合。シーア派による中東支配を目指すのか?これはサウジやヨルダンなどの親米スンニ派国家を痛く刺激するだろう。単なるイラク内戦を越えて、大規模中東戦争に発展するか?果たしてジャパンNSCはどう判断するか?あのメンバーじゃ、「まずワシントンにお伺いして」ということになるのではないでしょうか?
 もしこのシーア派枢軸が実現したらどうなるのでしょう。アフマデイネジャドの頭の中には次のような構想があると思われます。
1)シーア派連合を作ることにより、南の親米イスラム諸国に圧力を加え、国内に騒擾状態を作りイスラム革命を起こす。サウジ、ヨルダン、エジプト、クウエート辺りが標的です。
2)これらの国に反米、反西欧政権を樹立する。
3)シーア派連合と協同してイスラエルを包囲圧迫し、最終的に滅亡に追い込む。
4)その後中東イスラムは数100年の安泰につく。
 馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが、実はこれは700数10年前に中東アラブ世界で起こったことを、現代風にそのままアレンジしているのです。200年近く続いたパレスチナの十字軍国家は、ほんの最期の20年位の間で、あっという間に滅んでしまったのです。一度あったことは繰り返す。二度あることは三度ある。但し、この構想を実現するためには、アルカイダのようなスンニ派原理主義者を撲滅しておくことが必要です。だから、将来アメリカがアルカイダやタリバンを支援する可能性もあります。
 なお、こういう騒ぎが起こると直ぐに石油が入ってこなくなるとか、ガソリン価格が上がるとか、くだらんことを云う馬鹿が直ぐに出てくる(例えばジャパンNSCメンバー候補生)。ご心配なく。多少の乱高下はあっても、石油価格は殆ど変化はないでしょう。
(06/11/25)

中間選挙に関するABC(11/05)のインタビューに対し、チェイニーが反論。「選挙結果がどうあろうと、議会が反対しようが、国民が反対しようが、我々は正しいことをやり抜く」。何処かで聞いたようなセリフですねえ。そうです。太平洋戦争末期。戦局は最期の巻頭に直面するも「断固聖戦完遂」を叫んだ、旧大日本帝国主戦論者のセリフです。しかし、今の米国が置かれている立場は、かつての日本ほど深刻ではない。止めようと思えば、何時でも止められる。彼は一体何のために闘おうとしているのでしょうか?彼の云う「正しいこと」とは何でしょう。ブッシュと石油産業の利益、チェイニー、ラムズフェルド、ライス、ネオコンとベクテル、ハリバートンら政権寄り企業の利益、ランド研のような保守系シンクタンク、一部の投資ファンドの利益、と考えれば納得できます。
(06/11/06)

 ダナット英参謀総長が「イラクの治安悪化は我々の存在が原因だ」として、イラクからの早期英軍撤退の必要性を示唆(06/10/14)。やっと気がついたか。この鈍さがアングロサクソンの特徴だが、海の向こうに、もっと鈍感なアングロサクソンがいるのが問題。さて、同参謀総長は失敗の原因を「イラク侵攻後の米英軍の対応は、楽観主義に基づいたお粗末なものだった」と言明。楽観主義をばらまいたのは誰でしょう。最終責任者がブッシュとブレアであることは間違いありません。彼等が楽観主義に陥ったストーリーを描いたのは誰でしょう。これは本当のことは判りません。共和党と石油産業、それに連なるシンクタンク、それに乗っかった国防総省の官僚達、何よりも彼等の尻を叩き急がせたのは、チェイニー、ラムズフェルドとライスの三人だとは言えるでしょう。
 彼等の過ちは何だったでしょう。それはあちこちに、全く脈絡の無い約束を、し過ぎたことです。
1、民主主義のばらまき
 開戦の前、某黒人女性・・・今から思えばこれがライスか・・・に対するアメリカABC放送のインタビュー。詳しいことは忘れたが、彼女曰く「独裁者を追い出して、弾圧されてきた反フセイン団体や、外国への亡命団体、シーア派、クルド人を含めた民主・平等な会議を開いて、真の民主主義を実現するのです・・・」と言うことらしい。その単純さに、何となく三昔ほど前の左翼原理主義者の主張を思い出してしまった。反フセイン団体も、イスラム原理主義者からイラク共産党まで幅が広い。外国亡命団体も、みんながハリウッド好みの抵抗団体ではない。大概が、フセインとの権力闘争に敗れた元政治家とか軍人。中にはフセインの個人財産や国家資産をネコババして、それがばれて逃げ出したのもいる。クルド人とアラブが同じテーブルにつく訳がない。こういうことも判らないで、それぞれの団体に、フセインを追い出したら、あなた達の権力は「民主主義の名の下にアメリカが保障しますよ」、などという、約束をばらまいたのである。だから、みーんな自分が正しいと主張して、他人の云うことなど聞かない。だから現在のイラク暫定政権など全く機能しない。にも拘わらず、アメリカはこれを支えるために、10数万の兵力をこの先も駐留させざるを得なくなってしまったのである。
2、アメリカ型自由のばらまき
 バグダード陥落後、アメリカ製TシャツにGパン姿の17〜8才ぐらいの少女(結構美人)が、コーラを飲みながら、米兵と戯れる映像がTVに流れた。フセイン時代に禁止されていた、アメリカ型自由がもたらされた、イラク人は解放された、というアメリカ製プロパガンダである。可哀相に、彼女らはその後イスラム勢力により、首を切られて死んでしまっただろう。良くて、アメリカ亡命か。そもそも1300年続いてきたイスラム文明の上に、いきなりアメリカ型消費文明を据え付けようとした性急さ、据えられるだろうと思った楽観主義に問題がある。最も哀れなのは、アメリカ人の勝手な自由のばらまきに騙された、イラクの青少年達である。
3、石油利権のばらまき
 ブッシュ政権は、イラク亡命団体やアメリカ共和党・石油資本に対し、イラクをフセインから解放すれば、イラクの石油利権は反フセイン団体(現在のイラク暫定政権)とアメリカのものになる、という宣伝をしまくって、産業界からのイラク開戦支持を取り付けた。実際はどうか。せっかく石油生産施設、パイプラインを再建しても、イスラム過激派や武装勢力の攻撃にあって、なかなか生産が回復しない。生産が回復しても、警備コストが高くついて採算に合わない。そこで思い付いたのが昨年来の原油価格高騰。石油の値段を思い切って上げてしまえば、警備コストが吸収出来るだろう、というわけだ。しかし、原油が一番上がっている時期は、イラクの石油生産能力は復活しておらず、肝心のイラク政府は儲け損なっている。しかも、逆にイラン、ロシア、ベネズエラなどの反米・非米国家が原油高で大儲け。結局、アメリカの相対的地位が低下する結果を招いてしまった。そして最近原油価格は低下の傾向を強めている。タイミングがずれてしまっている。こんな筈ではなかったのだ。
4、復興支援事業のばらまき
 日本がイラク派兵(自衛隊派遣は国際的に見れば、派兵である)で揉めているときに、ライスがやってきて、「イラク復興事業は協力国に、協力の程度に応じて応分に配分する。日本にとっても有利なビジネスと思う」と宣わった。途端に日本工営の株は急騰。ところが蓋を開けてみると、実態は、ベクテルとかハリバートンとかいったアメリカゼネコン、それもチェイニイー、ライスのひも付き会社の下請けだということが判ったのである。おまけに中間に訳の判らないブローカーが介在する。何のことはない、ブッシュとその仲間だけが儲かって、下請けは儲けを吐き出さされるだけ、という構造になっていることが判ったのである。途端に日本工営株は急落し、もとの株価に戻ってしまった。
5、希望のばらまき
 ブッシュは、戦争前にフセインとその取り巻きを追放すれば、イラクは民主化し、テロリストは退治され、大量破壊兵器も見つかって破壊され、世界は平和になるだろう、と約束した。この中で実現出来たものが、一つでもあるでしょうか?更に、アメリカ人兵士をイラクに派兵するとき、ブッシュは兵士達にどんな約束をしただろう。「早ければ秋には、遅くともクリスマスには諸君は故郷に帰れるだろう」と宣言したのである。実態はどうか?夏にはフセインの息子達が殺された。秋にはフセイン自身が逮捕された。それでイラク戦争が終わったでしょうか。むしろ、その頃からアルカイダのような過激派のイラク潜入、部族勢力の反米武力活動が活発になってきたのである。しかも何時まで経っても大量破壊兵器は見つからない。三年経って、とうとうブッシュも、大量破壊兵器が無かったことを認めざるを得なくなってしまった。しかし、ブッシュは自分の誤りを認めず、今度はイラク内戦を理由に米軍撤退を拒否し続けている。いつの間にか、戦争目的が、対テロからイラク内政問題にすり替わっているのだ。兵士にとって、こんな話では無かったのじゃないか、というのが実態だろう。ただ、彼等は現代アメリカではマイナーな存在なので、軍や政府に反することは言えない。ここがベトナム時代と違う処なのだ。ベトナム時代は、アメリカ社会も格差は大きくなく、いわゆる総中産階級の時代だった。だから、政府の云うことに嘘があれば、みんながクレームを付けることが出来た。しかし、今のように経済格差が広がれば、上部階層は戦争で一儲け出来るが、マイナー階層は政府に反する言動をすれば、そこで生活できなくなる。そこで政府批判をする人間が誰もいなくなり、何時までもだらだらと戦争が続くという訳なのだ。

 さて、筆者は戦争を仕掛けた側にとって、戦争の時間経過に伴って、国民の中に次のような現象が発生すると述べた
1)開戦〜0.5年      援戦・・・・・積極的に戦争を支援する。政府支持率最高。
2)開戦〜1〜2年     継戦・・・・・戦争目的にやや疑問が出てくるが、始めたものは仕方がないので、それを続ける。政府支持率やや低下。
3)開戦後丸2年目以降 厭戦・・・・・戦争が段々うっとおしくなる。部分的に反戦活動が出てくる。政府支持率かなり低下。
4)開戦後丸4年目以降 反戦・・・・・反戦活動が活発化する。政府支持率最悪。
 今やブッシュ政権の支持率は40%を割り、民主党だけじゃなく、肝心の共和党内部からもイラク政策を批判される始末。現在イラク戦争は丸3年を経過している。つまり、アメリカの現状は3)の段階に入っており、おそらく来年には4)のレベルに達するだろう。通常この段階なら、冷静な政府・政治家なら、戦争の終結点について検討を始めているはずだ。ところがブッシュは相変わらずの強気一編道(Stay the coarse)である。最近出版された、シュレーダー元ドイツ首相の著書によれば、ブッシュは神と対話し、その結果で政策を決めているらしい。最早神懸かりの状態である。指導者がこういう状態であれば、冷静客観的なアドバイスは効果を有しない。何故なら、彼は神のお告げで行動するからだ。そして、彼の神は犠牲を要求する。一方もう一人、神懸かり状態ではないかと思われる人物がいる。キムジョンイルである。彼は朝鮮の祖霊と対話しているのかもしれない(朝鮮半島はシャーマニズム勢力が強い)。祖霊神も又、犠牲を要求する。神と対話する人間と祖霊と対話する人間が、ガチンコで勝負すれば、行くとこまで行くしかない。そういえば、ヒトラーも末期には神懸かり状態になっていた。(06/10/25)


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